奈緒、挑戦的なテーマの『あなたがしてくれなくても』は希望のドラマ「自分も一緒にもがいていけたら」

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奈緒さんが主演する木曜劇場『あなたがしてくれなくても』(フジテレビ系、毎週木曜22:00~)が、4月13日より初回15分拡大SPでスタートします。

本作はハルノ晴さんの同名コミックを原作に、夫婦のセックスレスをテーマに描く大人の恋愛ドラマ。物語の中心となるのは、吉野みち(奈緒さん)と陽一(永山瑛太さん)、新名誠(岩田剛典さん)と楓(田中みな実さん)という、傍から見れば幸せそうな2組の夫婦。しかし、ある日を境に夫婦が抱える問題が表面化することで、それぞれの夫婦関係が複雑にもつれていきます。

結婚5年目、気づけばレス歴2年となり、夫との関係にもがく主人公・みちを演じる奈緒さんに、挑戦的とも言える作品に臨む心境についてインタビュー。3度目の共演となる瑛太さん、そして、今作で初共演となる岩田さんとの素敵なエピソードも聞かせてくれました。

――クランクインから少し経ちましたが、撮影はいかがですか?

現場が本当に明るくて、みんな笑いながら撮っているので、今は緊張もほぐれてきました。段々とスタッフのみなさんのこともニックネームで呼べるようになって、自分の中で毎日ちょっとずつ現場に馴染んでいけているのがすごく嬉しいです。

――キャリアを重ねても、やはり毎回緊張するものですか?

絶対に緊張はしますね。とくに初日の前日は、すごく緊張します。一緒に作品を作っていく仲間と会える喜びとワクワクで眠れない! という部分もありますし、初日から自分の役にどれだけ近づいて、監督が撮りたいものをその場で表現できるかなっていう不安も毎回あります。

夫役の永山瑛太に絶対的な信頼「何でも相談しよう」

――クランクイン前、一番不安だったことは何ですか?

長年連れ添った夫婦の空気感を、初日からどれだけ描けるか……そこが一番不安でした。でも、夫役が瑛太さんなので、緊張するシーンには必ず頼れる先輩が居てくださることがすごく心強いですし、「何でも瑛太さんに相談しよう」と思いながら撮影を進めています。夫婦のシーンも最初から力が抜けた状態でやることができて、監督もすごく喜んでくださったので、このままいっていいのかなってちょっと胸をなでおろしているところです。

奈緒
奈緒

――瑛太さんとは3度目の共演ですね。

最初にご一緒したのは、私はまだ地元の福岡にいて、お芝居を本格的にやりたいなと思って上京を考えていた頃でした。その時、瑛太さんに上京の相談もさせていただいたので、今、東京で改めて出会えて、夫婦役ができるというのはすごく幸せです。あの時よりもっともっと成長した姿でいなければとついつい思ってしまうのですが、その胸をお借りして、肩肘張らず思い切り飛び込んで行きたいです。

――瑛太さんからの言葉で、心に残っているものはありますか?

クランクインする前に、「どんなに小さな悩みでも、本当に気を使わず自分には言ってほしい」と声をかけてくださったんです。もう、その瞬間に「この人にはなんでも言っていいんだ!」ってすごくホッとしました。怖がらずに、夫婦という日常を描いていきたいです。

岩田剛典の心遣いに「生まれた時からハンサム」

――岩田さんからは、お誕生日にお酒をプレゼントしてもらったそうですね。

それが聞いてください! あの後、もう1個あったんですよ。私、バレンタインデーには岩田さんとまだ出会ってないんですね。それなのに、ホワイトデーに岩田さんがチョコレートをくれたんです! お忙しいのに……たぶん、生まれた時からハンサムなんだと思います。

――生まれつき備わったハンサムだと。

そうです、そうです。あまりに感動して、絶対にこれは取材で言おうと思っていたので、お話できてよかったです(笑)。

奈緒
奈緒

――(笑)。俳優としては、瑛太さんと岩田さんのどんなところに魅力を感じますか?

