8月13日に放送した「世界が騒然!本当にあった㊙衝撃ファイル」【㊙戦慄パニック&凶悪事件SP】を「TVer」「ネットもテレ東」で、期間限定配信中!
「テレ東プラス」では、「-40℃の上空で絶体絶命 悪夢の航空パニック」の内容を紹介する。
【動画】TVer:旅客機の窓ガラスが割れ、パイロットの体が窓の外へ!乗客乗員128人の運命は!?&疑惑の家族!41歳主婦惨殺ミステリー
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※事実を元に再構成しています。
2018年5月14日、四川航空8633便。機長は元空軍パイロットで、飛行教官も務めたことがあるベテラン・リウ。 副操縦士には20代の新人・シュウ、そして補助要員としてリアン、その他、客室乗務員6人、乗客119人と合計128人が搭乗していた。
8633便は、重慶江北国際空港を離陸。目的地は、標高3570mに位置するチベットのラサ・クンガ国際空港だが、この空港は山間部にあり、地形も複雑で着陸が難しいため、サポート役としてもう1人のパイロット・リアンが搭乗していた。
ラサ・クンガ国際空港まで約2時間半のフライト予定しており、途中チベット高原の上を通過。そこにはヒマラヤ山脈が広がり、世界一高い山・エベレストがそびえている。
高度は約1万mに達し、フライトは順調だったため自動操縦に切り替え、パイロットたちは一旦緊張感から解放される。補助要員のリアンは、空港が近づくまで、客室で待機することに。
離陸から約40分。8633便は、険しい山々に囲まれたチベット高原の上空へ接近。天気は快晴で、順調なフライトが続くと思われたその時! パイロットたちを危機が襲う。
衝撃音とともにフライトデッキの窓ガラスに亀裂が! 副操縦士シュウがマニュアルを確認し、対応策を探るが、亀裂はあっという間に広がってしまう。
フライトデッキの正面の窓ガラスは、落雷やバードストライクにも耐えられるよう、3層構造になっている。亀裂が入ったのは外側ではなく、一番内側の窓だけだったが、この亀裂が、悪夢のような緊急事態を引き起こす!リウ機長は不測の事態に備え、操縦桿に手を添えた。「チェックリストには、高度を下げろと書いてあります」と副操縦士シュウ。リウ機長は管制官に連絡し、亀裂が入ったことを報告、緊急着陸を要請する。目的地であるラサ・クンガ国際空港を目指さずにUターン、成都双流国際空港に緊急着陸することを決断したのだ。
だがその直後、今度はすさまじい衝撃とともに、警報が鳴り響く。次の瞬間、リウ機長が目にしたのは…信じがたい光景だった!
「うわぁぁぁぁ」。なんとフライトデッキの窓ガラスが割れ、副操縦士シュウの上半身が、窓の外へ押し出されてしまったのだ。
元日本航空のパイロットで、27年間機長を務めた杉江弘氏は、「機内の圧力が、外よりも強い。この窓ガラスに対しても、内側から外に力がかかっている。フライトデッキの中の方が気圧が高いので、空気が外へと流れていく。その関係で副操縦士が(窓の)外に押し出される形になった」と分析する。
空気は、気圧の高い場所から低い場所へ流れる性質を持っている。3層構造の窓ガラスのうち、一番内側の亀裂が入った窓が割れ、残りの2枚も機内の気圧に耐えられずに 吹き飛んだ。そのため、空気が一気に外へ流れ、副操縦士のシュウが押し出されてしまったのだ。
高度は約1万m、気温はマイナス40℃にもなる極寒の世界。上空の酸素量は地上の約4分の1で、このままでは命の危険もある。
さらに、気圧の変化でフライトデッキのドアが開き、客室に強風が吹き荒れていた。客室乗務員が「酸素マスクをつけてください!」と指示し、乗客はみんなパニックに。
そんな中、さらなるトラブルが8633便を襲う! なんと副操縦士シュウの足が操縦桿に引っかかり、前に倒れたまま固定され、機体が急降下。このままでは墜落の可能性も!
しかし、リウ機長は必死に操縦桿を操作し、なんとか機体は安定し、墜落を免れた。
だが、依然として危機的状況に変わりはない。副操縦士のシュウは、シートベルトの一部と、 操縦桿に足が引っかかったまま、懸命に耐えていた。すさまじい風圧にさらされ続けているため、呼吸困難になっている。「早く酸素マスクをつけさせないと…」。
しかし、ここで奇跡が起きる! 副操縦士のシュウが、自力で機内に戻ってきたのだ。「高度を下ろしたことで、外とフライトデッキの気圧の差がなくなってきた。外に押し戻す力が減ってきたため、元に戻ることができた」(杉江氏)。
副操縦士のシュウは酸素マスクを付け、管制官に緊急事態を伝えるコードを発信。管制官も緊急事態を把握したが、今度は無線が通じない。
一方、客室で待機していた補助要員のリアンも、気圧の差がなくなってきたことで 身動きできるようになり、やっとフライトデッキに戻ってきた。あまりの状況に「これは… 大変だ」とリアン。リウ機長の指示で、成都空港までのルートを確認する。
この時、8633便は4000mを超える山々の上空を飛んでいた。窓が割れているため、 できるだけ酸素が濃い低空へと急いで降下する必要がある。
「全体の酸素の供給システム、キャパシティの問題があって、乗客用の酸素は15分程度しかもたない」(杉江氏)。なんと、乗客が付けている酸素マスクは、あと数分しかもたないのだ。
だが、高度を下げ過ぎても、安全に飛行できるルートを探らなくては、山に激突する危険性がある。補助要員のリアンは地図を開き、成都空港までの安全なルートを確認する。
一方、マイナス40℃にもなる極寒の強風を受け続けていた副操縦士のシュウは、深刻なダメージを負ったのか、ぐったりしていた。一刻も早く、着陸しなければならない…。
割れた窓から入り込む冷たい風が肌を突き刺す。リウ機長は寒さに耐えながらも、 必死に操縦桿を握り続け、何とかチベット高原を抜けた。管制官との無線もつながり、成都空港まで約60㎞まできたその時、8633便をさらなるトラブルが襲う!
果たして、乗客乗員128人の運命は? そして、窓ガラスに亀裂が入ったのはなぜなのか? 事故調査官が原因の究明に乗り出し、その真相が明らかに!