関東人は関西人よりサッカーがお好き? 影山貴彦のウエストサイドTV【45】

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関東人は関西人よりサッカーがお好き? 影山貴彦のウエストサイドTV【45】

盛り上がってますね、サッカーワールドカップ。私など「にわかファン」の極みでして、長年のサッカーファンの皆さんの足元にも及ばないのですが、ただそれでもスポーツはもちろん、エンターテインメントの裾野を拡げることができるのは、「にわか」がいいかに社会に根付いていくかにかかっているでは、と考えている者でもあります。

サッカー自体の解説は、その道のプロの皆さんにお任せするとして、私は専門のジャンル、放送のお話をしたいと思います。11月23日に放送された、「日本対ドイツ」戦の世帯平均視聴率ですが、関東地区で35.3%、関西地区で30.6%でした。そして、同月27日に放送された、「日本対コスタリカ」戦の世帯平均視聴率は、関東地区で42.9%、関西地区で37.6%でした。※数字はビデオリサーチ調べによる。

ちなみに、今放送業界を始め、メディアやスポンサーの世界でより重視されているのは、世帯視聴率よりも個人視聴率だと言われています。端的に申し上げれば、世帯視聴率は家族のうち誰かひとりでも見ていれば「見た」としてカウントされますが、個人視聴率はひとりひとりの「見た」か「見ていない」が算出されるわけなのです。ただ、現在でもニュース等で報じられる場合は、今も圧倒的に世帯視聴率の方が多いのが実際のところです。

ですので、よくテレビとかでアナウンサーの方が、「世帯視聴率50%ということは、国民のおよそ半分が見たことになります!」的なコメントをしている場合がありますが、これは実は正しくないのですね。このあたり大学の講義でも良く話しているところです。

さて、サッカーワールドカップの視聴率の話に戻ります。さきほどの数字をもう一度ご覧ください。「日本対ドイツ」戦においても「日本対コスタリカ」戦においても、ともに関東地区のほうが関西地区よりもおよそ5%高いことに気づかれるかと思います。この差は調査の誤差としてはいささか大き過ぎますので、これまでのところワールドカップの試合を「地上波のテレビ」で見ている人の割合において、関西は関東よりも少ない、ということは言えるでしょう。

サッカー好きの人が関西よりも関東の人に多い?。もしかしたらそうかもしれませんが、必ずしもそうとは言い切れません。今は地上波テレビだけではなく、さまざまな形で番組を楽しむことができるようになりました。ちなみにインターネットテレビ局「ABEMA」で放送された「日本対ドイツ」戦は1000万人、「日本対コスタリカ」戦は1400万人の人が視聴したようです。

関西の人は、関東の人よりインターネットテレビが好きなのでしょうか?いや、「ABEMA」で解説している大阪出身の本田圭佑さんに対して、関西の人の方がより親近感を抱いている?そんな推測だって成り立つかもしれませんね。このあたりは細かなデータが手元にありませんので、真偽のほどはまだわかりませんが。
いずれにせよ、今回の関東の関西の視聴率差、ちょっと面白い結果だったな、と思っているところです。


執筆者プロフィール
影山貴彦
同志社女子大学メディア創造学科教授
(メディアエンターテインメント)
コラムニスト
元毎日放送(MBS)プロデューサー・名誉職員
ABCラジオ番組審議会委員長
毎日新聞等にコラム連載中
著書に「テレビドラマでわかる平成社会風俗史」、「テレビのゆくえ」、
「おっさん力(ぢから)」など