元日本代表・佐藤寿人も作り手の思いに感激!最新ユニフォームのデザインと機能を徹底解剖

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2月19日に放送されたサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:20~)は、サッカーの“ユニフォーム”を特集。ユニフォームサプライヤーの4社が、開発秘話やこだわりなどを明かした。

30年目のJリーグが開幕する中、番組ではユニフォームにフォーカス。各クラブのユニフォームサプライヤーであるプーマジャパン、アディダスジャパン、ミズノ、デサントジャパン・アンブロの担当者をゲストに招き、新しいユニフォームに込められた伝統と革新を紐解いていった。

プーマは、セレッソ大阪、清水エスパルス、京都サンガF.C.、川崎フロンターレと、J1最多の4チームを担当。セレッソ大阪は“たすき”をモチーフにしてサポーターとのつながりを表現し、川崎フロンターレは“フロ”というつながりから地域の銭湯の活性化に取り組んでいるので、風呂のタイルをイメージするなど、どのユニフォームも各チームのアイデンティティが詰め込まれていた。

また、アディダスが手掛ける横浜F・マリノスの新ユニフォームは、創設30周年を迎えるメモリアルなシーズンということもあり、創設された当時のユニフォームで象徴的だったサイドパネルのデザインを採用。ゴールドの色味には王者奪還の願いが込められている。

ミズノは、北海道コンサドーレ札幌と名古屋グランパスの2チーム。札幌のユニフォームは、パリコレなど海外でも活躍するデザイナー・相澤陽介が手掛けており、他社でも大きな話題になったという。

また、名古屋は光をテーマにデザインを通じてストーリーを構築。かつて名古屋でプレーした解説の佐藤寿人も「そういうストーリー性を感じていました」とデザインの意図を理解し、「作り手の人がいろいろな思いを持って作ってくれているんだなっていうのは、改めて感じました」と思いを伝えた。

そして、アンブロが19年間支え続けるのは、ガンバ大阪。新ユニフォームは、30周年を機に一新されたエンブレムに合うシンプルなデザインで、「BE THE HEAT, BE THE HEART(青い炎となり、熱狂を生み出し、中心となる。)」というチームのコンセプトが表現されていた。

各社がこだわって作り上げたユニフォームに、MCの勝村政信ら出演者も感心。佐藤は「毎年ユニフォームが変わることはなかったんですよね。2~3年同じユニフォームで」と自身の現役時代を振り返り、「今のトレンドは毎年デザインが変わるので、新しいユニフォームを身にまとって戦えるというワクワク感はあるのかな」と、選手の立場に立ってコメントした。

まさにユニフォームは選手の“戦闘服”。昨年の2021シーズンは、プーマが手掛けたユニフォームを着用した川崎フロンターレがJ1優勝を果たしている。優勝チームは、ユニフォームの星の数が増えることになるが、アンブロの担当者の「星の数が優勝によって変わったりすると思うんですけど、ああいうのが入るとユニフォームの生産の納期が厳しくなってくる」という生産スケジュールへの苦悩に、他社の担当者全員がうなずく一幕もあった。

そして、近年はスポーツメーカーだけではなく、サプライヤー契約を結ばずに自社でユニフォームを作成するクラブや、東京オリンピックでスウェーデン女子代表のサプライヤーを務めたユニクロの参入など、新機軸や新勢力も。「互いに高め合っていければ」「サプライに参画するのはいいこと」と、前向きな4社の担当者たちに対し、勝村は「心に余裕がありますよね」といじっていた。

また、各担当者が唸った歴代のユニフォームについてもトークが展開。ミズノの担当者がJリーグ初代王者のヴェルディ川崎のユニフォームを挙げると、アディダスはJリーグ開幕の前年に横浜マリノスが着用していたユニフォームをセレクト。アンブロは、自社が手掛けたガンバ大阪の30周年記念ユニフォームを選んでいた。

Jリーグ以外からは、プーマの担当者が2002年のカメルーン代表のユニフォームをチョイス。実は、このときのカメルーン代表のユニフォームはノースリーブという斬新なもので、大きな話題に。しかし、FIFAはノースリーブでのワールドカップ出場を認めず、カメルーン代表はノースリーブの下にアンダーウェアを着て対応した。

その他にも様々なデザインのユニフォームが誕生したが、サプライヤーはデザインだけではなく、機能面にも注力しているという。アディダスは吸水性、速乾性、透湿性に優れた新素材をユニフォームに取り入れ、選手の快適なプレーをサポートしている。

一方、手作業の国内縫製にこだわるアンブロは、裾の部分に切り替えラインを入れて、裾の幅を取ることによって、もも上げのしやすいパンツを開発。選手の動きやすさを向上させた。

さらにプーマが作り上げたのは、従来の40%も軽いという最軽量のユニフォーム。実際にスタジオでそのユニフォームを手にした勝村は「嘘だ。ハンカチよ」と目を見開き、ライバル関係にある他のサプライヤーの担当者たちも口々に「軽い」と驚いていた。

歴史を踏まえながらも最新の進化を遂げた新ユニフォームが投入される2022シーズン。最後に佐藤は「スタジアムがユニフォームの色で染まる姿を見たいですし、それに対し、選手が躍動する素晴らしいシーズンを期待したい」と語った。

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