【大阪府】焼き魚に?アジフライに?え!すき焼きにも?大阪府民は「何でもポン酢」!

公開: 更新: 読みテレ
【大阪府】焼き魚に?アジフライに?え!すき焼きにも?大阪府民は「何でもポン酢」!

ポン酢はどこにでもある調味料。だが東京の人はさほど使うことはないようだ。銀座でポン酢について聞いてみると「鍋料理には使う」「なきゃ生きていけないことはない」と、やや冷淡。若い夫婦にも聞くと「ポン酢は・・・ないね。」とあっさり。「調味料はいろいろ使うけどポン酢だけは使わない」東京では少々、日陰の存在のようだ。
ところが大阪ではガラリと違う反応になる。商店街でオカンたちにポン酢について聞くと「醤油より使う」「油物をさっぱり食べれる」「料理の味を殺さない」とポン酢を激賞。
取材陣が、自分はそんなにポン酢を使わないと言うと「ポン酢の蓋の周りカピカピしてそうやな」となぜか呆れられる。そこへちょうどオカンの長男が通りかかった。「東京の人ポン酢鍋しか使わんのやて」とオカンが教えると「アホやろ」と即答。ポン酢を使わないとアホ扱いかい。

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他で聞いて回ってもみんな口々に「かけるものは7割ポン酢」「とんかつはポン酢」「ポン酢がなくなったら署名活動やな」しまいには「ポン酢好きやから飲める」と言い出す人も。好きすぎじゃない?

ポン酢は都内のスーパーにも10種類程度は置かれているが、大阪のスーパーのポン酢売り場は一面ポン酢だらけ。あるスーパーで数えると、なんと34種類もあった。何しろ、一人当たりのポン酢購入金額が京阪神エリアは905円と、京浜エリアの623円の1.5倍近いのだ。

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あるお宅のポン酢を冷蔵庫から出してもらうと、5本出てきた!普通のポン酢とは別に、もみじおろしポン酢、ごまポン酢など様々な種類がある。オカンによると「1人1本、好みもあるし、かけるものにもよりますね。主人なんかポン酢がないと暴れますよ」
そのお宅の食事風景を観察すると、もみじおろしポン酢をサバ塩にかけるのはわかるとして、魚の西京焼きにポン酢をオトンがかける。「西京焼きのおいしさも残るし、ポン酢のおいしさも残る。西京焼きが最高焼きになる!」とドヤ顔で言う。ほんと好きなんだねー。

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取材して回ると、回転寿司店にもポン酢、シュウマイにもポン酢、アジフライにもタルタルソースかけた上にポン酢、卵ごはんにポン酢。大阪には「何でもポン酢」の文化があるようだ。

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そもそもポン酢とは何か?大阪府民が愛するブランド、旭ポンズの工場で作り方を見た。
ポン酢は出汁が決め手、利尻昆布・干し椎茸・混合節で出汁を取る。そしてスダチ・ユコウ・ユズの3種の柑橘類の天然果汁を絞り、さらに醤油・酢を加えてブレンドする。旭ポンズは年間出荷量500万本と言うからすごい。

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他にもポン酢のブランドは様々ある。近鉄鶴橋駅近くの路地に行くと鶴橋ぽんずの自販機が!

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また平野区には有名なポン酢屋さん、勝貴屋がある。田中勝さんと貴子さんのご夫婦二人で60年以上作ってきた。勝と貴子だから勝貴屋と名付けた、夫婦愛から生まれたポン酢だ。

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それにしても、大阪府民はなぜこれほどまでにポン酢を愛するのか?大阪国際大学准教授喜多野宣子さんはこう解説してくれた。
「大阪府民のポン酢愛は西日本の鍋文化に関係します。カニちり、てっちりのように具材をポン酢につけて食べる水炊き文化があったため、古くから大阪ではポン酢で食べることに抵抗がありません。関東は鍋の出汁に味がついた寄せ鍋文化。あまりポン酢を使う機会がなかったのです。」

なるほどね!最後に取材陣はある和食屋へ。温めてる鍋の横に、大根おろしが入ったポン酢の器が。鍋で料理されているのは、すき焼き!それをポン酢で食べるのだ。ええー?卵じゃないの?食べてるお兄さん、「甘酸っぱい新しいジャンル!」とドヤ顔で言うけど、これはさすがに大阪府民も賛否が起きそう。

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とにかくポン酢はいろんな料理に合うみたい。他県民の皆さんも、やってみましょか!

【文:境治】

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