朝ドラ効果!?注目される『鳥人間コンテスト』の奥深さを改めて総まとめ!

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朝ドラ効果!?注目される『鳥人間コンテスト』の奥深さを改めて総まとめ!

朝ドラ『舞いあがれ!』がクライマックスを迎えるが、なんといっても前半のハイライトは福原遥さん演じるヒロインが大学の人力飛行機サークル「なにわバードマン」に入部し、“イカロスコンテスト”と呼ばれる自作人力飛行コンテストに挑戦したところだっただろう。

この“イカロスコンテスト”、どうやら読売テレビの名物長寿番組『鳥人間コンテスト』のことらしい。ytv公式『鳥人間コンテスト』のYouTubeチャンネルの動画には、「舞い上がれから来ました」「朝ドラ舞い上がれ見てると鳥人間を見てしまう」「朝ドラから来たけど、(本家も)めちゃくちゃすごい」「舞いあがれ!(朝ドラ)見て、この動画を見たくなった!」といったコメントが多く寄せられている。

今、鳥人間に改めて熱い視線が向けられている。そこで、今回は『鳥人間コンテスト』の奥深さを改めてまとめてみた。人はなぜ空を舞うことにこうも憧れるのか――。

【文・鈴木しげき】


前人未到60kmフライト!琵琶湖の空を完全制覇した男

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鳥人間コンテストは、琵琶湖を舞台に「人力プロペラ機部門」と「滑空機部門」に分かれて開催されている。「人力プロペラ機部門」でその飛行距離が60㎞という偉大な新記録を打ち立てたのが、2019年のチーム「BIRDMAN HOUSE 伊賀」(三重県)だ。そのパイロット渡邊悠太さんは、なんと2時間以上ペダルを漕いで飛び続けた。まさに伝説のフライトだった。

渡邊さんは、東大在学中に鳥人間サークル「F-tec」に所属。パイロットとして琵琶湖の空を夢見るも書類審査落ち。社会人になって夢をあきらめきれず、2012年に会社「DMG森精機」のクラブとしてチームを発足。2013年には出場の資格を得るが、直前で破損し辞退。チームは休止状態に。そして2015年、再度社内でメンバーを募集。2016年、念願の出場を果たしたという執念の鳥人間だ。

初出場の大会では番組制作サイドも正直ノーマークだった同チーム。ところが、テイクオフしてみると安定飛行で17854.09mの好記録を叩き出し、3位に輝いた。そして2017年には40㎞へ到達。いよいよ、その2年後には60㎞という大記録の樹立へ。

渡辺さんのインタビュー記事を読むと、飛行機をつくる技術はもちろん、操縦する体力をいかに鍛え上げるか、そして当日いかに風を味方につけるか……など、当コンテストを制覇する難しさがうかがえた。リンクを貼っておくので、ぜひ一読してほしい。

◆鳥人間コンテスト2017で前人未到の40kmフライト! 琵琶湖の空を完全制覇した男に放送後の反響を聞いてみた

試行錯誤をくり返す滑空機部門の名物男“ミスター鳥人間”

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動力を一切使わずグライダーのように飛行機を飛ばして距離を競う「滑空機部門」で現在1位を誇っているのは、533.58mの記録を樹立した「チームあざみ野」(神奈川県)だ。この新記録が出る2022年まで、「滑空機部門」の絶対王者として君臨していた男がいる。優勝13回という驚異的な記録を持つ“ミスター鳥人間”大木祥資(おおきしょうじ)さんだ。

1996年に初めてパイロットとして出場して以来、毎年のように参加しては好記録を打ち出す。この情熱は何なのか。大木さんはこう語る。「どれだけ良い記録が出ても、大会が終われば『次は、ここを改良したら、もっと記録が伸びるんじゃないかな』と、必ず改善点が見えてくるんです。すると、気持ちが途絶えることなく、また来年に向かって改良に没頭していけるんです。その繰り返しで、ここまで来てしまったという感じですね。これが完成形だと思える答えがないからこそ、どんどん引き込まれていくような気がします」

そんな大木さんだから、きっと新記録の奪回に向けてまた燃えているに違いない。大木さんのインダビュー記事があるので、リンクを貼っておく。

◆『鳥人間コンテスト』の絶対王者が大いに語る!「飛び降りろ」発言の真相と、大会への熱い情熱。


鳥人間コンテストを支える裏側スタッフもスゴかった!

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鳥人間コンテストの象徴といえば、湖上に作られた高さ約10メートルのプラットホームだろう。このプラットホーム、作り上げるのに約2ヶ月。解体するのに約2週間かかるそうだ。そこには、これまで44回を数える鳥人間コンテストのノウハウが詰まっているという。

そのプラットホームから飛行機が飛び立つと、たくさんのボートが機体を追跡し、カメラを向ける。あの雄大な映像は、スタッフの苦労なしには成立しないのだ。

また、各機体には必ずCCDカメラを搭載。このカメラが、コクピット内でのパイロットの表情を伝えている。ネット上でもよく話題になる、体力や精神の限界から発せられる多くの名言はこのカメラが記録。感動のフライトを盛り上げる重要な役割を果たしている。そんな裏側に迫った記事があるので、興味のある方はぜひチェックを。

◆台風迫る琵琶湖の激闘!中止か、続行か!?鳥人間コンテストの裏側に潜入した


限界を超えた“魂のフライト”を見せた東北大の伝説男

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鳥人間ファンならこの男をご存知だろう。2011年、東北大学のチーム「Windnauts」のパイロットとして出場した中村拓磨さんだ。中村さんのTwitterには、こんなつぶやきがある。「魔女の宅急便とか鳥人間コンテストの放送日は僕のフォロワーが割と増えるけどまさか朝ドラで増える日が来るとは」――どうやら彼は今も語り継がれる伝説らしい。

ytv公式『鳥人間コンテスト』のYouTubeチャンネルには、中村さんの飛行の様子が動画としてアップされている。とにかく、熱い。そして限界を超えたフライトは見る者の胸を打つ。コメント欄には「これリアタイで見れて良かったなあ 中村君、今凄く立派になられたしマジレジェンドだよ」「自分も頑張らなきゃって思えるから、ほんとに勇気と元気をもらってる」「この人こそが東北のレジェンド」といった声が寄せられている。

また、この飛行は多くの名言が誕生したことでも知られている。その中のひとつ、「桂ァ!今何キロ!?」はあまりに有名だ。限界を超えた中村さんが、チームメイトで機体設計担当の桂朋生さんに向けて最後に放った言葉だ。その言葉をかけられた桂さん、2021年からは番組の解説として鳥人間コンテストに参加している。以下に、桂さんが番組を存分に楽しむ方法を語ってくれているので、よかったら読んでほしい。

◆解説者・桂 朋生に聞く! 『鳥人間コンテスト』を120%おもしろく視聴するポイントはコレだ!

もちろん今年も『鳥人間コンテスト』は開催予定!詳しくは、番組ホームページで確認を。

【鳥人間コンテストとは?】
当大会はテレビ番組制作を目的とした自作人力飛行機による飛行距離および飛行時間を競う大会である。その舞台となっているのは、滋賀県の琵琶湖。2022年現在までに第44回と歴史を重ね、数々の記録、感動シーンや名言を生み出している。なお開催にあたり読売テレビは、運営委員、審判団、制作委員、事務局等からなる大会実行委員会を組織している。

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