「君に届け」野球部員役を演じる櫻井海音「高校時代はトガってました」

公開: 更新: テレ東プラス

 
テレビ東京×Netflixの共同制作によるドラマ「君に届け」が世界独占配信中! 大ヒット漫画を原作に、長い髪と青白い肌から“貞子”と呼ばれクラスになじめない高校生・爽子(南沙良)と、クラスの人気者の風早(鈴鹿央士)の甘酸っぱい恋愛模様を描く青春胸キュンストーリー。

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爽子のクラスメイトで風早の親友・真田龍を演じる櫻井海音さんにインタビュー。高校時代は“トガってた!?”という意外な一面も!

短髪で挑む一途な野球部の高校生


記事画像「君に届け」より

――「君に届け」での櫻井さんの短髪、新鮮です!

「この短さは人生で初めてくらいですね。髪が短いと、めちゃくちゃ楽でした。ただ、友達からは『怖い』と言われて(笑)。見た目に柔らかさがなくなったことに加えて、無骨でクールな龍を演じていたので、役に影響されてプライベートでもクールに振る舞っていたのかなと思います」

――野球部員の龍を演じるにあたって、野球の練習もされたそうですね。

「かなり練習しました。僕はずっとサッカー一筋だったので、野球は経験がなくて。それなりに運動神経がある方だと自負していますが(笑)、手を使う球技は本当に苦手で…。龍役が決まった段階で、大学で野球をしている高校時代の友達と多摩川の河川敷に行って教えてもらったり、現場では野球指導の方と頻繁に練習していました。そのおかげで、演技に支障がないくらいにはできるようにはなったかなと思います」

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――「君に届け」は原作の漫画も大人気で、これまでアニメ化、実写映画化などもされています。中でも、龍は人気のキャラクターですが、どんな風に作り上げていきましたか?

「すごく一途でまっすぐで、しっかりした芯のあるキャラクターなので、そこをうまく表現したいと思いました。この作品では、クランクイン前にリハーサルをみっちりやりました。そこで監督とコミュニケーションを取りながら、どうしたらクールで無骨な感じに見えるか、そのために声のトーンをどうするかなど、監督やスタッフさんと相談しながら作り上げていきました」

――原作を参考にした部分はありますか?

「原作にあるシーンの撮影の前には原作を読み返すようにしています。原作には一つの“正解”があるのでリスペクトした上で、動きや仕草、このセリフをしゃべっている時にどういう体勢をしているのかなどを意識して演じるようにしています。漫画を映像化した場合、漫画のコマとコマの間の時間を埋める作業が必要になるので、監督や共演者と話し合って、どんな動きをすればいいのか、イメージしながら演じています」

記事画像「君に届け」より

――爽子役の南沙良さん、風早役の鈴鹿央士さんはじめ、同世代の俳優さんたちとの現場はいかがでしたか?

「同世代の方たちと一緒にやるのは、撮影当時今作が初めてでした。すごく刺激的で、楽しかったです。沙良ちゃんも静かだし、央士くんもにぎやかにする感じではないので、現場は穏やかでした。僕は、央士くんと2人でしゃべっていることが多かったですね」

記事画像「君に届け」より

――櫻井さんは、龍と千鶴のエピソードが好きだとおっしゃっていましたよね。龍は、自分の兄のことが好きな幼なじみの千鶴(中村里帆)を思い続けています。櫻井さんは、別の人が好きで自分に振り向いてくれない相手をずっと好きでいられますか?

「どうだろうなぁ…好きでいられるかなぁ…。千鶴に一途な龍はカッコいいと思うし、自分もそうありたいと思います。幼なじみでお互いにいろんなことを知った上で恋愛に発展していく、龍と千鶴の関係性には憧れます」

――龍とご自身が重なるところはありますか?

「共通点は、あまりないですね。僕は人からクールに見られることもありますけど、実はヘラヘラしてる方で(笑)」

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――あまりヘラヘラのイメージなかったです(笑)。でも、櫻井さんはずっと音楽を続けていたり、好きなことに対する一途さは、龍と近いのでは?

