「通貨安で騒ぐ日本は先進国ではない」為替のプロと後藤達也が為替介入について大激論!

公開: 更新: テレ東プラス

経済ジャーナリスト、後藤達也さんが司会を務める経済番組『あつまれ 金融の森』。今回のテーマは、直近の急激な円安をきっかけに注目が高まっている『為替・為替介入』で、ソニーフィナンシャルグループ 金融市場調査部長チーフアナリストの尾河眞樹さん、みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミストの唐鎌大輔さんが登場。テレビ東京の人気経済番組でもお馴染みの為替のプロたちが、単純な相場の議論に留まらないディープな為替論を語り尽くすーー!

ゲストは、著書が爆売れしている人気コメンテーター2名

まずは今回のゲストのご紹介。1人目はソニーフィナンシャルグループの執行役員で金融市場調査部長チーフアナリストの尾河眞樹さん。尾河さんはテレビ東京の人気経済番組『Newsモーニングサテライト』や日経CNBCなどでも活躍をしているコメンテーターとしてもお馴染み。為替に関する多数の著書も執筆しているようで、そちらでも儲かっているようだーー!

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2人目は、みずほ銀行チーフマーケット・エコノミストの唐鎌大輔さん。唐鎌さんも尾河さんと同じく『Newsモーニングサテライト』に出演している。またこちらも、尾河さんと同じく、為替に関する多数の著書を執筆しており、9月に発売した「強い円はどこへ行ったのか」(日経プレミアシリーズ)は重版が続いており、かなり儲かっている模様ーー!

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今回のゲストは為替ガチ勢であるため、急激な円安の解説ニーズを受けてメディアから引っ張りだこ&著書も爆売れしている状態。ある意味、為替変動でメリットを得ている側と言えるが、この円安や為替相場は日本にとってはメリットなのか、デメリットなのか、また長期的には何を意味するのかなどを議論するーー。

為替介入に重要なのは運!?

最初の議論は、急激な円安の対策として9〜10月に実施された"為替介入"について。為替ガチ勢の両者は、2度にわたって実施された直近の介入をどのように見ているのか。

尾河さんは「約10兆円の介入は過去最大規模と騒がれているが、市場規模の拡大と比べれば小さい数字だと思う」と見解を示す。1998年に実施された前回の円買い介入時と比べると市場規模は5倍ほどになっており、相対的に見れば小さいという。
尾河さんの事前予想では、10兆円では収まらない規模を想定していたようで、今回の介入は「回数も値段も少なく済み、タイミングも良かった」と高評価だった。

唐鎌さんも概ね尾河さんと同じ意見だという。付け加えるならば「運が良かった」とのこと。「金融政策の9割は運」という言葉もあるそうで、今回の介入はタイミング含めて、非常に運が良かったという見方。まさに「運も実力のうち」ということで、今回の施策には高評価のようだ。

過度な為替変動って誰が困るの?

為替介入は運ということで、ロジカルではない気もするが、例えば「150円で介入する」という水準を設けてしまうと、そのラインで様々な思惑が生まれ、市場が複雑化するリスクや、ラインを超えても収まらない場合、さらなる暴騰を引き起こすリスクもあり、得策とは言えないそう。

また、今回は"覆面介入"を行ったわけだが、投機筋に不意打ちによるショックを与えて高騰を抑えるという面では、公表してから行うよりも、効果的であったとのこと。

そして、そもそも論ではあるが「なぜそこまでして為替変動を抑えようとするのか。それは企業が困るから」と唐鎌さん。企業は「1ドル=○○円」と見積もった上で、来期の予算を作成し、活動を行うわけだが、レートが安定しないと来期の見通しも立てづらくなり、予算のショートなども起きやすくなってしまうためと補足した。

投機筋は変動が大きい方が楽しいという側面もあるかもしれないが、多くの企業は安定していた方が企業活動がしやすく、社員もハッピーだから為替は安定していた方が良いようだ。

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米国に無視され始めた日本はすでに先進国ではない!?

ここまでは、今回の介入に非常にポジティブな2人であるが、そもそもこれを予想していたのだろうかーー。
ここでも2人の意見は合致し「介入は難しいと思っていた」と告白。理由としては、米国はインフレで悩んでおり、インフレ対策としてはドル高の方が有利であるため、円買い介入は拒否されると思っていたとのこと。

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しかし、結果として為替介入をすることができた理由は「米国が既に円の値段を重要視していないから」と唐鎌さんは分析する。
米国にとっての最重要課題はインフレ対策であり、ドル高は効果があるとは言われているが、円に対してドルが高かろうが安かろうが大きな問題ではないと見なされているとのこと。

悲しいことに、ドル円について騒いでいるのは日本だけであって、米国の視界からは消えかけているのかもしれない。唐鎌さんは付け加えるように「先進国は通貨高に悩むことはあっても、通貨安に悩むことはない。通貨安で騒ぎになるのは途上国だけ」と日本が徐々に先進国ではなくなっていることを暗示した・・・。

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円安報道はフェアではない!?

今回の為替介入自体はタイミング含めて高評価である一方、そもそも円安を騒いでいるのは日本の斜陽も感じるという寂しい実態が見えてきた。

次は視点を変えて、円安を一番騒いでいるメディアの責任について。この番組でも何度も「円安ネタ」をこすっているので他人事ではないが、なぜメディアは今回の円安を「悪いもの」として多く報じたのだろうか。

元日本経済新聞記者の後藤さんも「一方的な円安叩きはフェアではない」とした上で、メディアが生んでしまった「印象論としての悪い円安」と、実態として本当に起こっている「構造論としての悪い円安」を分けて議論したいと提案。

円安報道から見えてくるメディアの限界と日本経済の限界について、気になる続きは日経テレ東大学で!

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※番組情報
盛り上がる円安議論...通貨安を問題視する時点で日本はオワコン?【MC後藤達也】

司会:
後藤達也(経済ジャーナリスト)

出演:
尾河眞樹(ソニーフィナンシャルグループ金融市場調査部長 チーフアナリスト)
唐鎌大輔(みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト)

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