ニッポンに行きたくてたまらない外国人を世界で大捜索! ニッポン愛がスゴすぎる外国人をご招待する「世界!ニッポン行きたい人応援団」(月曜夜8時)。毎回ニッポンを愛する外国人たちの熱い想いを紹介し、感動を巻き起こしています。
今回は、フランス女性が初めてニッポンを訪れた際の様子をお届けします。
【動画】「ニッポンに行きたくて行きたくてたまらない」と願う外国人に密着!そこにはたくさんの感動が!
緻密な京鹿の子絞を作り上げる職人の技に驚き
紹介するのは、フランスに住む「絞り染め」を愛するコルネリアさん。
京友禅、南部紫根染めなど、全国に50種類あるというニッポンの染物。布の一部を糸で強く括り、染料につけることで括った部分には色が染み込まず、模様が生まれる染色技法が「絞り染め」です。世界でも「SHIBORI」と呼ばれ、共通語になっています。
その起源は古く、8世紀に作られたという絞り染めの生地が法隆寺から見つかっています。平安時代には、絹の生地に施される絞り染めは高価だったため、貴族の間で愛されていましたが、江戸時代になると麻地や木綿を用いた安価な「有松・鳴海絞」が生み出され、広く庶民に着られるように。糸を巻き取るように縫い締める軍隊絞りや、筒に巻いた布を糸で縛って染める嵐絞りなどの技法で生み出される模様の数は、約100種類に上るそう。若い頃、パリで服の縫製や裁縫の仕事をしていたコルネリアさん。結婚を機に郊外に引っ越し、翻訳家に転職しましたが、イギリスの作家が書いた絞り染めの本と出会い、若い頃の情熱が再燃! 以来、その作家が主催するオンライン教室に参加しながら、1週間に30時間以上を絞り染め作りに費やすように。しかし、コロナ禍の最中に始めたため、まだニッポンには一度も行ったことがありません。
去年は、1週間に1つ絞り染めを作ってつなげたものを制作。1年間欠かさず作り続け、長さ17.5メートルにも上る超大作に! 他にも暖簾や風呂敷などを作り、友人のアトリエやイベントにも出展。一体どのように絞り染めを作っているのか、見せてもらうことに。
まずは、生地に色鉛筆で下絵を描き、染めたくない部分を糸で縛っていきます。糸で縛り終えたら、次は染めの工程。庭で育てた藍の葉から作った自作の染料に30秒漬け、折り目を広げて半日乾かします。布に穴が空かないよう慎重に糸を解いていくと、ハートの中に「日本」の文字が! 文字は軍隊絞り、ハートの線は縫い締め絞りを使っているそう。
そんなコルネリアさんが最も夢中になっているのが、京都の伝統的工芸品「京鹿の子絞」。
代表的な模様が、鹿の斑点に似ていることから名付けられた「鹿の子」です。1ミリ角の布を指でつまみ、絹糸で9回巻き上げ、それを繰り返すことでできる極小の粒は、1円玉の面積の中に約100個入るという小ささ。一着の着物を作ると、この粒が15万に達するそうで、完成までに2年は要する究極の絞り技法なのです。
「もっと多くの模様を作れるようになって、いつか本物の絞り染めの職人になりたいんです」とコルネリアさん。ニッポンで絞りの技術を勉強して、本では学べない職人の技を見たいと願っています。
そんなコルネリアさんを、ニッポンにご招待! 念願の初来日を果たしました。