日本を訪れる外国人たちを空港で勝手に出迎え、アポなしインタビュー! そのまま密着取材を行う「YOUは何しに日本へ?」(月曜夜6時25、分~)。今回のテーマは「アレを目指してYOUが対決!勝てるんか?そらそうよ!SP」。ワールドカップより熱い!?己の意地とプライドをかけてアレするYOUが続々登場する95分で、はたしてどんな面白YOUに出会えるのか?
成田国際空港で声をかけたのは、ウクライナから来たミコラ(10歳/中央左)くんとマカルくん(11歳/中央右)。そして同行するミコラくんのコーチ・オクサナさん(51歳/左)、マカルくんのママ・ナターリャさん(48歳/右)の4人。来日したのは、相撲大会に出場するため。2人はウクライナで行われた小学4~6年対象の最大規模の相撲大会で優勝し、6日間の滞在で招かれたという。
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迫力ある相撲は、ウクライナでも人気が高い。第48代横綱・大鵬の父がウクライナ出身だった縁で人気に火がつき、今や競技人口は約3,000人にも。コーチの元では、子どもから大人まで100人ほどが稽古しているそうだ。今回2人が出場する『わんぱく相撲大会』は、これまで元横綱・貴乃花、元大関・豪栄道など、多くの力士を輩出してきた。海外からはウクライナとモンゴルが参加している。そんな彼らを繋いで支援するのは、ウクライナで女性・子どもの人道支援をしている中條さん(一般社団法人ウスミシュカ)。今回の来日も中條さんがサポートする。
戦禍のウクライナでは、攻撃がない間も警報サイレンが鳴ることがあるそうで、不安と背中合わせの毎日だという。しかしそんな中でも、「相撲は続けています。目標は優勝」と力強い。相撲歴4年のミコラくんと相撲歴1年半のマカルくんの活躍を取材したい、とお願いすると、快諾してくれたので密着決定!
大会前日、一同は最終稽古のため、なんと相撲部屋『雷(いかづち)部屋』へ。和室の奥にある本物の土俵や力士たちを初めて見た2人は、大きさやかっこよさに大感激。今回は本場を肌で感じてもらうため、力士が直々に稽古をつけてくれるのだ。
すると2人が「シシ、どこ?」と質問するが、巡業で不在だとわかる。ウスミシュカの鎌田さんによると、シシとは雷部屋にいるウクライナ出身の力士・獅司大(まさる・26歳)さんのこと。2020年3月に初土俵を踏み、今年十両に昇進した英雄で、憧れの存在なのだ。一緒に稽古するのが夢だったが、残念…。
気を取り直し、雷の力士と稽古へ。普段はスポーツクラブのレスリング場などで稽古しているが、ここは本物の土俵とあって一層気合いが入る。ヨイショーと四股(しこ)を踏み、脇を締める相撲の腕立て伏せ、テッポウ、ぶつかり稽古と、貴重な稽古が進んだ。
マカルくんは、7年前から続けるレスリングでは地元の大会で優勝するほどの実力者。そんなスーパーキッズが、「勝っても負けても一発勝負という、他のスポーツにないところが魅力です」と相撲について語る。一方、ミコラくんは、日本に興味があって柔道を続けてきたが、テレビで観たのをきっかけに相撲の道へ。「ダイナミックさが自分に合っていたし、自分に自信が持てるようになっていきました」と語る。ウクライナでは、2人とも週5~6日稽古に励んできた。そんな時、ロシアとの戦争が勃発。原子力発電所があるミコラくんの住む町にも、ミサイルが着弾した。マカルくんの住む町近郊も、何度も攻撃を受けた。日々不安を強いられているが、相撲をしている時は忘れられて楽しく、渦中の心の支えに。そして今、ウクライナ代表として頂点を目指すまでに。
さて、稽古の後の昼食には、雷部屋特製の塩ちゃんこ鍋が登場。力士は皆、ラーメン丼ぶりサイズの器で毎日3杯食べると聞いた2人は、ぎょっとして言葉を失う。子ども用の丼で食べた初ちゃんこの感想は、「メッチャサイコー!」。最後は試合の健闘を激励され、相撲部屋を後にした。
夕食タイムはみんなで錦糸町へ。『力士料理 琴ケ梅』で合流したのは、なんと元琴奨菊・秀ノ山親方! 2022年11月7日の放送時には、断髪式にファンYOUを招待いただくなど、番組でも大変お世話になった。何を隠そう秀ノ山親方自身も、わんぱく相撲をきっかけに相撲の道に進んだそうで、今回はその御縁で自ら食事に誘ったという。
ところが振舞われたのは、塩ちゃんこ鍋(笑)。2回目と知った秀ノ山親方は、「味、全然変わりますからね」と笑ったが、2人からは「旅の疲れが吹き飛ぶぐらい美味しいです。これで明日はがんばれます」と頼もしい感想が。親方は、ウクライナの情勢を心配しつつ、「明日の大会で、まず相撲道で前を向いて強い気持ちでがんばってね」と激励し、試合で勝てる必勝法を伝授。その技とは…
『琴バウアー』!土俵に上がる前に必ずやる、とオトコの約束をしたのであった。
翌日はついに相撲の聖地・両国国技館へ! 緊張の中、予選を勝ち抜いた約300人のライバルの間をぬって、まずは支度部屋に向かった。が、途中で身長176㎝・体重103㎏というモンゴル出身のライバルに出くわすと、マカルくんは「片手で潰される」と心焦る。
そしていよいよ、第38回わんぱく相撲の全国大会がスタート!まずは小5・ミコラくんの出番だ。1回目の相手は、体重72㎏、その差37㎏もある少年。琴バウアーを決め対戦するが、引き落とし技をかけられ、1回戦で敗退となってしまった。
続いて、マカルくんはミコラくんの激励を受け、土俵入り。琴バウアーは緊張のあまりやり忘れたが(笑)、体重が21㎏も上の相手と互角の対戦の末、腕(かいな)ひねりが決まって1回戦を突破! 2回戦、3回戦(ベスト16)も、大きな体の相手に快進撃を続けた。4回戦(ベスト8)は、90㎏の肉体児が相手だ。再びミコラくんの激励で、忘れていた琴バウアーを発動。が、土俵では大きな体のライバルに押し出され、ここで敗退することに。優勝は逃したものの、初参加でベスト16と大健闘したマカルくん、よくがんばった!
翌日、がんばった2人に番組からサプライズプレゼントを。案内した店に入ると、現れたのはなんと、憧れの獅司関(ウクライナ出身)! 2人のために巡業から戻り、急きょ会いに来てくれたのだ。
緊張ぎみに獅司関に目標達成のコツを聞くと、「いちばん大切なことは、明確な目標を自分に課して、他人の目を気にせず邁進すること。そうすれば何事もうまくいくよ」と教えてくれた。逆に獅司関から目標について聞かれると、2人とも「世界一強い力士になりたい」と即答。
獅司関は「がんばれば強くなれるからね。お互いがんばろう」と激励してくれた。ウクライナの力士として、互いの健闘を約束したところで密着は終了。マカルくん、ミコラくん、これからも共に“どすこい”!