名門校の知られざる姿を、生徒や親、教師など、さまざまな視点を通して紐解く情報ドキュメンタリー「THE 名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東 毎週土曜午前10時30分)。「名門とはいったい何か?」常識を打ち破る教育現場に密着する。
今回紹介する名門校は、「洛星中学校 高等学校」。創立71年を数えるカトリックのミッションスクールで、これまで3人に1人が京都大学に合格、国公立大医学部にも多くの合格者を出す、京都でも有数の進学校だ。
洛星には、進学校では当たり前にある"コース別クラス分け"がない。生徒たちを枠にはめない...そんな教育方針が自主自律の精神を高め、異彩を放つ生徒たちを育んでいる。
番組が注目したのは、「自作ロボット世界大会」で優勝した高校2年生。新たな超難関に挑む彼の奮闘をカメラが追った。
「洛星中学校 高等学校(以下、洛星)」は、衣笠山を望む静かな町にそびえ立つ、完全中高一貫の私立男子校。創立は1951年で、全校生徒は1317人だ。
玄関から続くロビーや廊下など、校舎全体が広々とした造り。自慢の図書館も落ち着く空間で、京都の学校らしく「能」の本もあれば、幅広いジャンルの雑誌、「スター・ウォーズ」の小説まで並び、「毎日来ている」という生徒も。
学食も広く、座席数はなんと330席! ボリューム満点の「カツカレー」(400円)は「カツが分厚い」と大人気だ。生徒たちは「いろんな人がいて、自分の好きなことを伸ばしやすい雰囲気」「洛星は字の通り"星"のように輝いている。華のある学校ですね」と、学校の魅力を話す。
2022年春の大学合格実績は、京都大学39人を含め、国公立に166人。そのうち35人が医学部。高い合格実績を誇る秘密の一つは、職員室前のフリースペースにある。この日は、共通テストを終えた高校3年生に、先生がマンツーマンで添削指導を行っていた。
国語科の西川義人先生は、「高校3年生のために何かしてあげたいなと思うと、これしかない」と笑顔で話す。
部活動も盛んで、同好会も含めると、その数は42。バドミントン部や水泳部は全国的な強豪で、囲碁将棋部も、囲碁で全国優勝を果たした。オーケストラ部には、京都市のジュニアオーケストラに所属する生徒が3人も。3つまでなら兼部もでき、多彩な才能を発揮する生徒も多い。
生物部で「アリ博士」と呼ばれる高校2年生の岡琉生くんは、生物部とテニス部を兼部。テニス部の主将も務める才能の持ち主で、洛星を選んだ理由を「小さい頃からテニスをしていて、(生物部と)兼部できるので、それがいいなあと思った。部活で洛星への入学を考えた」と話す。
今は浸透している「多様性」という言葉。他者を認めて受け入れることは、カトリック精神に基づく洛星の教えの原点だ。洛星には、習熟度別やコース別のクラス分けがなく、小田恵校長は、「黒板を消すのが上手な人もいれば、数学がすごいという人もいる。それぞれみんな大切な存在。得意なところを伸ばせばいいし、途中から急に伸びる子もいるので、クラス分けはしない。つまり枠にはめない」と話す。
そしてここにも、異彩を放つ生徒がいた。高校2年生の池之上響くんが、授業が終わって直行したのは「ロボット研究部」の部室。響くんは、ロボット競技「ロボカップジュニア2021」世界大会優勝チームのリーダーで、部内の肩書きはプロジェクトマネージャーだ。
「入学当初は目立たないようにと考えていたけど、周りと違うことや特殊なことをしていても、自分は自分、相手は相手とお互いを立てて物事を考えられる人がすごく多い」。響くんは、洛星での学びや生活を通し、徐々に自分を出せるようになっていったと話す。
番組は、短期間でソフトウェアを開発し、競うイベント「ハッカソン」に初挑戦する響くんと高校1年生の山田智生くんに密着。2日間で子ども用のカートにモーターを載せ、自動走行させる計画だが、なんとハンドルも自動で動かしたいと考えていた。初の「ハッカソン」、2人にどんな困難が待ち受けているのか。
この他、響くんが考える進路と両親の思い、「ロボカップジュニア」地方予選の様子などを紹介する。
毎週土曜午前10時30分放送! 「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東)をどうぞお見逃しなく!