「ガチャガチャ」の愛称で親しまれるカプセルトイ。最近は子どもだけでなく、大人でもハマる人が多い上、外国人観光客のお土産としても人気が高く、空港やターミナル駅には大量のカプセルトイ販売機が並び、「ガチャガチャの森」などの専門店も拡大している。
何気なく目にしているが、カプセルトイはどうやって作られているのだろうか?
「テレ東プラス」は、カプセルトイの企画・製造を手掛ける「Qualia(クオリア)」の代表取締役で、YouTubeでは"チャラ社長"として人気を集める小川勇矢さんに話を聞いた。
▲カプセルトイファンから大人気の小川勇矢社長。イベント出展では、Qualiaのブースに、小川さんと写真を撮りたいファンが多数訪れる
「コップのフチ子」以降、大人の需要が増加
――専門店ができ、ひとつのカルチャーとして根強い人気を誇るカプセルトイ。昔も今も子どもに人気があることに変わりはありませんが、大人も楽しむようになったのは、割と最近ですよね?
「昔は子どもだけがターゲットで、駄菓子屋さんの横に販売機があり、中身もスライムとか、カードゲームが折りたたまれて入っていました。POPに描かれている商品がなかなか出てこないことも多かったですね。リアルな動物フィギュアの『ネイチャーテクニカラー』など、マニアが集める商品はありましたが、市場の10%以下でした。
風向きが変わったのは、2012年7月に発売された『コップのフチ子』がブームになってからです。企画・製造・販売したのは、独立するまで勤めていた『奇譚クラブ』で、私は営業を担当していました。当時のカプセルトイ業界では異例ですが、PARCOさんで展覧会なども企画しましたし、メディアにも多く取り上げられました」
――確かに「コップのフチ子」シリーズから、大人買いする人やコンプリートする人が増えた印象です。
「SNSで若い女性がランチのテーブルに『フチ子』を映り込ませた写真をアップするなどし、商品のコンセプトや認知が一気に広まった感じです。『コップのフチ子』シリーズが人気になったことで、大人もターゲットになることがわかり、他のメーカーも大人向けの商品を作り始めました。
その後、『ガシャデパ』や『ガチャガチャの森』のような、カプセルトイ専門店ができました。さらにコロナ禍で、商業施設に空きスペースが生まれ、専門店の出店も広がっています。昔は近所でガチャガチャを回す――という形でしたが、今はデートや友達と一緒に、専門店へ買いに行く人が増えています」