『そこまで言って委員会NP』がネット展開に熱心なワケを黒木千晶アナに聞いてみた!

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『そこまで言って委員会NP』がネット展開に熱心なワケを黒木千晶アナに聞いてみた!

全国にファンを持つ関西の人気番組『そこまで言って委員会NP』(読売テレビ)のYouTube公式チャンネル登録者数が11万人を突破した。

地上波において関東地区の日本テレビでは放送されていないが、YouTubeチャンネルが立ち上がる前からその人気は全国区。個性豊かなパネリストが時事問題を忖度なしに討論するスタイルが圧倒的な支持を集めている。そこへウェブ展開が加わり、YouTubeでは番組の全編公開も。さらに広いエリア、幅広い年齢層のファンを獲得し続けているという。

同番組がここまでネット展開に熱心なワケとは? 今年3月、新議長に就任した黒木千晶アナと野瀬慎一チーフプロデューサーに聞いてみた。

【企画 : 藤生朋子 / 取材・文 : 鈴木しげき】

新・猛獣使いです!?(WEBでも言って委員会)【そこまで言って委員会NP|2021年3月7日放送】

YouTube全編公開で若年層や関東圏へも届けたい!

――YouTube公式チャンネル登録者が順調に11万人と伸びてますね。

黒木 : ご登録ありがとうございます。昨年春にYouTubeチャンネルが立ち上がって1年で10万人を超えるとは思っていなかったのでとてもうれしく思います。改めて、たくさんの方に楽しみにしていただける番組なんだと実感しています。

――1ヶ月の期間限定とはいえYouTubeに番組の全編を公開していますが、これって珍しいですよね。

野瀬 : 全編YouTube配信はレアだと思います。いま、テレビ番組は、放送とTVerやytv MyDo!などの見逃し配信の両方で進めているケースがほとんどですが、そこからもう一歩進めようというのが私たちの考えです。どうしてもTVerですと見られる期間が1週間という制限があったりします。そんな中、YouTubeはこれまで番組が見られなかった地域の方にも手軽に楽しんでいただける出口がまたひとつ増えた、そんな認識で期間限定の全編公開に踏み切りました。

うちの番組は一見、高齢者層をターゲットにしていると思われがちですが、こういった討論番組を届けることで、「自由に主張して議論していいんだ」という空気感のようなものを若者たちに伝えたい思いがあります。それで、若年層になじみのあるYouTubeに置いてみようと思ったのも要因です。

実際に若い人たちに見てもらえているというデータもあって、そこはうれしいですね。

――その広がり、黒木議長は実感されたりします?

黒木 : わたしは実家が関東なので放送はされていないんですけど、YouTubeで見られるようになって関東の友達から「見たよ」と連絡がくることが増えました。

若い世代からするとYouTubeって娯楽の側面もありながら、専門性の高い知識を得られる場所でもあると思うんです。番組に出ていただいているジャーナリストの方も自らチャンネルを持って話されていたり、報道系の読売テレビニュースのチャンネルも登録者数が増えていたりして、学びたいと思っている若い世代に届いているのかなと感じています。

©ytv (9080)

――けど、全編公開したらリアルタイム視聴が減るなどの影響はありませんか?

野瀬 : 今のところ、そういったことはありません。おかげさまで、うちの放送を楽しみに待っておられる方がたくさんいらっしゃいますので視聴率は変わらず好調です。むしろ若い層に知ってもらうことで、新しい流入が期待できるかなと。

今年3月に辛坊治郎さんからバトンタッチして黒木千晶議長に、政策秘書は野村明大アナという新体制になって、番組のカラーも一新となりました。若い方たちにとって、より見やすい番組に変化しているところです。ですからネットがあるからよくない影響が出るとはまったく考えていなくて、むしろこれまで届いていなかったところに届けたい。YouTubeに置いて、よい相乗効果が生まれつつあると感じています。

黒木新議長になり、番組は“バージョン3”へ進化中!

議長になって初めての収録議長になって初めての収録

――黒木アナは議長になって5か月、いかがですか?

黒木 : まだ5か月しか経っていないんだなと(笑)。もう1年くらい経っているような、濃い月日を過ごしています。18年続く人気番組ですから最初はプレッシャーが大きくて、いろんな方に相談をしました。

アドバイスを受けるうちに、昔の『そこまで言って委員会』はどうだったのか気になって、前任の辛坊さんが議長をされている時の番組を見直してみたんです。気づいたのは、辛坊さんがすごく楽しそうってことでした。パネリストのみなさんと和気あいあいとやられていて、いい意味でおふざけもあるんです。「そっか、この番組はバラエティー番組なんだ!」と原点に立ち返ることができました。

それ以降は、パネリストのみなさんに楽しんでもらいながら、わたし自身も楽しんでやろうと思えるようになりました。

――改めてですが、議長という重責に黒木アナを起用したのはなぜですか?

