地下アイドルの実態。ファンを取り合い、個人的につながる子も。「事務所にお金を請求され、親が100万円払った子もいました」

公開: 更新: テレ東プラス

テレビなどでよく見かける人気アイドルと違い、主にライブハウスやイベントで活動する「地下アイドル」。推し活、アイドルブームが続く中、煌びやかに見える世界だが、果たしてその裏側はどうなっているのか?

「テレ東プラス 人生劇場」は、現役地下アイドルのTさん(仮名)を取材。前編では、ギャラ事情からハラスメント問題まで話を聞いたが、後編では、メンバーとファンの関係性など、地下アイドルの裏事情をさらに深掘りする!

精神的に病んで過呼吸になってしまった子もいました


――地上アイドルと地下アイドルの違いは、どこにあると思いますか?

「テレビに出ているかどうかやライブ会場の大きさなど、単純に規模の差もありますが、地下の方がお客さんとの距離感が近く、一緒に盛り上げてくれる雰囲気があります。
また、地上アイドルは歌もダンスもうまくてビジュアルがいい子が人気ですが、地下では活躍するまでの過程も重視されるので、未熟な子の方が応援されやすいです。お客さんは『歌もダンスもまだ上手じゃない子を支えたい』という方が多いので、頑張って練習すればするほど、お客さんが離れてしまうという側面もあります。
そのため、頑張っていない子の方が得しているように思えて、メンバー同士がぎくしゃくすることも。女の子ばかりの世界なので、バチバチすることは多いですし、お客さんに"推し変"されると、『客を取られた』という感情にもなります。
一応、『他のメンバーのファンには過度な営業をしない』という暗黙のルールがありますが、新人やあまり賢くない子は、それを無視してやってしまって、メンバーに嫌われることもあります」記事画像
――具体的には、どのような方法で他のメンバーからお客さんを取るのでしょう。

「他のメンバーのマイナスイメージになるようなことをわざとバラして、自分のお客さんにしようとするんです。でも、そういうやり方で幸せになった子を見たことがありません。一時的にお客さんが増えても、長く続かないし、そのうち本人が疲れちゃったり嫌われて干されちゃったりして、絶対にいい結果になりません」

――なるほど。事務所との契約条件も地上アイドルとは違うと思いますが、高額なレッスン費を取られることもありますか?

「『研究生だから』という名目で、レッスン費を請求されることはあると思います。また、契約満了ではないタイミングで辞めると、『契約違反』という名目でたくさんお金を請求されることがあるそうです。そのため、円満に辞めるまで、半年〜1年ほどの時間がかかると思います。
辞めたいという希望が通らず、耐えられなくて突然いなくなり、実家にお金を請求された子もいました。それでも、元気なうちに飛ぶ(いなくなる)のならまだいいです。私の周りには、いじめやパワハラ、セクハラでボロボロになってしまい、精神的に病んで過呼吸になってしまった子もいました。しばらくして会ったら元気になっていたので良かったんですけど、やはり事務所にお金を請求されたようで…。金額は100万円くらいで、親が払ってくれたそうです」

――精神面だけでなく、金銭面でも大変な思いをすることがあるんですね。かなり過酷な世界ですが、アイドルをやっていて嬉しかったことはありますか?

「もともと芸能界のお仕事に憧れていましたし、根本に『人を笑顔にしたい』という気持ちがあるので、お客さんが笑ってくれたり元気を届けられたりした瞬間は本当に嬉しいです。お客さんの前でライブをしてお金が発生するサイクルを自分たちで作れるようになったのも、すごく嬉しかったです。今の私の人生を支えているのは、やはりアイドルの活動です。ストレスも大きいですが、やって良かったと思っています。
地下アイドルの世界は、ちょっとずる賢いくらいのほうが効率よく上に上がれる、真面目が損をする世界かもしれません。義理や人情にこだわってしまうと、のし上がるのに時間がかかる。だけどやりがいはすごくありますし、ライブも楽しい。アイドルの経験が他の仕事で生きることもあると思います。
あと、久しぶりに会った友達に『キレイになったね』と言われることもあります。人に見られる意識を常に持っているので、垢抜けるのかもしれません」

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