名門校の知られざる姿を、生徒や親、教師など、さまざまな視点を通して紐解く情報ドキュメンタリー「THE 名門校！日本全国すごい学校名鑑」(ＢＳテレ東 毎週土曜午前10時30分)。「名門とはいったい何か？」常識を打ち破る教育現場に密着する。
今回紹介する名門校は、「公文国際学園中等部・高等部」。創立30年と歴史は浅いが、例年、約6割の生徒が難関大学に現役合格している。2023年春の現役合格の実績は、東大5人をはじめ、国公立に33人、早慶上理に123人。その一方で梶原晃学校か、合格実績を着実に積み重ねてきた秘密はどこにあるのか？
番組は、トップスイマーの高校3年生（※取材時は高校2年生）に密着。水泳を続けるのか、それとも新たな夢を目指すのか…決断までの1カ月を追った。
「公文国際学園中等部・高等部（以下、公文国際）」は、神奈川県横浜市戸塚区にある男女共学の完全中高一貫校。開校から30年。神奈川県で最も新しい中高一貫校だ。
公文式学習指導法を考案した公文公（くもん・とおる）の、「公文の教えを実際の教育現場で」との思いから創立された。
全校生徒は、中等部516人、高等部478人の計994人。学校は、「公文国際学園」バス停から、徒歩1分の高台にある。かつて広大な森だった傾斜地を造成。土地の斜面を利用して、最大で地下6階、地上3階の9階建て校舎が建てられた。
スケールが大きいのは校舎だけではない。開校20年を機にリニューアルされた人工芝のグラウンドは、広大な面積を誇り、ナイター設備も整っている。
また、校舎の屋上には、全国でも珍しいビーチバレー専用のコートがあり、ビーチバレーの強豪であるバレーボール部が練習に励んでいる。
明るい陽射しが差し込む食堂も、なんと462席もある広さ。ビーフカレーやたーめん、日替わり定食などボリューム満点で豊富なメニューが、勉強や部活動を頑張る生徒たちの胃袋を満たしている。
そんな広い校舎を巡っているうちに、取材班はあることに気が付いた。廊下やロビーなど、至るところに机とイスが置かれている。その数なんと300セット以上！ 実はこれは生徒が好きな時に好きな場所で自習をするために設置されたもの。始業時間の1時間前には、自習するため早々と登校してきた生徒たちでほぼ満席に。この光景こそ、公文国際が難関大学受験に強い秘密のひとつ。
「毎日毎日、とにかく“自学自習”でやっていくだけのこと」と話す梶原学校長。それでは、どのように“自学自習”が生徒たちに根付いていくのか、もう少し詳しく知るべく校内や生徒たちの生活ぶりを見ていこう。
蔵書約3万5000冊を有する図書館は、ノートパソコンやWi-Fiを完備し、“自学自習”をサポート。また、洋書の充実ぶりは目を見張るものが。豊富なジャンルが揃っており、英字の新聞や雑誌も閲覧できる。実は、公文国際は、全校生徒の約20％が海外在住経験者。
そのため英語の授業は少人数制でネイティヴの先生もおり、生徒一人一人の力に応じて英語力を伸ばすことができる。
また、定期的に海外の学校を招くなど、国際交流も盛ん。留学生を数多く受け入れ、国際社会で活躍できる人材育成に力を注いでいる。
公文国際は、首都圏の学校としては珍しく寮を完備している。男子は「えんじゅ寮」、女子は「こすずめ寮」で、現在182人の寮生が暮らしているが、そのうち102人が通学圏内の出身者。電車やバスなどに乗る通学時間を考えると、寮で切磋琢磨しながら勉強したほうが時間を有効活用できると考え、寮に入る生徒も多いのだとか。
夜7時45分。寮生には、校舎で行われる2時間の学習タイムがあり、週5日、さまざまなレベルの講座が開かれている。数学の講座に参加していた生徒に内容を聞くと、「80分で全問を解いて、最後に解答を見て自分で解説する」という。一方、その日の講座に参加しない寮生も、好きな場所で好きな教科を “自学自習”。自分で考え、判断し、行動する…まさに “公文スピリット”だ。
そんな公文国際に、ある決断を下そうとしている生徒がいた。高校3年生の水野吉晴くんは、3歳から水泳一筋。これまで数々の大会で優勝し、「2021年度 第44回 全国JOCジュニアオリンピックカップ 春季水泳競技大会」15～16歳 男子100m背泳ぎで第3位になるなど、実力は折り紙付きだ。だが吉晴くんは、新たな夢の実現のために、競泳に区切りをつけて勉強に専念するかどうか悩んでいた。自分で定めた競泳続行の条件は、「次の大会での決勝進出（上位8位以内）」。それがクリアできなければ、その先はないと心に決めた。
そして迎えた大会の日。結果は？ そして吉晴くんが下した決断とは…。
番組ではこの他、校舎・寮の設備や授業の様子、吉晴くんの新たな夢や両親の思いなどを紹介する。
毎週土曜午前10時30分放送！ 「THE名門校！日本全国すごい学校名鑑」(ＢＳテレ東）をどうぞお見逃しなく！
