「女性の楽屋にいなければいけないと思ってしまって...」小手伸也が体験した「何かおかしい」不思議な出来事

公開: 更新: テレ東プラス

ネットで話題のオカルトホラー作家・雨穴が原案を手掛ける、ドラマ「何かおかしい」(毎週火曜深夜0時30分)。

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ラジオ番組の生放送中に起きた些細なアクシデントが悲劇を招く――。
「もしかしたら、現実にどこかで起きているかもしれない」と思ってしまうほど、リアルで恐ろしい話ばかりだ。

6月28日(火)放送の第5話、7月5日(火)放送の第6話では、俳優の小手伸也さんが、ご本人役で出演。ラジオパーソナリティ役を演じる。

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番組内の小手さんは、軽快に朗らかに生放送を進行していくが、やがて番組スタッフの本音やMCの裏の顔が暴かれることになり...。ゾクッとするほどリアルでスリリングな展開から目が離せなくなる!

「テレ東プラス」は、小手伸也さんにインタビュー! 作品の裏話はもちろん、ご自身が体験した"不思議な話"から"何かおかしい"と感じることまで...話を伺った。

このドラマの小手伸也は「思慮深さに欠ける(笑)」

――このドラマで小手さんは、ご本人役を演じています。最初にこの設定を聞いた時のご感想は?

「本人役ではありますが、生放送中、ひどい目に遭いますし、これが僕自身だと思われるとメリットのない役というか(笑)。僕自身だったら絶対に口に出さないようなことを平気で言っていたり、単純に言葉遣いが違っていたりするので、演じる上で"本人だけど本人じゃない"というさじ加減が難しかったです。でも、新鮮でしたね」

――小手さんそのものではないけれども、ご自身のエッセンスを入れつつ...という感じですか?

「そうですね。異世界の自分、もう一つの世界にいる自分を演じるような、僕だけど僕じゃないという不思議な感覚でした。"もしも自分がこういう場面に遭遇したら..."という可能性も想像しながら演じました」

――作品の中での"小手伸也"さんを、どういう人物だと捉えましたか?

「ちょっと思慮深さに欠けるというか短絡的なところがありますね(笑)。今の自分ならもうちょっと人間的に成長しているはずだと思いたい(笑)。ただ、僕自身、ラジオが大好きで、そういう意味では役とも共通しているので、自分に近しい部分もあるかも? と思いました」

――物語はラジオの生放送で進んでいきますが、キャストの皆さんのやりとりが非常にリアルです。

「ラジオブース内をはじめ、カメラが15台置かれており、カットをかけないままやりとりが進行したので演劇に近く、ライブで撮っている感じでした。セリフも一言一句、台本通りにはあえてしなかったり、会話の中での相槌とかは完全にアドリブでしたので、生放送中のラジオ番組の雰囲気が出ていたと思います。ラジオが好きなので、"いつかパーソナリティをやりたい!"と願ってはいますが、あんな番組は......嫌だなぁ(笑)」

――トラブルばかり起きますからね(笑)。ラジオパーソナリティとしての演技は、どのように意識されましたか?

「事件に巻き込まれながらもトークを回そうとしている感じや、MCとして次にするべきことを考えながら演じました。実際、あんな状況に置かれてテンパったらどうなっちゃうのかなということを想像し、焦りやたどたどしさがあった方がリアルかなと思ったので、今回はそんなにセリフを覚えていかなかったんです。物語の流れを把握した上で、アクシデントの中のリアリティーを出すため、あえて手元に置いてあるラジオ番組の進行台本を、"あれ? 次は何を言わなきゃいけないんだっけ?"と本気で焦りつつ読みながら演じたりもしました」

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――小手さんとアシスタント役の香音さん、ラジオスタッフが本音をぶちまけて衝突するシーンは、観ていてヒリヒリしました...。

「怖い話ですよね。現場でもヒリヒリする感じでやっていましたが、それは一発本番に近い撮影環境に対するヒリヒリでもありました(笑)。ラジオブースという密室での会話劇で画的には地味なんですけど、生っぽい会話になるように、感受性のギアを上げるように意識しました」

――共演者の皆さんと、本当にギクシャクしているのではないかと心配になりました(笑)。

「カメラが回ってない時は、アットホームな雰囲気でしたよ(笑)。構成作家の花岡を演じる濱正悟さんとは、以前共演したことがありましたが、他の皆さんとは初めて。そういう緊張感や距離感は、本音と建前が交錯するギクシャク部分にうまく利用させていただきました」

――先ほど、「ラジオが好き」というお話がありましたが、どんなラジオを聴いていましたか?

「深夜ラジオを聴きながら受験勉強していた世代なので、やはり『オールナイトニッポン』ですね。特に『電気グルーヴのオールナイトニッポン』が好きでした。『JUNK』は、『コサキンDEワァオ!』からの流れでよく聴くようになりました。今でもたまに聴いているのは、『伊集院光の深夜の馬鹿力』です。伊集院さんの深夜ラジオのノリは、役者としての僕の語彙にかなりの影響を及ぼしたと思います。ブラックなネタが許されるような小劇場の舞台では、伊集院さんが言いそうなことをアドリブで言ったりしていました(笑)。深夜ラジオのアナーキーなノリが本当はすごく好きなんです」

――ドラマを観て、小手さんのラジオが聴いてみたくなりました。改めて、第5話、第6話の見どころをお聞かせください。

「心霊現象とはまた違った怖さがある話ですよね。5話は奇妙な古い祭り、6話はおまじないが発端になって、とんでもない結末を迎えます。トラブルの根源となるのが、人間そのもの。人間の闇の部分がとんでもないことを引き起こすのは、お化けが出てくる話より怖いと思います。出演者である僕らも、ゾクゾクしました」