今回放送の神奈川県三崎でのロケを終えたばかりの秋山さんにインタビュー! ちなみにこちらは三崎中学校の体操服です。
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マジもんのパンチある人には勝てない
――町のみなさんが書き込んでくれた地図を見て、その場で行く先を決めて向かうロケ番組。テレ東の番組について忖度なしに斬る「伊集院光&佐久間宣行の勝手にテレ東批評」でも、「ロケ効率としても最高」(佐久間)、「行ってみたらハズレでも、乗りこなして面白くできる秋山くんだから成立する。これは発明だと思う」と絶賛されていました。
「本当ですか? 嬉しいですね。天然ものの素材(町の人々)がすでに面白いので、笑っちゃいますよね」
――伊集院さんもおっしゃっている通り、秋山さんの腕にかかっている部分も大きい番組だと思いますが、この企画を聞いた時はどう思われました?
「行く場所が決まっているより、その時のテンション次第で“ここに行きたい”と思うところへ行く方が好きなんですよ。過去にやっていた市民プールに行く番組(『ロバート秋山の市民プール万歳』)やスマホで調べた場所に飯を食いに行く番組(『ロバート秋山・夏菜が検索履歴をのぞき見!あしあとリサーチ!』)もそうだったんですけど、ガチガチに決まっているものが得意じゃないんです。だから、この番組は自分の好きな条件が全部揃ってて最高に楽しそうだなと思いました。
ただ、心配もありました。町のみなさんが地図に情報を書いてくれないと始まらないので、真っ白の地図が(みなさんからの情報で)埋められるのかな…埋まんなかったらマジで恥ずかしいじゃん!と。でも、そんな心配をよそに、みなさんがいっぱい書いてくれるので、ありがたいです。いつも回りきれないくらい、書いてもらっているんですよ」
――回を重ねるごとにみなさんからの書き込みが増えていますよね。面白そうな情報がたくさんある中から、行く場所はどうやって選んでいるのですか?
「朝9時くらいからロケが始まるので、“朝飯を食うなら、ここでメンチカツ1個いっとくか”とか“昼くらいに、この辺で飯食っとくか”みたいに、1日のスケジュールを考えながら回っています。
書き込んでくれた文字のテンションで決まることもあります。アツい書き込みとか、逆にすごく控えめなものが目立ったりもして。飲食店が並ぶ中にある個人の家とかも、行ってみたくなったり。
今日のロケでは『心優しいシングルファーザーがご自宅でお待ちしています。ひとっ風呂浴びていってください』っていう書き込みのインパクトが絶大で。何があるとかではなく、“ただただ普通のおじさんが呼んでいるだけ”っていうのが、すげぇなと思いましたね(笑)」――毎回、必ずと言っていいほど、個人宅へのお誘いがありますよね。
「そうなんです。いまや筆跡とかで年齢が想像できるようにもなりました。懸賞ハガキも、当てるためにはパッと目立つようにしたほうがいいとかいうけど、あの感じもわかるし。でも、そういうところは判断基準にはしてないです。大事なのは、コメントを読んでみて行きたいと思うかどうかですから」
――地元の方からの情報だからこそ、よりディープなものも集まりますよね。
「そうなんです。これ、めちゃくちゃいい遊びですよ! テレビ業界の中でもある程度、自分の中で積み上げたものがないとできない“極上の遊び”をさせてもらっています。いろいろと書いてもらっているので、極力みなさんの要望に応えたいんですけど。1日12~13軒が限界で、全部まわろうとしたら4泊くらいしないとムリなので申し訳ないです」
――これまで訪れた中で、特に印象に残っている人や場所は?
「秀丸食堂さんは(千葉県横芝光町)は好きでしたね。昔から市民プールとか喫茶店とか食堂が大好きで、地図の書き込みも気になってはいたんですが。別の目的地に向かっていたタクシーの中からたまたま看板を見つけて、“これは行かなきゃダメだろ”と思って『止めてくれー!』と途中で降りて向かったんです。行って正解でした」
――2代目店主・多辺田さんが切り盛りする、地元民に人気の激シブな定食屋さんで。多辺田さんのキャラも最高でしたね。
「『タベタひでまるのモーニングワイド』(詳しくはこちら)とか、最高でしたね。
あと、埼玉県蕨市で出会った“キレイさん”も印象に残ってますね。自分のことを“キレイさん”って呼ばせている女性なんですけど、ジョークじゃなくマジでやってるのが面白くて。地元の子供たちが『今日キレイさん家行っていい?』とか言ってるんですよ…すごい人でしたね(笑)」
――キレイさん率いるママ友グループ“わらビューティ”の主な活動が、“おいしいものを食べに行く”だったのも最高でした。
「ロケで行った日も、みんなでピザ食ってましたもんね(笑)。普通の番組だと生まれない、ああいう感じがたまらないです。今日ロケで行ったところでも、“カメラの入るところじゃないだろう”っていうお店を何軒も引き当てたんですよ。マダムがひとりで切り盛りしている喫茶店で、奥の方でタバコがもくもくの中、将棋をさしているおじさんたちがいて」
――もくもく…禁煙化が進むこのご時世に?
「そうなんです。マイペースに将棋をやっている人が、たまに鼻歌を歌い出したりして、誰もカメラを意識してないんです。その中でアイスコーヒーを飲んだんですけど、この空気は金払ってでも経験すべきだと思いました。一緒にロケしたゲストの堀田茜ちゃんも驚いていましたね。
あと、中学生が『うちのソファ、座りに来てください。40万です!』って書いてくれていたので、座りに行きました。『マジで座ってください! うちのソファ! 見てください!』って一生懸命な目で言ってて、かわいかったですよ」
――秋山さん扮するキャラクターは、ぶっ飛んでいながらも“ああ、いるいるこういう人”と思うような人物像作りが絶妙ですが、こうしたロケで出会った印象的な人物をキャラ作りに取り込むことはあるんですか?
「潜在的にはあるかもしれないですけど、たまに現れるマジもんのパンチある人には勝てないなと思いますよね。九十九里で出会った雑貨屋さんの姉妹もぶっ飛んでいてよかったですし、今日行ったポニーを飼っている家も楽しかったし。本物ってやっぱりすごいですから、“俺のキャラって弱いな”と思いますもん(笑)。
けど、今後参考にすることはあるかもしれないですね。“ソファを推してくる中学生”とかコントに良さそうですし。一点張りで『ソファ座りに来てくださいよ!』って…いいですね!」
明日公開の【後編】では、今後この番組でやってみたいことを。
【プロフィール】
秋山竜次(あきやま・りゅうじ)
1978年8月15日生まれ。福岡県出身。1998年、お笑いトリオ“ロバート”結成。2001年スタートの「はねるのトびら」(フジテレビ系)でブレイク。2011年「キングオブコント」完全勝利で優勝、2021年より同大会の審査員を務める。梅宮辰夫をはじめとする「体ものまね」や、様々なキャラに扮する「ロバート秋山のクリエイターズ・ファイル」も人気。俳優としても、ドラマ「黒い十人の秋山」(テレビ東京系)などの他、2024年放送の大河ドラマ「光る君へ」(NHK)にも出演。
YouTube「ロバート秋山のクリエイターズ・ファイル」