野瀬 : なんか面白いじゃないですか(笑)。

初代は、やしきたかじんさんという偉大な方が看板となり人気番組にしていき、それを辛坊さんがしっかりと受け継ぎました。今回、番組としては“バージョン3”になるわけです。これまでは専門的な知識を専門家同士でブツけ合うハードコアな番組でしたが、黒木アナが議長になることで、今までとは違う面も出せるのではと考えました。

専門家たちが黒木議長に「このニュースは実はこういうことなんだよ」と知ってもらいたいという気持ちで話してくださいます。ですから、しゃべり方が若干変わったと思うんですよ。専門的なことを、よりわかりやすく伝えようとする意識が高まったと。

――言われてみればそうかも。では、黒木アナにとって政策秘書の野村明大さんはどんな存在ですか?

黒木 : この番組でご一緒する前から、アナウンス部では頼りになる先輩としてお世話になっていました。報道記者の経験が長いかたですから、いろんなニュースが頭に入っていて、まさに“歩く辞書”です。

番組の打ち合わせで「この話題に関して、わたしはこう思ってるんですけど、明大さんはどう思いますか?」と聞くときがあります。それに対しても、しっかり答えてくださって「わたしの考え方、間違ってなかった。じゃあ、この意見は自信をもって言おう」とか、「あ、わたしが思ってたことはふさわしくなかったかも」と改める時もあって、指針になるようなアドバイスを授けてくださいます。そんな明大さんが横にいるのはとても心強いです。

――クセの強いパネリストも番組の魅力ですが、よく暴走する人もいますよね。

黒木 : ・・・・・竹田恒泰さんと田嶋陽子さんですかね(笑)。ただ、みなさん、ご自身のキャラクターをよく理解されたうえで白熱していくのでそこはお見事です。

竹田さんは普段はおしとやかな紳士ですし、田嶋さんはとても気さくで気遣いのある方です。ただ本番では、それぞれのキャラクターを押し出して“プロレス”のような妙技をくり出してくださいます。

――収録現場を仕切るのは大変そう!

野瀬 : 白熱してどうにもならないときはゴングを鳴らして終了としています。たまに時間が来てもしゃべり続ける人もいますけど(笑)。“プロレス”をしているときにときどき垣間見えるガチ感ってあるじゃないですか。うちの番組では、そこも楽しんでいただければと思います。

黒木 : たまにマジな言い合いがあってヒヤヒヤします(笑)。

視聴者とのつながりを大切にするために……!

――番組に対する感想というのは動画のコメント欄でも知ることができますよね。ご覧になりますか?

黒木 : はい、拝読しています。番組の性格上、コメントもやはり熱のあるものが多いですよね。参考になるものは取り入れさせていただています。

――番組を楽しんでもらうために、制作者として、議長として、どんなことを大事にしているか教えてください。

野瀬 : テレビ界全体で言うと、議論番組はどんどん減っているんですね。テレビはもっと言いたいことを言って、みんなで議論して、それを楽しむことができると思ってるんです。最近は丁寧に整えられたものばかりが増えて、言いたいことも言えないムードが漂っているように感じられます。

大の大人が必死になって議論しているさまを見て、感じてもらい、一緒に考えてもらいたい。そのうえで楽しんでもらえる番組。そこを大事にしています。

スタジオの展開は黒木議長が上手にまとめてくれているので、そこは安心しています。まさに“猛獣使い”です。

黒木 : 猛獣使いだと思ったことはないですけど……(笑)。

わたしが大事にしていることは、パネリストの方たちに対して身構えないことです。『そこまで言って委員会NP』の魅力は、専門性の高いことが聞けるということもあげられますが、他の番組では見られないパネリストの本音がポロリと出ちゃうことや、人としてかわいらしい一面が出たり、たまに過激な一面も出ちゃったりしますが……さまざまな顔が垣間見れるところも魅力です。そういう面をすべてさらけ出してもらえるのは、番組に対する信頼感だと思ってるんですね。

ですから、わたしも番組に対する信頼感を大切に、みなさんが何を話しても受け止めたいですし、それを最前で楽しんでいきたいと思っています。そんな雰囲気づくりをこれからも心がけていきたいです。

――番組、これからも楽しみです!

黒木 : 最近、パネリストの方から「前に出た時よりたくさんしゃべれた」と言われて、うれしかったですね。視聴者の方に、その雰囲気が伝われば、なおうれしいです。これからも委員会をよろしくお願いします!

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