睡眠不足で老化のサインが2倍に増加!肥満度が高くなり、鬱病の原因にも

公開: 更新: テレ東プラス

体の不調や、イライラ、憂鬱な気持ち...実は、睡眠不足が原因かも!?

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毎回さまざまな専門家がレギュラー出演中の生活情報番組「なないろ日和!」(毎週月~木曜朝9時26分放送)から、眠りとお風呂の専門家・小林麻利子さんに「熟睡スイッチ」についてうかがいました。

睡眠不足による心身への悪影響

「睡眠」は大事とはよく言いますが、睡眠不足による心身への悪影響とは?

【1】老化サインが2倍に
「睡眠の質が落ちると、シミやシワ、たるみなどの老化サインが2倍に増えるという研究報告があります」(小林麻利子さん、以下同)
【2】鬱病の原因に
「心にも影響を与え、自己肯定感や自尊心が低下し、鬱病の原因になる結果も。心の不調が出る前に、睡眠の状況を見直すことが大切です」
【3】肥満度が高くなる
「睡眠はダイエットにも関係があり、睡眠時間が適切でないと肥満度が高くなることも多方面の研究で明らかです。食欲を抑えるホルモンが減少し自制できなくなるため、徹夜すると通常より1000kcal以上多く食べてしまうという研究報告も」

睡眠の"質"と"時間"が重要

nanairo_20221204_02.jpg画像素材:PIXTA

上記のような悪影響を避け、心身の健康のためには「睡眠の"質"と"時間"が大切」と小林さん。

【睡眠時間】
6時間半〜8時間未満が適切!
「脳の活動量を調べる研究で、"2日間徹夜"と"6時間睡眠を2週間続けた"状態の脳の反応速度が同じだと分かっています。睡眠時間が6時間未満という方も多いと思いますが、それでは無自覚に常に調子が悪い状態になってしまっています。性格の問題と片付けられがちなイライラや憂鬱な気持ちも、実は睡眠が関係していることが多いです。人間はしっかり眠ることで嫌な記憶を忘れるように出来ているので、睡眠は心を平穏に保つために大事なことなのです」

【睡眠の質】
質の良い睡眠は、以下の3つでチェック!
1.寝つきが良い
「眠るのに30分以上かかる場合は"入眠障害"の可能性もありますが、5分でも30分でもスッと違和感なく眠れればOK。例え入眠時間が5分でも、本人にとってそれがストレスであれば、"寝つきが悪い"ということになります」

2.途中で何度も起きない
「睡眠中、1〜2回の途中覚醒は自然なものですが、回数が極端に多かったり、途中覚醒後すぐに眠れないのであれば問題です」

3.熟睡感を感じる
「熟睡感とは、起きてカーテンを開けた時に"よく寝た"と実感したり、伸びをして気持ちの良さを感じたりすること。寝起きの良さとイコールではありませんが、起きてしばらく経っても眠い場合は熟睡出来ていない証拠です。また、翌日の午前中に眠気を感じる場合は、睡眠の質または量に課題がある可能性があるので、何らかの睡眠改善が必要です」

美人をつくる熟睡スイッチ

睡眠の重要性がわかったところで、質のいい眠りをとるための「睡眠スイッチ」について解説!

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【睡眠スイッチ1】嗅覚を刺激
「副交感神経を優位にするため、寝る前の15分間、心を落ち着かせましょう。五感の中でとくに重視するのが"嗅覚"。気持ちと密接に関わっているため、嗅覚を刺激すると"気持ち良い"と感じるスピードが早いのです。また、しっかりと感じなければ脳が動かないので、"積極的に"香りをかぐことも大事。香りがするものを近くに置くなど、脳に働きかけましょう」

どんな香りがいい?
好きな香りをかいだ時に、あくびが出たり手足がぽかぽかしてきたら副交感神経が活発になっている証拠。何が自分に合うのか、香水、アロマ、フルーツなど、いろんなものの香りをかいでみましょう。

オススメは「ラベンダー」。精油、ピローミスト、ボディオイルなどなんでも良いですが、香料を使用したものではなく、植物から抽出された"天然の精油"を使いましょう。購入する際は、「精油100%」などの表示をチェック!

【睡眠スイッチ2】マインドフルネス入浴法
「1日の中で唯一体も心も裸になるお風呂の中で、自分の心と向き合う10分間が大切です。どんな1日であったとしても、穏やかな心へと整えることができます」

"マインドフルネス"とは、過去でも未来でもなく「今、ここ」に意識を向けること。ゆったりお風呂に浸かりながら、まずは自分の呼吸を確認し、鼻から吸って口から吐いた時の空気の温度差を感じましょう。鼻から吸った空気は冷たく、口から出る空気は暖かい、それだけに意識を向け、雑念が湧いてもそれを否定しないことが大切です。

【睡眠スイッチ3】浮力を感じる入浴法
「睡眠前に、お風呂でいかにリラックスするかが大切。五感を研ぎ澄ましながら入浴し、浮力を意識する"浮力浴"を!」

浮力を感じる入浴法
頭を浴槽のフチなどにしっかりつけ、点ではなく面で支えてくれる場所を探しましょう。自分の体が浮いているか、沈んでいるかに集中。湯船で空気を吸い込むと肺が風船のように膨らみ体が浮き、空気を吐くと体が沈む、"浮力"を感じましょう」

【睡眠スイッチ4】頭皮マッサージでうっとり美容
「眠りのためには、脳の深部体温を下げる必要があります。頭皮マッサージをして頭の血管を拡張させると、熱を外に逃がすことができます」

頭皮マッサージ
マスク生活で耳の上が凝り固まっているので、マスクの紐を引っかける部分を指で押すようにマッサージ。頭頂部を指圧したり、爪の先で頭皮をタッピングするだけでも、フェイスラインがすっきりします。強さは"うっとり"と気持ち良いくらい。寝る前の15分間のうっとりが美容にも効果的です。

【睡眠スイッチ5】聴覚
「嗅覚に次いで、聴覚も効果的。集中して自分の心臓の鼓動を聞きましょう。音楽をかける場合は、歌詞がなくテンポが一定のものを。曲のリズムは脈拍より少し遅く、バイオリンやハープなどのビブラートのある楽器、自然環境に近い音や、癒しの"1/fゆらぎ"などが良いです」

小林さんのオススメは、シューマン作曲の「トロイメライ」。音量は聞こえるか聞こえないかくらいで、ピアノバージョンではなく、バイオリンまたはオーケストのものが良いとのこと。

5つの睡眠スイッチを参考に、質のよい睡眠を適正時間とり、心身ともに健康的な生活を送りましょう!

取材協力:小林麻利子さん。SleepLIVE株式会社代表取締役。生活習慣改善サロン「Flura」主宰。睡眠改善インストラクター、温泉入浴指導員。「美は自律神経を整えることから」を掲げ、科学的根拠のある最新データや研究を元に、睡眠に課題を抱える方へ睡眠や入浴をはじめとしたマンツーマン指導を行う。実践的な指導が人気を呼び、 3000名以上もの悩みを解決。著書に「不美人習慣を3日で整える熟睡の練習帳」(ジー・ビー)、「入浴の質が睡眠を決める」(カンゼン)ほか。
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Twitter:@marikorimaroma
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(取材・文/みやざわあさみ)

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