知られざるNo1雑誌「ハルメク」あなたの心を狙い撃ちする㊙️戦略と“次なる展開”:ガイアの夜明け

公開: 更新: テレ東プラス

1月26日(金)に放送された「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)のテーマは、「あなたの心を狙い撃ち!~雑誌『ハルメク』驚きの実力~」。
メインターゲットの50代以上の女性を中心に絶大な人気を誇る雑誌「ハルメク」。書店では買えない定期購読のみの月刊誌ながら、発行部数46万部と日本一売れる女性誌だ(漫画を除く)。さらにカタログ通販なども手掛け、読者と一緒にオリジナル商品も開発している。
この時代に、ターゲット世代の心をがっちりつかむ驚きの手法に密着。「ハルメク」の強さと、“狙い撃ち”戦略の全貌に迫った。

【動画】「ハルメク」編集長の山岡さんが仕掛ける“次なる展開”

ターゲット世代をがっちりつかむ、雑誌「ハルメク」驚きの手法


雑誌「ハルメク」は、月1回、自宅に直接届システムで、書店では売られていない。インターネットやスマホの普及で紙媒体の雑誌の発行部数が激減する中、逆に「ハルメク」の発行部数は右肩上がりだ。

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東京・神田神保町にある株式会社「ハルメク」本社。売上高は287億円で、去年、東証グロース市場に上場した。その屋台骨を支えるのが、雑誌「ハルメク」編集部だ。女性を中心に、12人の部員が活躍している。

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編集長の山岡朝子さん(49)は、「(読者は)50代からスタートして、メインは60代、70代。“ハルメク世代”と呼んでいて、その世代の方が何に悩んでいるかを調べて、特集や連載を当てていく」と話す。

例えば美容の特集では、ハルメク世代が特に気にするほうれい線やたるみを改善する方法を具体的に紹介。またスマホの操作に関する特集では、「タップはポン」など、読者に寄り添った分かりやすい記事が読者の心をつかんでいる。

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編集部員のほとんどが40代、50代でシニア層ではないものの、編集部に届くご意見はがきを参考にし、みんなが心の中に仮想の読者像“ハルコさん”を持っているという。
「編集部には、読者から毎月2000枚のご意見はがきが届く。それを読み続けていると、この年代の人はこういうことに関心があるんだとか、編集部員の中に蓄積されていくので、“65歳のハルコさん像”がより具体的になっていく」(山岡さん)。
去年の11月中旬、編集部では、新春の2月号に向けた会議が開かれていた。特集のテーマは「一生、自分で歩く」。読者からのはがきにも、「足が悪くなり庭の手入れができなくなった」などの悩みが書かれており、ハルメク世代の約9割が歩くことに関心を持っていた。

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今回メインの特集を任されたのが、新卒で「ハルメク」に入社した塚本由香さん(30)。4年前、念願の編集部に配属され、連載も任されている若手のホープだ。

11月下旬、塚本さんがやってきたのは「ハルメク」が開催したイベント「いくらでも歩ける足をつくる」。読者40人ほどが参加していた。「ハルメク」は他にも、節約術を学ぶ実践講座や日帰り旅、教養講座まで、イベントを年間300回開催し、延べ4万人が参加しているが、どれも大盛況だ。
歩くことをテーマにしたイベントなら、読者の生の声が聞けるのでは…。会場にやって来た塚本さんは、早速読者と交流を図る。
「皆さん思ったよりも膝に痛みを感じているし、内股など明確な悩みを持っている。それをどう解消するのか…明確にわかる紙面にしたい」。塚本さん、大きな収穫を得たようだ。

働くママでもある塚本さんは、1歳の息子と夫との3人暮らし。「(「ハルメク」は)私の母や祖母の世代が読んでいる雑誌で、この間、旅行の特集をやったら、早速それを読んで『まねしてやってみた』と母から連絡があったり、最近亡くなってしまった祖母は生前、『このページを作ったよ』と連絡すると、感想をくれたりして、すごく楽しみにしてくれていた」。塚本さんも心の中で、ハルメク世代のお母さんやおばあちゃんを思い浮かべながら、記事に取り組んでいた。

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数日後、塚本さんは都内にある撮影スタジオにいた。呼んでいたのは、3人のハルメク読者。読者が正しい歩き方を学ぶ様子を、そのまま記事にしようと考えたのだ。
医学博士の岡本香代子さんが指導する中、塚本さんは、読者の質問や岡本さんが指摘したポイントをメモ。写真も細かくチェックし、読者の生の声を詳しく聞いていく。初めは猫背気味だった読者も、2時間の指導できれいな歩き方に変化していた。