瑛太さんは、やっぱり何をしても受け止めてくれるという安心感がすごくあります。瑛太さんの受け皿の広さにも救われますし、目を見ているだけで気持ちが伝わってくるようなとっても素敵な俳優さんなので、本当にご一緒できて幸せだなと思っています。

岩田さんは何が飛び出てくるかわからないというか、本番中に新鮮な反応やお芝居が飛び出てくることがあるんですよ。岩田さんが新名さんを演じることで、「新名さんって、こういう部分があったんだ」と本番中に気づかされることとか、びっくりすることとか、本当に笑ってしまう瞬間とかがあって。ご自身のお人柄もすごく柔らかくてミステリアスな空気をお持ちの方ですし、お芝居もすごく魅力的です。

瑛太さん、岩田さんとお芝居してる時の空気感が全然違うので、勉強になりますし、すごく面白くて毎日楽しみながらお芝居させてもらっています。

――“何が飛び出すかわからない”となると緊張しそうですが、楽しまれているんですね。

すごく楽しいですね、ワクワクするというか。台本から逸れるようなことはないんですけど、岩田さんが新名さんとしてそこに居てくださることで、自分自身、台本で読んだ時にはなかった感情を引き出してもらえることもあるんです。「こういうところで、みちも心を開けたのかな」と思うような瞬間がきっと画面に滲み出ていると思うので、楽しみにしていてほしいです。

――みちを演じる上で、気をつけている点も聞かせてください。

みち自身が悩んでいる瞬間が多いので、台本を読んだ時に「一緒に悩めたらいいな」と感じました。もちろんその先のストーリーは決まっているんですけど、みちが一生懸命悩んで出した選択だからこそ、間違っていても正しくても、どこかみなさんに届くものがあると思うので、そのシーン、そのシーンに慣れることはせずに、自分も一緒にもがいていけたらいいなと思います。

――地上波かつ22時台の放送で、セックスレスをテーマにした作品は挑戦的だと思います。

すごく挑戦ですよね。私も親しい方から「次のドラマ面白そうだね」と声をかけていただくんですけど、その時に「ぜひ奥さんと見てください」とか「家族で楽しんでください」という言葉を、ずっと飲み込み続けています。もしかしたら、家族で見ていただくことで何かのきっかけになるかもしれないし、まったくそういう悩みがないご夫婦にも楽しんで見ていただけるかもしれない。きっと、それぞれがどういうふうにこのドラマを見るか、ということも含めて自由に選んでいただける作品になるんじゃないかなと思っています。

ちょっとヒヤッとするような瞬間もあるドラマではあるんですけど、みなさんに「このドラマに出てくる2組の夫婦が、本当にこの世の中にいるんだ」と信じてもらえるような作品にできれば、絶対に希望になると思うんです。行き着く先がどこだったとしても、“こう生きていいんだ”とか“こうやって人と向き合っていいんだ”とか、一人ひとりのきっかけになれるようなドラマにしたいです。

(取材・写真・文:nakamura omame)

<4月13日放送 第1話あらすじ>
吉野みち(奈緒)はフタバ建設・営業推進部で働くOL。結婚して5年になる夫・陽一(永山)との仲は良いが、いつの間にか夫は自分に触れなくなった。セックスレスになって2年。みちは人知れず悩みを抱えていた。

自分に魅力がないのか……悶々と思いを巡らせていたある日、みちはつい、会社の後輩・北原華(武田玲奈)に「どこで下着を買ってるの?」と聞いてしまう。聞いてしまったことをごまかそうとしていると、そこに、営業一部の上司・新名誠(岩田)が通りかかる。華は「奥様思い」と評判の新名にときめいている様子だ。

昼休みにみちがデパートの下着売り場にいると、突然華が派手な下着を差し出してきた。華は「そろそろ旦那さんにも刺激が必要」と無邪気に勧める。自分も派手な下着を手に取り、「いつかニーニャ(新名)様の時のために」と積極的な華に、みちは「不倫はダメ」と釘を刺す。新名には楓(田中)という妻がいるからだ。

華に勧められるがままに、下着を買って帰宅したみちを、レスのことでここ数日ギクシャクしていた陽一は抱きしめて、「今日は遅いから別の日に」と約束する。

そして、約束の夜。みちは帰宅途中、会社にスマホを忘れたことに気づく。取りに戻ると、スマホには陽一から“少し遅くなる”と連絡が入っていた。またすれ違ってしまいそうな不安に一人駆られるみち。するとそこに新名が現れて……。

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