YouTube月2億回再生!インドで大人気のビックスモールンは、なぜ海外進出しない!?

公開: 更新: テレ東プラス

 
YouTubeが月2億回再生! 様々なものを体で表現する“ボディーアート”で人気のトリオ、ビックスモールンゴンチログリ)の動画が、インドやアメリカをはじめ世界中で注目されている。

「あちこちオードリー」(毎週水曜夜11時6分)のオードリーと苦楽を共にしたメンバーが揃った回(2023年8月2日放送)で話題に上り、ネットニュースなどでも取り上げられたビックスモールンのインドでの人気ぶり。オードリーによると「インドに行けば?」とアドバイスしても「日本で売れたいんです」とオファーを断っているとのことだったが…真相を探るべく、ご本人に話を聞きました。

【動画】「あちこちオードリー」でも話題のビックスモールン

海外進出についての本音


YouTube月2億回再生!インドで大人気のビックスモールンは、なぜ海外進出しない!?
――YouTube公式チャンネル「bicsmalln channel」が月間2億回再生と世界中で大人気です。海外で注目されるようになったきっかけは?

ゴン「テレビで鳴かず飛ばずの時期がずっと続いていた中で、2019年に僕らの『鳩時計』というボディアートの動画をTikTokで公開したら、アメリカの女子高生がマネし始めて。ネット上で面白い動画をマネして拡散していくことを“ミーム”というんですが、いろんな人がマネした動画が僕らの映像と一緒にどんどん拡散されていったんです。チャレンジ系のショート動画として注目されたんでしょうけど、最初に見つけた人が、なんで面白いと思ってくれたのか聞いてみたいですね」

チロ「めちゃくちゃ聞きたい! この前も、歩いていたら外国人の方に『TikToker!』って声をかけられて。本当に海外で観られているんだなと実感しました」

ゴン「すぐにアメリカに行ってみようかなと思ったんですが、その後、コロナ禍で海外へ行き来できない状態になってしまって。しかも、生活費を賄っていたイベント出演もゼロに…。状況が変わることをただただ待っているわけにはいかないので、いろんなショート動画をYouTubeにも上げ始めたら、いろんな国の人が観てくれるようになったんですよね」

YouTube月2億回再生!インドで大人気のビックスモールンは、なぜ海外進出しない!?YouTube「bicsmalln channel」


――今、YouTubeの登録者数は245万人(2023年10月現在)ですが、どんな国の方が多いんですか?

ゴン「1位がインドで全体の20%、続いてインドネシア、フィリピン、アメリカ、ブラジル辺りが上位に入っていて、いろんな国の人が観てくれているんだなと実感しています。都市に絞ると1番多くのはタイのバンコクです。日本人は全体の0.5%なので1万人くらいなんですけど」

チロ「ただ勘違いされるっていうかね…」

ゴン「日本で200万人に観られていると思われていたら申し訳ないな、と。世界に向けた「bicsmalln channel」は登録者数200万人を超えていますが、日本語の「ビックスモールン チャンネル」は1000人(登録者数1150人/2023年10月現在)くらいで。もちろんオファーいただいた時は事前にちゃんとお伝えするんですけど、“人気YouTuberのところに行く”的な企画で、内村(光良)さんやさまぁ~ずさんがいらしたりすることもあったので、主旨と合ってないんじゃないかなってちょっと心配になってます」

YouTube月2億回再生!インドで大人気のビックスモールンは、なぜ海外進出しない!?
【動画】内村光良&さまぁ~ずがやってきた!

――でも、これだけ海外で人気だと海外からのオファーも多いんじゃないですか?

ゴン「そうですね。『あちこちオードリー』で僕らのことを話してくださった後にも、インドに詳しいという元商社の方から連絡をいただいたり、日本のインフルエンサー向けのライブを立ち上げたいというオファーもいくつかいただきました。ただ、タイミングが合わなくてお断りすることになったのが、泣きそうになるほどもったいなくて」

チロ「たまたま(ほかの仕事と)重なっちゃったんだよね。僕らにはよくあることで。こんな感じでずっとうまくいかないんです(笑)」

ゴン「独立してこれからだという時、コロナ禍になって全てのイベントがバラしになって。その中にスペインからのオファーもあったんですけど、全部なくなってしまいましたから」

――ただ、コロナ禍で世界中の動きが止まっていたからこそ、ショート動画に注目が集まったとも言えますよね?

グリ「確かにそうですね。コロナ禍で今に繋がる、いろんな準備ができたというか」

ゴン「グリの活躍はあまり表には出てないかもしれないですけど、動画の編集がすごくうまいんです。最初の2年くらいは僕がやっていたんですが、編集作業がすごく嫌になって」

グリ「仕事もないから、編集ばかりやってましたもんね」

ゴン「そう。で、グリに任せたら才能が開花して。アナリティクス(Googleのアクセス解析サービス)の解析も得意で、一気に再生回数が伸びました。僕が編集していた頃の登録者数が30万人くらいだったことを考えると、すごい伸び率ですよ。編集はチロもやってくれていて…」

チロ「今こうやって話しながらも編集したいと思うくらい作業が馴染んでいますね」

――『あちこちオードリー』では、「日本で売れたい」から海外からのオファーを断っているというお話でしたが、タイミングが合わなかっただけで実は海外も視野に入れていらっしゃるんですね。

ゴン「具体的にはまだ言えないんですけど…。僕らが以前挑戦したアポロシアターへの出演や、今流行ってる『ゴット・タレント』系のオーディション番組は、出演者は“アマチュア”の立ち位置なんですが、僕らは“プロ”としてちゃんとお金を稼げるようになりたいと思って、エンターテイメントの本場でいろいろ動いています。まだクリアしなければいけない問題があるので、今は周りにも『日本で売れたいから』って言うしかなくて(笑)」

YouTube月2億回再生!インドで大人気のビックスモールンは、なぜ海外進出しない!?日本語のYouTube「ビックスモールン チャンネル」


――海外での活躍を目指しながらも、やはり「日本で売れたいから」も本音ですか?

