初回を見て、今作は恋愛リアリティショー感覚で見守るべき作品だと確信。ならばスタジオメンバーの一員として思い切り前のめりに楽しむしかない！ 7月17日に放送された『真夏のシンデレラ』（フジテレビ系、毎週月曜21時～）の第2話は、蒼井夏海（森七菜）と水島健人（間宮祥太朗）、牧野匠（神尾楓珠）の関係性に変化が。はやくも三角関係勃発か？ もう恋は着実に動き出している！
待ってました、夏祭りイベント発生
朝の海辺では、夏海、滝川愛梨（吉川愛）、小椋理沙（仁村紗和）がお決まりのガールズトーク。匠に女として見られていないと知りショックを受ける夏海を二人が励ましていた。
理沙のいう「海見とけばたいていのことは大丈夫」は本当にそうだし、「なんであんなヤツのこと好きになっちゃったんだよ！」と海に向かって叫ぶのは、ドラマとしては100点の行動。海が最高の装置として機能している。
そんな夏海には新しい波も来ていた。それはサンダルをプレゼントしてくれた健人の存在。健人について話していたら偶然本人がやってくるという、誰かに噂されてくしゃみするくらいのベタな展開もいい。偶然は重なると、意識してしまうもの。シンクロニシティは恋のサインだから。
健人は食堂を手伝うことでいつの間にか夏海の家族とも溶け込んでいるし、おとなしそうな雰囲気を醸しながらもなかなかのやり手だ。夏海一家と休憩していると、匠が食事をしにやってくる流れもスムーズ。どうやらこの日は夏祭り。夏海の弟・海斗（大西利空）の提案で、夏海は匠と行くことに。
第2話でもう夏祭りイベントを発生させるとは。惜しみなく夏の気分を盛り上げてくれてありがとう。理沙がアシスタントをしている美容室で着付けとメイクをしてもらい、準備は万端。匠には振られたものの、まだどこかで期待してしまう。夏海はいつもと違う姿に変身することで、恋する乙女スイッチがまた少なからず入ってしまっているはずだ。
匠もきっとまんざらではなかったと思う。あいつこんなにきれいだったっけ？ と言わんばかりの表情。ギャップにやられている感じがした。ただ、会場には長谷川佳奈（桜井ユキ）の姿が。しかもパートナーと一緒に。匠は気が気ではなくなり、佳奈に接近。夏海のことも放り出していなくなってしまう。
ここで佳奈が夏海と匠の学校の先生だったと判明。匠の佳奈への恋心を、夏海も知っていたようだ。せつなすぎる。
愛梨と理沙は、佐々木修（萩原利久）と山内守（白濱亜嵐）と合流。夏海は健人と偶然遭遇し、結局いつもの5人で回ることに。射的でクジラのガラス細工を手に入れるために躍起になる健人、これは完全に夏海へのアプローチだ。
絡まれている愛梨を助けに入った夏海を守ろうとして殴られてしまうところも、そこでいきなり匠が仲介に入る展開もわかりやすい。
匠「守れもしないのに、夏海にあんまり近づくなよ。俺たちとあんたじゃ住む世界も違うだろ」。健人「そっちこそ、彼女を振り回してるんじゃないの？」。
いきなりのバチバチ展開に、トレンディなBGM。これは完全に90年代の月9だ……。そっちがその覚悟なら、こちらもその気で楽しませてもらいますよ。
放送中のドラマ『こっち向いてよ向井くん』で「守られるなんて言われたら、見下されてるなーって思っちゃいますね」という台詞があったが、こちらはその真逆を行く展開。守ることが当たり前の男たちによる戦いの火蓋が切って落とされた。それぞれの守り方で、2人はシンデレラを守り、救い出す展開になるのだろうか。
いきなりのキスvsプロジェクションマッピング
ここでさらなる急展開が。佳奈への思いを断ち切れない匠が、夏海の唇をいきなり奪ったのだ。匠、合意のないキスは性暴力だと知ってくれ……。夏海の好意にも気づいていない素振りだったくせに、なんのつもりなんだろう。
自分の行き場のない感情の発露を夏海で発散させようとしたらのなら許しがたいし、とっさの「ごめん」の言葉も夏海にとってはつらすぎる。
そんなことは知らない健人はといえば、夜に夏海を誘い出す。海岸へと続くトンネルに仕掛けておいたのは、海中を泳ぐクジラのプロジェクションマッピング。第1話の水族館で味を占めたか？ 青の光は夏海をきれいに照らしている。さすが東京の男、やることが違う。
ありえないかもしれないけど、ビジュアルで訴えかけるこの手法、ドラマとしては見応え十分すぎる。このサプライズ演出により、夏海の連絡先もゲット。
夏海は何事にもがんばりすぎだけど、それが嫌なわけではない。「大事なものが半径3m以内に全部ある」から、幸せがあるこの場所を守りたいし、離れたいと思っていない。そんな夏海に健人は夏海自身の幸せも半径3mの中に入れていいんだよと伝える。
健人「これも半径3m以外の幸せに入る？」。それはつまり「俺も君の幸せになりたい」という意味なのだけど、夏海はうまく意訳できただろうか。
そのあと見えた海は、いつもよりもきれいに見えた。夏海、もう世界の見え方が変わってきている？ この恋にまっすぐ進んでいいんだよと言いたいけど、まだまだドラマとしては紆余曲折な展開を用意してくれていそうだ。
一方で、愛梨は修と守と三角関係になりそうな気配でこちらも男同士のバトルが勃発しそう。そして理沙のクリーニング店には、早川宗佑（水上恒司）が。こちらはすでにストレートな愛の告白を受けている。
月曜9時に恋が大渋滞しているなんて、何年ぶりだろう。久しぶりに友人と集まってリアタイしながら盛り上がりたくなるドラマが誕生してくれて嬉しい。それもドラマの価値のひとつに違いない。
（文：綿貫大介）
