“頑固オヤジの銭湯”が閉店...最終日に若者が殺到した理由、幕引きに涙...

公開: 更新: テレ東プラス

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銭湯の仕事の傍らで、北区の保護司として約25年間活動してきた和夫さん。良き理解者として、地域の子どもたちに寄り添ってきました。
近くの小学校で教員をしているお客さんは「子どもを一時保護しなきゃいけない時、まず頼るのが和夫さんだった」と話し、「悪いやつに寄り添って、面倒を見て、というのをずっとやられていたので」と語る若者や、閉店しても話したい、電話をしたいという若者が続々とやって来ては、「殿上湯」との別れを惜しみます。

しかし、閉店まで残り15分…またもトラブルが。ついに、年代物の湯沸かし用バーナーが止まってしまったのです。店内には、最後の湯を楽しみにきたお客さんがたくさんいますが、和夫さんは、今待っているお客さんだけで打ち切るという苦渋の決断を。実はこれこそが、閉店・解体する理由でした。

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燃料費の高騰により、ガス式の銭湯「殿上湯」は大きな痛手を被りました。バーナーをはじめ、老朽化した設備を修繕することができなくなってしまったのです。「殿上湯」限界の時…もうガスバーナーは動きません。

閉店ギリギリにやってきたお客さんに、「こんな事態になるなんて、本当にすみません」と頭を下げる和夫さん。「うちらしい幕引き」と断腸の思いで暖簾を下ろします。

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しかし、外には名残惜しそうに「殿上湯」を見つめるお客さんたちが残っていました。「ありがたいけど、ああいうの弱いのよ。しんどいね、つらいね…」と涙を拭う和夫さん。

夜8時半、ついに閉店の時。外に残っているお客さんに「うちらしい幕の閉じ方で。この地にはずっと住み続ける予定なので、なにかあったら声をかけてください。65年間ありがとうございました」と挨拶すると、自然と拍手が起こります。「殿上湯」は多くの人に見守られ、65年の歴史に終止符を打ちました。

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しかし、閉店から約1ヵ月。解体を目前にした「殿上湯」を訪ねてみると、玄関に明かりがついており、浴室に人の姿が。聞くと、解体業者ではないそうですが…「殿上湯」でいったい何が⁉

番組ではその他、自慢の女房のために閉店を決意…老夫婦が営む天ぷら蕎麦店、日本全国から食通が足を運ぶうなぎの名店、91歳の女将が切り盛りする町中華の閉店に密着します。