「ずっと一緒にいような、ずっと...」 若くして亡くなった男と屍の花嫁...死者の結婚式”冥婚”:ゾクッとする怪感話

公開: 更新: テレ東プラス

あらゆるジャンルにおいて存在する、神様に選ばれた天才。そんな一握りの天才たちには、奇跡のような伝説や、不思議な逸話がついて回る......

"Mr.都市伝説" 関暁夫がMCを務めるストーリーテリングバラエティ「Mr.都市伝説 関暁夫のゾクッとする怪感話」(毎週金曜深夜0時放送/BSテレ東)。巷でささやかれる都市伝説、人智を超えた超常現象、人間の悪意と狂気......様々なゾクッとする話を人気声優の朗読劇でお届け。

12月4日(金)の放送は、前回に引き続き岡本信彦(「青の祓魔師」奥村燐役など)と、石川由依(「進撃の巨人」ミカサ・アッカーマン役など)が登場。"幽霊はいて欲しい派"だという岡本は、自身も自我のある幽霊になって、浮遊しながらいろんな場所に旅行したり、人を驚かせたり、さらには霊の見える人を驚かせてみたりしたいそう。今回はそんな岡本と石川が、ゾクッとする怪感話を2本立てでお送りする。

将棋界の天才・藤井聡太にまつわる怪感話

怪感話#6-1
「熱き盤上の物語(ある女性将棋ファンの手記より)」

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史上最年少となる14歳2ヶ月で、プロ棋士としてデビューした藤井聡太(岡本)。前人未到の29連勝を果たし、17歳で将棋界八大タイトルの一つである棋聖を獲得。その後、王位も獲得して、現役高校生ながら二冠となった。

将棋ファンが藤井に熱狂しているのは、彼が天才少年棋士だから、というわけではない。ある女性将棋ファン(石川)は、藤井に魂を震わされた経緯を以下のように手記に綴っている。

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国民栄誉賞も授与されたプロ棋士・羽生善治(岡本2役)。彼の登場以前、将棋というものは、"将棋道"として修業を含めた生き方そのものだった。そんな将棋界に、羽生はこの一言を投げかけた。

「将棋は、強さを競う完全なボードゲームだ」

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将棋において礼節は大切だでが、その上で羽生は将棋を、純粋に強さを求めるゲームに進化させ、将棋界を盛り上げ、圧倒的な強さで勝っていったのだ。

そんな中、棋士と将棋ソフトが対戦する時代に突入。最初は棋士がソフトを圧倒していたが、次第に五角となり、ついにソフトに敗北。

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さらに、プロ棋士が対局中、将棋ソフトを使ってカンニングをしていた疑惑まで持ち上がり、大騒動に発展。第三者委員会による検証で無実となったものの、プロがこれまで下に見ていた将棋ソフトをカンニングに使ったかどうか揉めたことに、多くの将棋ファンがうんざりしていた。

こうして将棋界が揉めている中、プロ棋士となったのが藤井聡太だ。

将棋界に疲れたファンの心を奪ったのは、29連勝ブームの後。叡王戦本戦で、圧倒的有利な状態から相手の粘りにあい、藤井は自分のミスで敗北。まだ14歳だった少年は、大人の勝負師になりきれず、感情がそのまま表に出てしまった。

それを見た将棋ファンは胸を締め付けられる。人生を賭けて将棋と向き合う少年の、「勝ちたい」という思いが痛いほど伝わってきたからだ。

この挫折を乗り越え力をつけた藤井は棋聖を獲得。その時、AI時代の棋士のあり方について問われ、こう答えた。

「AIの時代においても盤上の物語の価値は不変で、自分自身そういった価値を伝えられればと思っています」

盤上の物語は人間同士でしか生み出せないし、それは見てもらう価値がある。自分もそういったものを伝えたいと、17歳の少年が言い切ったのだ。

それは、AIに敗北し、棋士の存在価値がなくなるのではと動揺していたプロ棋士たちや、心を閉ざしていた将棋ファンにとっての答えだった。

羽生善治によって強さを競うゲームへと進化した将棋は、30年後、17歳の少年によって、人間同士が盤上で綴る一編の物語へとアップデートされたのだ。

死者による結婚式"冥婚"

怪感話#6-2
「花嫁になりたかったのに」

もし、あなたの恋人が余命1年と宣告されたら......。残された時間を2人でどう過ごすだろうか?

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リン(石川)の恋人コウ(岡本)は、重い病気を患い余命は1年。2人は思い残すことのないよう、いろいろな場所へ出かけていた。

ある日、コウは山奥にある実家にリンを連れてきた。1日2本しかないバスに乗り4時間。到着したのは、人里離れた小さな集落だ。

実は、病気のこともあり、コウの家族に会うのは不安に思っていたリン。だが、コウの両親は「息子を支えてくれて、ありがとう」と温かく迎えてくれた。

リンを地元に連れてくることができて喜ぶコウ。2人は、「ずっと一緒にいよう」と愛を確かめ合う。

するとコウは突然、明日、世話になったお兄ちゃんの結婚式に行こうと誘ってきた。リンは戸惑うが、出席することに。

翌日、向かった先は町の小さな集会所。決まった席もなく、参列者であふれている。

「お兄ちゃん! 遅くなってごめん、俺だよ」

目に飛び込んできた光景に、リンは全身が凍りつき、息を呑んだ。

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そこにいたのは、横たわってピクリとも動かない新郎新婦。婚礼衣装を着ているものの顔に生気はなく、すぐに死体だとわかった。

「お兄ちゃんはね、先週病気で死んじゃったんだ」

祭壇にはたくさんの食べ物や紙で作られた人形が並べられ、左右には両家の両親と思われる男女が座っている。リンには、これが結婚式だとは思えなかった。

一言かけてあげてくれとコウに促され、リンは震えながら、なんとか声を絞り出す。

「このたびは、おめでとう、ございます......」

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「お兄ちゃん、ほら見て、俺の彼女。ずーっと一緒にいてくれるって、約束したんだ」

リンが見た死者の結婚式。それは冥婚と呼ばれ、若くして独身のまま亡くなった男性を、あの世で寂しくないように、未婚で亡くなった女性と結婚させる風習だった。息子を亡くした両親は、屍となった花嫁を必死で探すという。

この出来事がトラウマになったリンは、逃げるようにコウの元を去った。だが、コウが亡くなってしばらく経った今でも、時々声が聞こえる気がしている。

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「ずっと、一緒にいような。なあ、ずっと待ってるからな。ずっと......」

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関、岡本、石川によるスタジオトークでは、将棋が好きだという岡本の話に。小学生の頃はプロ棋士を目指していた岡本。憧れていた羽生善治を演じるのは「むちゃくちゃ難しかったです」と。「羽生にらみ」と呼ばれる独特の視線の動きをする際の、戦闘力が高そうな感じを意識していたそう。

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今でも中国の一部に残っているという「冥婚」の風習。関によれば、亡くなった女性の器量や家柄により、死体が高値で売買されるとか......。石川も、SNSで見かけたという、台湾での死体の結婚相手探しについて披露した。この放送は、「ネットもテレ東」で期間限定配信中!

次回12月11日(金)放送は、櫻井孝宏佐倉綾音が再登場。佐倉が学生の頃に調べたという、バミューダトライアングルやナスカの地上絵の話題が飛び出し、意外に武闘派な本性も明らかに......? ゾクッとする怪感話もお届け!