12月中旬、塚本さんは特集のまとめに入っていた。「一生、自分で歩く」は、40ページにわたる大特集。しかし、ゲラを手にした塚本さんは、どこかに電話をかけ始める。締め切りギリギリまでこだわったが、果たして、読者に身近に感じてもらえる特集に仕上がったのか。

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ターゲット世代に必ず刺さるオリジナル商品 開発の舞台裏に密着


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雑誌「ハルメク」にはカタログが付き、グルメやファッション、コスメなど、約300種類の商品が紹介されている。約46万人の読者の膨大なデータを生かして、世代に合ったオリジナル商品も数多く開発。カタログで取り扱う商品を実際に手にできる店舗が、全国に9カ所ある。

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中でも人気なのが、ニンジンをすりおろしたこだわりの「人参ジュース」(1本1400円)や累計44万本売れた全身に使える薬用オイル「薬用杏仁オイル」(1本9680円)など、読者の声から生まれた商品だ。
ファッションも充実しており、最近大ヒットしたのが、ハルメク世代600人以上の体形を分析してデータ化し、履いた時に一番きれいに見える形を追求した「美ムーブパンツ」(6990円)。累計18万本売れた。
この世代を知り尽くす「ハルメク」に、他の企業も注目。マーケティングや商品の共同開発まで、年間30〜50件の問い合わせがあるという。

実は「ハルメク」、売り上げの約9割を雑誌以外の物販やマーケティングなどで稼いでいる。今、力を入れているのが靴で、読者の4割が外反母趾で悩んでいるというデータが。健康にも直結する足の悩みは切実だ。
足の専門家・湯浅慶朗さんと共同開発している外反母趾を矯正する靴は、本革で2万円以上するモデルもあるが、好評だ。

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7月、「ハルメク」の靴事業部を訪ねると、新商品の検討が進められていた。足に優しいのはもちろん、もっと多くの人に履いてもらえる靴を作ろうというのだ。
今までより手頃でおしゃれな靴の開発を任されているのが、大手婦人靴メーカーから3年前に転職してきた開発リーダーの安藤加世子さん。新しい靴の開発に取り組んで約1年が経過したが、機能性とおしゃれの両立は難しく、いまだヒットを生み出せずにいた。

8月、念願のヒット商品に向け、安藤さんは新たな一歩を踏み出す。やってきたのは東京・南青山にある、靴の製造を委託しているメーカー。安藤さんが自ら企画した“新たな靴”の試作品を頼んでいたのだ。
大きく変えたのは、本革ではなく合成皮革を使用したこと。本革より値段を抑えることができ、50グラムの軽量化にも成功した。

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もう一つのポイントが、履きやすさにこだわったファスナー。これまで内側に付けたものはあったが、あえて外側に。狙いは、ファスナーの上げ下げを楽にすること。さらにファスナーの取っ手を変えて、ワンポイントのおしゃれを演出した。

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安藤さんはこの靴の発売をかけて、11月のテスト販売に挑むことに。「まだ『ハルメク』を知らないというお客さんもいるので、なんとかファンを作っていきたい。私の中でも勝負」と意気込む。

テスト販売まで2カ月に迫ったこの日、「ハルメク」本社で、出来上がった靴を読者に試し履きしてもらう「シンデレラ座談会」が開かれた。多彩なカラーや外付けのファスナーは好評だったが、気になるのは実際の履き心地だ。
実際に街へ出て歩いてもらうと、「革よりも合皮の方が履きやすい。生地が柔らかいのかな?」「すごく歩きやすい!」と、シンデレラたちの感想は上々だった。

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11月、埼玉・春日部市にある物流倉庫に、安藤さんが発注した靴が届く。ずらりと並ぶのは、色鮮やかな黄色い靴で、今回、この黄色をメインに押し立てて勝負することに。その他、売れ筋のベージュ系や定番の黒もあり、合わせて600足を発注した。

2週間のテスト販売で4割の240足を売らなければ、次はない。そして、勝負のテスト販売が始まった。だが安藤さん、まさかのピンチに!? どう乗り越えるのか――。

番組ではこの他、編集長の山岡さんが仕掛ける“次なる展開”を紹介する。

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