作家、女優、タレントとして幅広く活動する歩りえこ。ノーブラノーパンで世界94ヵ国を巡った彼女が、その稀有な経験を赤裸々に綴った著書『ブラを捨て旅にでよう』(講談社)はベストセラーになり、ドラマ化もされている。
2022年7月には、人生初のヘアヌード写真集『スフィア』(講談社)を出版。2児の母でもある彼女だが、年齢を感じさせない美しい裸体、ダイナマイトボディは大きな話題を呼び、写真集売り上げランキングの上位を占めた。
Ⓒ山岸 伸/講談社
今回の「テレ東プラス 人生劇場」は、そんな歩りえこをフィーチャー。インタビュー【前編】では、彼女の生い立ち、写真集への思い、海外での衝撃体験、ドMな自分について話を聞いた。【後編】では、衝撃的な結婚そして離婚、シングルマザーの奮闘、2023年の新たな挑戦に迫る。
私は"破天荒なお母ちゃん"
――30代で台湾人男性と結婚し、翌年に長女を出産。長男を妊娠中に国立台湾大学文学院を受験して見事合格し、その直後に離婚......。前編で歩さんがおっしゃった通り、まさに山あり谷ありの半生ですね。
「そうですね。大好きな台湾で、体調が悪くなったところを助けてくれた救世主が元夫でしたから、3年後に離婚するとは夢にも思いませんでした。原因は、元夫の度重なるDV...。DV離婚は、コロナ禍以降特に増えているそうで、社会問題にもなっています。
私はドMなので、プレイ中に苦痛を与えられるのは好きかもしれませんが、DVは全然違う話。自分よりも力の弱い女性に暴力を振るうなんて、絶対に許せない。
それが、娘を産んだ直後(長男を妊娠中)に何度も続き、生まれたばかりの娘までケガをしてしまって...。治療してもらうために大学病院に行きましたが、度々通っていたのでDVじゃないかと気づかれたんです。夫に殴られたと話すと、病院と台湾政府の連携ですぐに保護され、DVシェルターに入るように勧められました。着の身着のまま、娘を連れて必死で逃げたんです」
―― お子様を授かって一番幸せな時期に...夫婦の間で何か問題があったのでしょうか?
「結婚前は本当に優しく尽くしてくれて、すべてが順調でした。ただ、結婚して私が妊娠すると、悪阻がひどくて性生活があまり営めなくなったんです。求められて拒むと、殴られるようになっていきました。元夫は3歳年下で性欲も旺盛でしたから、我慢できなかったのかもしれません」
――第2子妊娠中に、娘さんを抱えてDVから脱出、大変な状況だったと思いますが、シェルターに避難した後はどうされたのでしょう。
「一時的にシェルターに避難し、その後は一度実家に帰ろうと決めて帰国しました。
荷物をすべて台湾の友だちに預け、持ち物はパスポートと貴重品だけ。帰国後は弁護士さんを通して、正式に離婚することができました。
シェルターにいる間は、同じ境遇の人もいたので、いろいろ考えさせられました。DVを受けた女性たちは、どんなに酷い目に遭ってもパートナーの元に戻ろうとします。アザだらけの体で、"あの人は悪くない"とかばう。生活力や行くあてがないという状況はわかりますが、決して子どものためにはならないし、今後の自分の人生を考えてもよろしくない。"こんな悪循環から抜け出さなきゃ"と考えた時、まずは帰国しようと。自分に生活力がないと、結局最後は夫を頼ってしまうので、やはり女性も自立することが大切だと思いました」