名門校の知られざる姿を、生徒や親、教師など、さまざまな視点を通して紐解く情報ドキュメンタリー「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東 毎週月曜夜10時)。「名門とはいったい何か?」常識を打ち破る教育現場に密着する。
今回紹介する名門校は創立134年を迎える「香蘭女学校」。ユニセフ親善大使でもある黒柳徹子さんの母校としても知られている。校内に飾られている直筆の色紙には「私に愛することを教えてくださった学校」という言葉が。愛する心を育む名門女学校の青春の日々に迫る。
東京都品川区にある「香蘭女学校(以下、香蘭)」は、中高一貫の女学校。豊かな緑に囲まれたアプローチとレンガ造りの校舎が特徴的な香蘭は、134年前、英国国教会のエドワード・ビカステス主教が創立。その後、シスターたちが教育の礎を築いた。教育理念は、「祈りのうちに自らを育む」。全校生徒数は、中等科と高等科を合わせて1029人。週に1回、聖書の授業もあるが、実はクリスチャンではない生徒がほとんどだという。
早慶上智をはじめとした難関大学に多くの合格者を出す進学校としての顔も持つ香蘭。2022年春の大学合格者数は、早慶上智が18人、GMARCHが110人など。中でも立教大学には97人もの生徒が進学するというが、その理由とは?
香蘭女学校の1日は、祈りに始まり、祈りに終わる。
朝8時15分。全校生徒による礼拝が始まる。先生や「チャプレン」と呼ばれる牧師の話を聞き、聖歌を合唱。そして感謝の祈りを唱える。礼拝で心を落ち着けた後、8時40分から授業がスタート。
中にはユニークな授業も。取材した日は、家庭科で実施している「妊婦体験」の一環で、お腹に重りを装着する生徒に遭遇した。妊娠8カ月目の妊婦の体重の増加を想定したもので、重さは4キロあるという。生徒たちは全員交代でこの格好をし、1日過ごすそう。
ミッションスクールとはいえ、日本人としての心を育む教育も重視している。中等科1年生が学ぶのは、小笠原流の礼法。取材した日は、履物の脱ぎ方、部屋への入り方などの基本を学んでいた。伝統的な礼法を通して、勉強にも大切な集中力を養うのだという。部活動にも日本文化を身に付けられる茶道部や華道部、筝曲部があり、日本の伝統を通して、自制心と集中力を高める取り組みが行われている。
常に笑顔で、物事に取り組む姿が印象的な香蘭の生徒たち。その理由を聞いてみると、ある生徒がざっくばらんに教えてくれた。「男の子がいないので自分自身をさらけ出して、ありのままでみんなで仲良くなれる」。そのせいか運動会も本気で張り合うのだとか。
女子校ならではの課題もある。「席が近い子と女の子は固まってしまう傾向がある」と話す山崎由里花先生。そこで香蘭では取り組みとして、3日に一度"席替え"を行っているそうだ。「席を頻繁に変えることで授業中や休み時間の過ごし方も変わってくるので、たくさんの人と関わってもらうために頻繁に行っています」。
先生でも友だちでもない、憧れの〝ビッグシスター"
食前の祈りを捧げて昼食を済ませ、午後の授業も終えた終礼の時間。中等科1年生の教室に、高等科3年生2人の姿が。「ビッグシスター」と呼ばれる、まだ学校生活に慣れない新入生をサポートするために高等科3年生の中から選ばれた生徒たちだ。中等科1年生の各クラスを6人ずつで担当、2人ずつ組んで教室にやってくるのだという。下級生の憧れの存在だというが...なぜ彼女たちは慕われるのか、そして「ビッグシスター」に込めた思いとは?...その理由はぜひ番組で!
この他、立教大学へ進学する生徒が多い理由、白熱する運動会の様子、小笠原流礼法を学んだ新入生の感想などを紹介。さらに、親子三代にわたって香蘭で学んだ家族に学校の魅力を聞く。
毎週月曜夜10時放送!「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東)を、どうぞお楽しみに!