医学部30人超合格!開智中学校・髙等学校 全国に先駆けた“探究授業”の秘密

公開: 更新: テレ東プラス

名門校の知られざる姿を、生徒や親、教師など、さまざまな視点を通して紐解く情報ドキュメンタリー「THE 名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東 毎週土曜午前10時30分)。「名門とはいったい何か?」常識を打ち破る教育現場に密着する。

今回紹介する名門校は、「開智中学校・高等学校」。栄東中学・高校、大宮開成中学・高校と共に、近年“埼玉共学御三家の一角”とも称される人気の躍進校だ。東大などの一流国公立大や早慶上理などの難関私立大に数多くが合格。特に医学部に強く、例年30人以上の生徒が合格している。その強さの源である『全国に先駆けて導入した探究授業』の真髄に迫る。

番組は、「世界の貧困・環境問題を変える」と意気込む中学3年の女子生徒に密着。彼女の情熱は学校を巻き込む事態に…。そんな姿から“開智の強さの秘密”が見えてきた。

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「開智中学・高等学校(以下、開智)」は、埼玉県さいたま市・岩槻区にある中高一貫校。東武線東岩槻駅から徒歩約15分のところにある。1997年に創立され、名付け親は、ノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智さん。
生徒数は、中学校875人、高校1038人で、2023年春の大学合格実績は、東大7人、早慶上理210人、医学部には33人が合格している。

開智が、数々の難関大学や医学部に多くの合格者を輩出している秘密とは…?

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開智には、生徒たちが口々に自慢する名物の授業がある。それが創立以来続く「探究授業」だ。現在は多くの学校が取り入れているが、開智は全国に先駆け、創立時から取り組んできた。他にも、地元・岩槻の伝統工芸体験や、特産品の農業体験など、独特な学びを取り入れている。

さっそく校舎を見ていこう!

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小高い丘の上に建つ純白の校舎棟は、まるで医療系の大学を思わせる佇まい。
校舎に入ると玄関のすぐ近くに広がるのが、大きな天窓から明るい光が差し込む5階まで吹き抜けの大空間! 多くのテーブルと椅子が並べられ、生徒たちが自由に語り合う場となっている。文武両道の開智は運動設備も充実。グラウンドは4つあり、さまざまな競技に対応。第1グラウンドは野球場とサッカーコートが並び、陸上トラックまでもある広大さだ。体育館は3つ。別に室内温水プールもある。

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放課後になると、運動部の生徒たちが熱心に練習に打ち込む姿が。部活・同好会は運動部系、文化部系、あわせて全部で34。約7割の生徒が参加している。

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そんな開智が、数々の難関大学や医学部に多くの合格者を出している理由。そのひとつが、校舎2階に並んでいる3つの理科実験室(物理、化学、生物)だ。
理科系授業の大半を実験に当て、単に知識を詰め込むだけではなく、実体験から考察力を高めているのだ。実験を通して考えを巡らせ、物事を明らかにする楽しさを学ぶことができる。

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この日、生物実験室で中学2年生が取り組んでいたのが、心臓の仕組みを知るための鶏の心臓の解剖実験。「実践したほうがわかりやすい」と、生徒たちはみな前向きに取り組んでいた。

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一方、別の中学2年生の教室を覗くと、「哲学対話」という道徳授業の真っ最中。この日のテーマは「人はなぜ幸福を求めるのか」。対話を重ねることで気づきをもたらし、自分と異なる考えを受け止める力を磨いていく。大学受験はもちろん、その後の人生にも活かされていく授業だ。「学校生活の余白的なところがあるのがこの授業であり、開智の良いところだと思います」と、哲学対話担当の日出恵輔先生は話す。

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本校舎の隣にある北棟。この校舎にも、開智の強さの秘密がある。
北棟は高校3年生だけが学ぶ校舎で、生徒たちは親しみを込め「隔離棟」と呼んでいる。「受験に向け、スイッチを入れる取り組みがある」と菅沼健児校長が話す「隔離棟」での授業は…?

数学の授業を覗いてみると、多くの生徒が席を立ち、黒板やホワイトボードを前に問題を解いていた。さまざまな考え方や解き方に触れながら、切磋琢磨する生徒たち…。友だちに説明することで、新たな気づきも生まれる。これが、菅沼校長が話していた“スイッチを入れる取り組み”「学び合い」だ。

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放課後になると、特別講座を開講(16時~19時)。志望大学・科目ごとに設定された講座で、大学入試の過去問題などを用いた問題演習を徹底的に繰り返す。参加は自由だが、ほぼ全員が受講。医学部受験向けの小論文対策講座も行っている。

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特別講座が終わると、時刻はすでに夜8時。生徒たちは続々と自習室へ。ここからは黙々と1人で学ぶ時間だ。そして夜9時、開智の長い1日が終わる。夜7時以降は、20分間隔でスクールバスが運行しているため、家族に心配をかけることなく、勉強に集中できる。

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そして2年前、開智では、さらなる躍進に向けた新たな取り組みがスタートした。

それが、中学入学時点で目標別に4つのコースに分かれることだ。用意されているのは「東大・京大など難関大学を目指す先端ITコース」「医学・医療を目指す先端MDコース」「これから将来の目標を決める先端FDコース」「世界での活躍を目指す先端GBコース」とそれぞれカリキュラムが違う4コース。この中から、生徒は自らの意思と希望で進む道を選ぶ。いわば「自分の興味・疑問を徹底的に追求する“探究授業”の進化形」だ。

「まずは自分で選んでやってみて、違うなと思ったら変えていい。実際に途中でコースを変える生徒もいる」と、菅沼校長先生は語る。

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英語を流暢に話す中学3年生の池田結香さんも、途中でコースを変えた生徒のひとり。入学時は「医学・医療を目指す先端MDコース」を選択していたが、今春、「世界での活躍を目指す先端GBコース」に変更した。その理由は「カスカラ」!?

「カスカラ」とは、コーヒー豆になる「種」を取った後の「皮と果肉」を乾燥させたもの。多くは廃棄されるが、近年、栄養価の高いお茶として話題に。生産国のコーヒー農家の貧困や環境問題の改善にも繋がると期待されている。「カスカラ」に出会った結香さんは、「世界に広めたい! それには英語が必要!」との熱い思いからコースを変更した。

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結香さんが移った「先端GBコース」では、ネイティブスピーカーの先生から生きた英語を学ぶことができる。さらに、大使館から定期的に世界情勢や留学時の注意点など、リアルな情報を得られるのが他のコースとは違う大きな特徴だ。

英語力を伸ばしたい結香さんは、毎週木曜日の放課後1時間ほど、ネイティブスピーカーの先生から個人レッスンを受けている。これも「カスカラ」を世界に広めるため…。カスカラが、結香さんの背中を押しているのだ。

そんなある日。少し早めに登校した結香さんは、まだ生徒がいない食堂に向かう。「カスカラ」普及活動の第一歩として、あるお願いをしに来たのだった。果たしてそのお願いとは…?

番組ではこの他、化学・物理・生物の各実験の様子や食堂の人気メニュー、結香さんが考案した「カスカラ」を使ったスイーツなどを紹介する。

毎週土曜午前10時30分放送! 「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東)をどうぞお見逃しなく!