「確かに。龍は野球にも千鶴にも一途で、好きだと思ったらまっすぐに突き進む。僕も好きなものに対して熱中するほうで、そういう点では自分と重なっていたのかもしれないです」

――櫻井さんが今、誰かに対して「君に届け」と思っていることはありますか?

「央士くんに『ご飯に行こう』という願いを届けたいです(笑)。すでに約束はしているんですけど、まだ行けてないんですよ」

――その思いは、すぐに届きそうですね(笑)

高校時代はトガってた!?


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――今回、高校生役ですが、櫻井さんご自身はどんな高校生でしたか?

「トガってましたね(笑)。やんちゃな意味ではなくて、人と違う人間でありたいという、あまのじゃく的な“トガり”でした。でも、僕がそうすることによって誰かに迷惑をかけたくないし、怒られたくもない。そんな思いの間でさまよっていたと思います」

――「人と違う人間でいたい」というのは、具体的には?

「高校の近くのコンビニで、よく買い物をしていて。みんながお菓子とか弁当を買う中、僕は油揚げ1枚だけを買ってきて、それを口にくわえて教室でヘッドバンギングをしたり…」

――(笑)確かに、人と違いますね! というか、そんなことをやろうとは思いつかないです(笑)

「人と違うことをしているし、別に誰かに迷惑をかけてるわけでもない。『俺は人と違うんだぜ、面白いだろ?』みたいな。今思えば、中途半端でダサいことをしていましたね(笑)」

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――みんなに笑ってもらいたかった?

「それもあったと思います。承認欲求というか、みんなに見てほしいという気持ちですかね。変なことばっかりしていました」

――そんな当時の自分に、今、言葉をかけるとしたら?

「今振り返っても楽しかったなと思うので、『大人になる前にそういう遊びをたくさんしておきなよ』って言いたいです」

――2020年に俳優としての活動を本格化されて3年目。今、俳優という仕事について、どんなことを感じていますか?

「もう、そんなに経っているんですね。俳優の仕事、めちゃくちゃ楽しいです。始めたばかりの頃は、右も左も分からず、どういう仕事なのかも、本当に自分が役者をやりたいのかどうかも全然分かってなかった。そこから作品を重ねて、面白さややりがいがどんどん生まれてきて、だからこそ続けられていると思います。作品を通じて、いろんな経験をさせていただきました。それぞれの作品で刺激を受けて、発見があったり、自分の成長も感じられています」

――この3年は、あっという間でしたか?

「本当にあっという間で。それぐらい濃密な時間を過ごしてきたからだと思います。『君に届け』を撮影したのが1年前で、僕はまだ役者を始めて1年半ぐらい。それからもう1年経っているんだなぁと感慨深いものがあります」

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――現在21歳。これから大人の役も演じることになると思いますが、演じてみたい役や、やってみたい作品のジャンルはありますか?

「今は、どんなものでもやらせていただきたいという欲が強いですが、あえて言うなら、サスペンスでサイコパスの役。今までは等身大でナチュラルな役を演じる機会が多かったので、現実とかけ離れた部分が出せるような役をやってみたいですね。僕、共演者の方から『サイコパスっぽい』って言われることがあるんですよ」

――えーっ!どんなところがサイコパスっぽいんですかね? でも櫻井さんがサイコパスを演じるのは、ハマりそうな気がします。

「そう見えるってことは、演じることもできるのかなと思います。僕自身はサイコパスとしての自覚はないんですけど(笑)」

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ドラマ「君に届け」は、Netflixにて世界独占配信中!

(撮影:撮影:Marco Perboni / 取材・文:伊沢晶子)

【プロフィール】
櫻井海音(さくらい・かいと)
2001年4月13日生まれ。東京都出身。バンド”インナージャーニー”のドラマーを担当し、モデルや個人でのInstagramやYouTubeチャンネルを開設するなど幅広く活動をしている。連続テレビ小説「エール」(NHK)、「つまり好きって言いたいんだけど、」(テレビ東京系)、「夕暮れに、手をつなぐ」(TBS系)、映画「嘘喰い」(2022年)などへ出演を重ね、俳優としても活躍。
Instagram:@kaito_0413
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