チロ「一昨日、僕らのショート動画の『はい~!』シリーズを観てくれているお子さんと出会って。子供の笑顔を見ると、日本での人気も欲しいなと思っちゃいますね」

ゴン「日本のお笑いにはずーっと憧れてます。けど、こればっかりは向き不向きがあるので」

チロ「『あちこちオードリー』で、春日さんの『(日本では)無理だろ』って発言でみんなが笑うってことは、そう思われてるってことだもんね。あれには僕らも笑っちゃったけど(笑)。日本のバラエティはしゃべりの仕事が多いから…」

ゴン「だったら、向いている方へ前向きに進んでいった方がいいのかなとは思っています。今動いていることをはじめ、いろいろ挑戦していきたいですね」

オードリーとのエピソード


YouTube月2億回再生!インドで大人気のビックスモールンは、なぜ海外進出しない!?
――衣装が、いつものカラーと違うし、胸のワッペンもご本人の名前ではないですね?

チロ「オードリーさんにはずっとお世話になっているので、ビッグイベントの『オードリーのオールナイトニッポン in 東京ドーム』(2024年2月18日)を応援したいなという気持ちで、この衣装にしています」

ゴン「オードリーさんがラジオで、チラっと『ビックスモールンが(イベントを)宣伝してくれたらいいのに』みたいなことをおっしゃったのを聞いて、『これしかない!』と。全ての恩を返すことはできないけど、少しでも力になれたらと、勝手にこのワッペンを作って応援しているんです」

チロ「特に僕は「オードリーのオールナイトニッポン」部分を担っているので、簡単にはスベれないぞという気持ちで表に立っています(笑)」

――オードリーさんとの印象的なエピソードを教えてください。

ゴン「ケイダッシュステージに所属していた時はもちろん、今もすごくお世話になっています。ラジオでもよく僕らの話をしてくださって、若林さんは『ただ話してるだけだよ』とおっしゃるけど、テレビのスタッフさんにリトルトゥース(「オードリーのANN」リスナー)の方が多いので、ラジオを聞いて僕らにオファーしてくださることも多いんです。

僕の方が年上なのに、旅行の費用を全部出してくれたりするので申し訳ないという思いもありながらも、ずっと仲良くさせてもらっています。若林さん、ああいう感じですが(笑)、すごく優しいんですよ。別の事務所の後輩芸人から、リトルトゥースのいとこが末期の病だという話を聞いて、若林さんにANNのシールをいただけないですかとお願いしたんです。そうしたらシールにサインを書いてくれて、さらにラジオ風の音声メッセージもくれたんです。残念ながら、お渡しする前にその方は亡くなってしまったんですが、ご家族が喜んでくれたと聞きました。本当に優しくて熱い人なんです」

チロ「春日さんも熱い人ですよ。以前、僕がテレビ番組で“メロンパンを売って100万円貯まるか”という企画に挑戦していたことがあって。オードリーさんもまだテレビにあまり出てなかった頃でしたが、春日さんが『今、ライブで優勝して3000円の賞金をもらったから全部買うよ』と、3000円分のメロンパンを買ってくれて」

ゴン「その3000円は、300万円くらいの価値があるね」

チロ「もらった賞金全部だからね。ゴンも春日さんに奢ってもらったことあったよな? 銭湯のドライヤー代」

ゴン「ドライヤー代10円ね(笑)。お二人には本当にお世話になっているので、なんらかのかたちで恩返しできるといいですね」

――一番の恩返しは、ビックスモールンさんが海外で成功して、日本に凱旋帰国で共演することかもしれないですね。

ゴン「そうなれるように頑張ります。今、いくつか同時に動いているんですけど、僕らを求めてくれるところに行って、いろんな挑戦ができたらいいですね」

チロ「日本ではあまり求められてないのかもしれないですけど(笑)。日本でももっと知ってもらえるように頑張ります!」

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【プロフィール】
ビックスモールン
2001年ゴンとチロでコンビ結成、2019年よりグリが加わりトリオに。2019年末、所属事務所のケイダッシュステージを退社し独立。アクロバティックな動きによる形態模写“ボディーアート”がTikTokでバズり、海外で大人気に。YouTubeもインド、アメリカ、インドネシアなどで人気。
公式HP
YouTube「bicsmalln channel」
YouTube「ビックスモールン チャンネル」
TikTok
Instagram:ゴン @bicsmalln_gon
チロ @bicsmallen_chiro
グリ @b_sguri
Twitter:ゴン @1975gon0621
チロ @chiro156
グリ @bsguri1

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