「15分で判別」新型コロナ簡易検査キットは必要か?

テレ東プラス

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株式市場の下落、臨時休校の実施など企業活動や市民生活に大きな影響が出ている新型コロナウイルス。その感染拡大をどう防ぐのか。3月10日に放送された「ガイアの夜明け」(毎週火曜夜10時)では、動き出した日本企業の独自の取り組みを追った。

新型コロナウイルスは、インフルエンザのように迅速に検査できるキットがないことが、不安を払拭できない一因となっている。そんな中、大阪大学発のベンチャー企業「ビズジーン」では新型コロナウイルスの「簡易検査キット」の開発に挑んでいる。

同社の代表である開發邦宏さんは、神戸大学で遺伝子を学び、博士号を取得。イギリスの名門オックスフォード大学でウイルスの遺伝子の検出法を研究に携わり、2018年に「ビズジーン」を立ち上げた。これまでデング熱の簡易検査キットを手がけている。

すでに新型コロナウイルスの遺伝子の解析も進めており、武漢の新型コロナウイルス感染者のDNA解析を終了。特有の遺伝子情報から新型コロナを検出する簡易検査キットの試作品を完成させた。

簡易検査キットは一般のクリニックでの検査を想定し作られており、調べ方は患者の粘膜や血液から取った液体をキットに数滴垂らすだけ。特別な機械は必要ない。

一方で、現在新型コロナウイルス検査では「PCR法」が中心で、高価な専用機械が必要。診断にも4~6時間がかかる。ビズジーンの簡易検査キットは15分で判別ができ、価格も約1500円ほどだ。

開發さんは「インフルエンザかもしれない、新型コロナウイルスかもしれないという時に、簡単に短時間で結果を見られるというところでは迅速な診断キットのメリットは大きい」と話す。

簡易検査キット実用化に課題

しかし、実用化には課題がある。

検査キットの精度を上げるためには新型コロナウイルスの検体の分与が必要だが、厚生労働省と国立感染症研究所が管理している検体は、一定レベルの基準を満たす施設がなければ入手できない。

開發さんは分与までには時間がかかると考え、厚労省へ直接検査キットを持ち込むので検証してほしいと頼んだ。しかし厚労省は、「民間企業の提案にはその都度の対応ではなく、しっかりとロジックを固めてから対応する方針だ」とし、提案を断ったという。

新型コロナウイルスの検査の拡大に慎重な専門家もいる。

大阪大学微生物病研究所の松浦善治教授は「ちょっと熱があるから調べるというのはやめてほしい。調べても何も治療法はないですから」「みんながパニックになって病院に押し掛けて、本当に治療が必要な人の治療ができないという医療崩壊を防ぐのが一番大事だと思います」と懸念を語った。

こうした指摘に開発さんは「きっとみんな不安だと思うし、重症化するまで家にというのは無茶な話だと思う」と話し「今回の国難だからこそ、(承認を)早めに進めてほしいというのが本音」と訴えた。

番組では「ビズジーン」以外にも、ダチョウの強い免疫力を使った新型コロナウイルスに対応したマスクの開発プロジェクト、さらに中国の工場がストップし正念場を迎えた日本企業に迫る。

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