桜田ひより『あたりのキッチン!』でコミュニケーション能力ゼロの主人公役「成長していく姿に引き寄せられる」

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桜田ひより
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女優の桜田ひよりさんが主演する土ドラ『あたりのキッチン!』(東海テレビ・フジテレビ系、毎週土曜23:40~)が10月14日より放送スタートします。

桜田さん演じる辺清美(あたり・きよみ)は、自分の味覚には自信があり料理も得意なものの、コミュニケーション能力ゼロの大学3年生。そんな清美が定食屋「阿吽」でアルバイトを始めたことで、周囲の人と心を通わせていくハートフル“グルメ”ドラマです。

主演ながらも、気負わずリラックスして現場に臨んでいるという桜田さん。定食屋の店主役を務める渡部篤郎さんとのエピソードをはじめ、作品の見どころや意外な特技についてもお話を聞きました。

桜田ひよりのコミュニケーション能力を数字で例えると?

――出演が決まった時のお気持ちは?

純粋にすごく嬉しかったです。久しぶりの食べ物のドラマだったので、ワクワクとドキドキで胸がいっぱいになりました。

――原作を読んだ感想を教えてください。

漫画なのに、すごくお腹が空いてきてしまいました(笑)。ものすごく手の込んだ料理というよりは、身近にある家庭の味が出てくるんです。その中で、それぞれの人間関係が描かれていて、清美ちゃんがちょっとずつ成長していく姿に自然と引き寄せられました。

――清美を演じる上で、どんな役作りをされましたか?

監督と一緒に、現場でディスカッションすることが多いですね。清美ちゃんは常に猫背なので、基本的に撮影中はずっと下を向いて、猫背の姿勢を保ちながら演技をしています。

――撮影するにあたり、これまでにない経験などはありますか?

私がチャレンジさせていただく役は、明るいものだったり、暗いものだったり、ちょっとコメディ系だったり、毎回毎回、まったく別の役柄が多くて。その中でも“コミュニケーション能力ゼロの清美ちゃんが、自分なりに伝えようと頑張っている姿”は、自分にとって初めての演技です。目線ひとつとっても、ここで目を見て、相手と目が合いそうになったら逸らすとか、瞬きが多いとか、清美ちゃんを象徴できるものがいくつもあるので、そういう細かいところにも今回は特に気をつけています。

――清美はコミュニケーション能力ゼロとのことですが、桜田さんご自身のコミュニケーション能力を数字で例えると?

50ですかね(苦笑)。自分から話しかけたり、話題を振ったりすることはすごく苦手なんですけど、話しかけられたら答えることはできるので、50かなと思います。

『あたりのキッチン!』の一場面
『あたりのキッチン!』の一場面

――“主演”ということについては、ご自身の中でどう捉えていますか?

すごくありがたいなと思います。清美ちゃんを演じることができる嬉しさもありますし、責任感もありますが、本当に温かい方々に囲まれながら撮影をしているので、その環境にも溶け込みつつ、気張らずに楽しく撮影できたらいいなと思っています。

――気負うより楽しくやったほうがいいと、実際に手応えを感じていたりもしますか?

現場でスタッフさんとキャストで連携を取りながらお仕事していくのが、みなさんにとってベストな状態だと思います。清美ちゃんは基本的におどおどしていたり、最初の一言目がうまく出なかったりするのですが、ネガティブなものには引っ張られず、現場ではすごく楽しく撮影しています。

――主演なのに「気負わない」というのはすごいなと思いますが、桜田さんはふだんから緊張せずにスッと現場に入れるタイプなのでしょうか。

そうですね。ただ今回は、いつもよりもゲストの方に自分から頑張って話しかけに行っています(笑)。

共演の渡部篤郎は胸に刺さる言葉をくださる方

――「阿吽」の店主役を渡部篤郎さんが演じると聞いた時には、どんなお気持ちでしたか?

以前共演させていただいた時には本当に一瞬だったので、今回ガッツリお仕事させていただけると知って、すごく嬉しかったです。まだ1時間くらいしか一緒に撮影をしていないので(笑)、これからの2人のシーンがすごく楽しみです。

――現場では、何かお話をされましたか?

渡部さんが(撮影に)入った初日のシーンの後に、「気楽にやっていこうね」と声をかけてくださって、その一言ですごく心が軽くなりました。本当に一言一言、胸に刺さるような言葉をくださる方です。

――清美は料理上手ですが、桜田さんはふだんお料理されますか?

料理は、たまにします。得意料理はロールキャベツで、家族に振る舞うことが多いですね。もう少し寒くなったら、きっと出番も増えていくんじゃないかなと思います。

――清美を演じるにあたって料理の練習もされているそうですが、進捗状況はいかがでしょうか。

撮影に入ってからはお家にいられないことも多いので、あまり進んでいないんです。でも、カニカマ入りのだし巻き卵を作るシーンがあって、それはすごく難しかったですね。撮影が近くならないと詳しいメニューは出てこないので、なかなか練習はできないんですけど、楽しみな料理はたくさんあります。台本には調味料や、作り方の工程も書かれているので、撮影が終わった後に少しずつ作ってみたいなと思っています。

――清美は絶対味覚を持っていますが、桜田さんには「これは自慢できる」という特技はありますか?

四つ葉のクローバーを見つけるのが、人より早いです(笑)。

――その特技には、いつ頃気づいたのですか?

中学校時代、登下校の時に四つ葉のクローバーをよく探していたので、そこからですかね。公園とかで撮影があると(1秒に1回くらい)「あっ!」「あっ!」って、本当にこれくらいのペースで見つけられます。今、マネージャーさんが頷いてくれています(笑)。

――それはすごいですね。四つ葉のクローバーを見つけると、やはりいいことはありますか?

幸せな気持ちにはなれますね。「ラッキー!」って(笑)。

――(笑)。あらためて、今回のドラマで「ここは注目してほしい」というポイントを教えてください。

「阿吽」での料理シーンは、自分としても今後どうなっていくのか楽しみです。ゲストの方々が抱えている悩みに対して、私たち2人がどんな料理を作って、その方の心に寄り添っていけるかが、このドラマの見どころだと思っています。絶対にお腹が空くと思いますし(笑)、悩みには共感できる部分もあると思うので、人の温もりや温かさにも注目していただけたら嬉しいです。

(取材・文:nakamura omame)

スタイリスト:星翔子 ヘアメイク:枝廣優綺

<第1話あらすじ>
大学3年生の辺清美(桜田)は料理が得意で調味料の配合も言い当てられる“絶対味覚”の持ち主。しかし極度の人見知りでコミュ力はゼロだった。就活を前にそんな自分を変えたいとアルバイト探しを始めるがうまくいかず……。

んな時、ふと通りかかった定食屋「阿吽」から香るにおいにひかれて店内に入ると、中には少し気難しそうな店主の中江善次郎(渡部)の姿があった。言葉では伝えられない思いを料理に込めて、お客さんの心をほぐし温めていく。食欲の秋にじんわり心を満たしてくれるハートフル“グルメ”ドラマ、いよいよスタート!

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