日本を訪れる外国人たちを空港で勝手に出迎え、アポなしインタビュー! そのまま密着取材を行う「YOUは何しに日本へ?」(毎週月曜夜6時25分~)。今回のテーマは「食べル!踊ル!歩きまくル!ルルルなYOUがいっぱい出てくルSP」。ルルル~と心躍ルYOUだらけの95分で、はたしてどんな面白YOUに出会えル~のか?
2022年10月頃から本格化した入国規制緩和で、YOUの来日が急増している。といっても、空港で声をかけられる数には限界があるので、浅草・秋葉原・原宿・上野など、人気の街で面白YOUを見つけるぞ~という新コーナー「空港で撮り逃したYOU」。
街で声をかけたのは、ベルギーから日本のカレーを堪能しにやって来た、自称『カレーハンター』のラファエルさん(25歳)&エリーさん(26歳)。母国で日本カレー店を営んでいるので(シェフ=ラファエルさん/接客経営=エリーさん)、研究のための来日という。ラファエルさんは「日本のカレーはヨーロッパから来たと思われてるけれど、もはや独自に進化しているんだ!」と力説する。
ヨーロッパでは『wagamama』という店がキッカケでカツカレーが大流行し、レトルトもテイクアウトも大ヒット。さらにお馴染みの『CoCo壱番屋』もヨーロッパ進出し、行列店となっているそう。ふたりも勢いに乗って、『KONCHU(昆虫)』という店をブリュッセル(ベルギー)にオープン。しかし売り上げがふるわない日もあり、味を改良するが失敗続きという。そこで店を休んで、スパイスの研究など、本場研修にやってきたというわけだ。
実はこの日は滞在20日目(10月1日~)で、もはや帰国直前。すでに15店以上のカレー店を訪れたが、明日は期待値が最も高い店に行くという。一緒について行きたいとお願いすると、快諾してくれたので密着決定!
翌日、東京・荻窪で再会すると、もう1人仲間が加わっていた。「私は文作業でゴハンを食べてる人間で、カレーのコラムを男性誌に10年くらい(書いている)」という、カレーライターの飯塚敦さん。カレー界のなぎら健壱と呼ばれ、『カレーの本』を執筆したり、カレー関連の商品監修まで務める方らしい。ふたりが飯塚さんのInstagramに、「カレーの美味しいお店を教えてほしい」とDMを送ったのがきっかけで、これから向かう『トマト』(荻窪)に一緒に行くことになった。こちらは飯塚さんのイチオシで、『食べログ・カレーのお店ランキング』でも全国1位に輝く伝説のお店だという(2022年11月現在)。高まる期待で足取りも軽やかに、とにかく一番乗りを目指す!
が、到着してみると開店1時間前ですでに25人待ちという行列ができていた!こんなことはヨーロッパではありえないと、衝撃を受けたふたり。午前中は午後1時30分までの2時間。11時30分に開店するが、入店はまだまだ先のようだ。
並び始めて1時間30分後、店で作るカレーに「S&B社」のカレー粉(赤缶)を使っている、などカレー談義で時間を潰す。1時間45分後、並び疲れてフラフラのふたりに飯塚さんが柿の種をプレゼント。1736年から続く七味唐辛子の名店『八幡屋礒五郎』のおかき『ガラムマサラの種』(324円)だ。ふたりは「スパイスがきいていてうまい」とプチ復活。
2時間20分後、「気持ち悪くなってきた。このために朝ゴハン食べて来てないから」と、ふたりは待ちくたびれて再びヘロヘロに...。すると、見かねた飯塚さんが軽食を買ってきてくれた。実はこれ、かつて荻窪に住んでいた飯塚さんのお気に入りのパン屋さん『ベーカリークサマ』のカレーパン(151円)。具材が溶けるまで煮込まれたカレーとモチモチのパンが相性抜群で、救いの手にふたりは大喜びだ。美味しく食べて再びテンションもあがったところで、過酷な順番待ちもあとわずかになり...。
子どもの頃から食べることが大好きだったラファエルさん。18歳で初めて日本旅行をし、「CoCo壱番屋」のカレーを食べ、インドカレーやタイカレーとはまったく違うスパイスの香りや甘さに衝撃を受けた。そして帰国後すぐ日本のカレールーを取り寄せ、独学でカレー作りを始めた。それが高じて、パリで料理学校にも通いながら独自にカレーを研究、「毎日作っても味に変化があってそれが楽しいんだ」とハマった。その後、友人の紹介で同じく日本カレーにハマっていたエリーさんと出会い、ヨーロッパで一番を夢見て店を始めたのだった。
(撮影:飯塚さん)
午後1時20分、閉店まであと10分のところでようやく店内へ。ついにこの瞬間がやってきた! 担当Dも一緒に入店...のはずが、他のお客様の迷惑になるということで撮影取材はNG。ただ、お客様自身がカメラを回すのはOKということで、飯塚さんが胸元に装着していたGoPro(小型カメラ)で食事中の撮影をお願いすることに。
(撮影:飯塚さん)
待ちに待ったカレー「ジャワ」が届き、完璧なビジュアルに衝撃を受けた。「口の中が完全にカレーに支配されたよ」(ラファエルさん)、「カレーの海を泳いでいるみたいだ」(エリーさん)、「あ~幸せ♡」(飯塚さん)と、各々が感動を伝える。しかし、肝心のカレーは...映っていなかった。
ということで、後日なんとかお店にお願いして30分だけ撮影許可をいただき、カレーを撮影。YOUらが大絶賛したジャワがこちら。トマトと36種類のスパイスで5日間熟成させたトロトロのルーが素晴らしい。これぞ口コミ日本一に輝くカレーだ!
シェフのラファエルさんは、「とても力強い味だ! スパイスの味を強く感じる。荒めに砕いたスパイスを使ってるのかも。そうすることでより香りが強くなってパンチが出る。でもなぜか辛すぎず、少しだけスパイシーなんだ」というスパイスの発見を始め、多くの学びを得ることができたようだ。「店の再開に向けて最高のモチベーションになったよ。俺たちのスタイルの最高のカレーを作ってやる!」と士気があがったところで密着は終了。ラファエルさん、エリーさん、学びを糧にベルギーで最高の日本カレーを作ってね~!