名門校の知られざる姿を、生徒や親、教師など、さまざまな視点を通して紐解く情報ドキュメンタリー「THE 名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東 毎週土曜午前10時30分)。「名門とはいったい何か?」常識を打ち破る教育現場に密着する。
【動画】名門校にカメラが潜入!
全国でも数少ない私立男子小学校、暁星小学校。創立は明治21年。カトリック宣教師により設立された、幼・小・中・高と続く一貫教育校だ。
暁星高校は、例年、早慶上理などの難関大学に多数の合格者を輩出。医学部への合格者も多く、卒業生の約3分の1が医学部に進む。その多くが、暁星小学校からの内部進学者だ。
強さの原動力となる伝統理念「他者を尊重して、心と体を鍛える教育」を、先進的な試みとともに実践する現場に迫る。
さらに番組は、「選抜サッカー部」のキャプテンを務める6年生に密着。彼は今、大事な公式戦が迫る中、ベンチメンバーのモチベーションを心配していた…。
日本の政治・経済の中心地でありながら、街路樹などの緑も豊かな東京都千代田区。
九段下駅から徒歩6分の便利な場所に、「暁星小学校(以下、暁星小)」はある。
暁星学園は、明治21年(1888年)、カトリックの男子修道会マリア会の5人の宣教師によって創立。小学校は1890年に学校法人となり、1969年に現在の幼・小・中・高の一貫教育がスタートした。
日本で3校しかない私立の男子小学校で、全校児童は704人。
高校の2023年春の合格実績は、早慶上理に146人、GMARCHに115人、さらに医学部には95人が合格している。
「特に小学校から上がってきた生徒は、医学部に進学する生徒が多いです。理系の生徒の約半分が、医学部に進学していく」(暁星高等学校 吉永昌弘先生)。
卒業生で、東京慈恵会医科大学 医学部医学科に通う永田将さんは、「小さい頃から学んだことがすごく生きている」と話す。
高い合格実績を出す秘密は、小学校の授業にあり? 早速、校舎を見ていこう!
校門で目に入るのが、この言葉。
「困苦や欠乏に耐え 進んで鍛錬の道をえらぶ 気力のある少年以外は この門をくぐってはならない」。
この言葉の意味は、「鍛える教育」。次世代を担うリーダーにふさわしい“心と体”を培う教育理念だ。
外壁一面、大きな窓が縦横きれいに並ぶ純白の校舎。明るい玄関ホールでは、マリア像が登校する児童たちを見守っている。
暁星小は各学年3クラスあり、クラスの名前はA、B、C(アー、べー、セー)と、フランス語で呼ばれている。
教室には、「人にしてもらいたいと思うことを、人にもしてあげなさい」という聖書の言葉も。
キリスト教の理念をもとに、人格の完成と社会の福祉に努める人物の育成を目指している。
「他者を尊重し、自らの心と体を鍛える」。そんな暁星小の理念を最も表す光景の一つが、人工芝のサッカーグラウンドで行われる校技のサッカー! 通常の体育とは分けて週に1回行われ、日本で唯一、正課の授業として全学年で行っている。
自分が頑張るだけでなく、チームのみんなを認めて助け合うことが大きな喜びにつながる…それこそ、暁星小が理想とする児童たちの姿なのだ。授業では、5年生から学年内完全教科担任制を導入。専門分野を深く研究している先生が、教科ごとにすべてのクラスの授業を行う。英語の授業は1年生からあり、英語学習が初めての児童には、丁寧なサポートを行っている。
さらに4~6年生までの希望する児童は、「ステラ」と呼ばれる特別活動で、フランス語を学ぶことができる。将来、国際連合や大使館など、国際機関で活躍する卒業生も多いというのも納得できる、充実した外国語教育だ。
特別活動は他にもあり、「NHK全国学校音楽コンクール」で4回金賞に輝いた聖歌隊も。
昼ご飯はお弁当。児童たちはお祈りをした後、作ってくれた保護者や食べ物への感謝の気持ちを感じながら黙食を行う。黙食は、コロナ禍以前から今も続く暁星小の伝統だ。
昼食を終えると掃除の時間で、上級生が下級生に掃除の仕方をアドバイスしていた。
暁星小では、“暁星兄弟”と呼ばれる1〜6年の同じ出席番号で行う縦割りの活動がある。
清掃活動や交換日記などの活動があり、人のために行動することを学ぶ。
上級生は、「かっこいい先輩を見て育っているので、後輩につながっていけばいいなと思う」と話す。
那須で行う合宿教育も、児童同士の支え合いを学ぶ場。大自然の中で行う心身の鍛錬は、暁星小の“鍛える教育”の軸となり、2~6年生まで毎年行われている。
「特に家庭的な雰囲気を大切にしている。家庭の中だからこそ鍛えていく、厳しくしつけていく。そういう部分も大切にしていきたい」(暁星小学校学校長・吉川直剛先生)。
生徒に学校の魅力を聞くと、「厳しいところもあるけど、僕たちのことをすごく考えてくれている」、「世界で一番幸せで楽しい学校!」と元気いっぱいで話してくれた。
暁星小学校の魅力…それは“心を強くする鍛える教育”と“他者を尊重する思いやり”にあった。
そんな伝統を体現しているのが、サッカー部のキャプテンを務める6年生の木村青渡くんだ。暁星小の伝統に、強い心で取り組んでいる。
1964年に創部された「選抜サッカー部」は、ここでサッカーをやりたくて暁星小に入る児童もいるほど。しかし、そんなサッカー部には、伝統の決まりがある。それは、テストの成績が良くなかった児童は、練習停止になってしまうというもの。
次回のテストは大事な公式戦の2日後で、勉強とサッカーどちらも頑張らないといけない状況。青渡くんは文武両道を目指し、必死に頑張っていた。
さらにキャプテンで責任感が強い青渡くんは、ベンチメンバーのモチベーションを心配していた。暁星小サッカー部は、サッカーと学力の両面で選抜された各学年約20人のチーム。
しかし、小学生のサッカーは8人制で、全員が試合に出られるわけではない。試合に出場できないメンバーのやる気を保てているのか、不安に感じることも…。
そして公式戦当日、先生からスタメンが発表される。青渡くんはフォワードで先発出場。名前を呼ばれなかったサブメンバーたちは、木陰で膝を抱えていた。
そんなサブメンバーたちのもとに、青渡くんはそっと近づき…。
果たして青渡くんは、チームを一つにまとめることができるのか?
番組ではこの他、英語の授業の様子やサッカー部の練習風景、青渡くんが語る仲間への思いなどを紹介する。
毎週土曜午前10時30分放送! 「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東)をどうぞお見逃しなく!