法廷で「復讐してやるからな」と暴言を吐いた暴行犯。パソコンの検索履歴を調べると「殺人 ばれない」「完全犯罪」などの検索ワードが...:寂しい丘で狩りをする

公開: 更新: テレ東プラス

押本は1週間前に刑務所を出所していた。もしも復讐するつもりなら、姿を見せる可能性があるのは…押本の国選弁護人を務めた桂光子(藤田弓子)の家だ。みどりが桂の家に向かうと、快く出迎えてくれた。

sabioka_20220429_2_04.jpg
「なぜ野添さんは押本の行方を知りたいんですか?」

「押本が法廷で叫んだ言葉を気にしていて」

「『復讐してやる』って…」

「はい。押本がこちらに来ませんでしたか?」

「…先週来ました」

「!」

桂によれば、出所後すぐ「被害者の方に心からお詫びを申し上げたい」と押本が訪ねてきたという。

(回想)

「彼女が今どこでどんな風に生きてるか心配で…。どうか先生にお力添えいただいて、お目にかかれないかと」

玄関先で土下座し、頼み込む押本。しかし桂は断り、「本当に悔い改めるなら、彼女から可能な限り遠くへ離れて、真っ当な人生を送りなさい」と追い返したという。

「弁護した立場でこういう発言は何ですが…押本という男は本当に卑劣な人間でした」

桂は強い口調で続ける。

「自ら野添さんにタクシーの相乗りを持ちかけ、野添さんが同意したのを勝手に好意だと受け取った。そしてタクシーから降りた後…襲いかかった。法廷でも全く反省していなかった」

法廷で押本は「彼女は警察に届けないという約束を破りました」と証言したという。検察官が「あなたが脅したんでしょう」と詰問すると、「私は裏切られたんです。絶対に許せない。彼女だって喜んでいたのに」と怒りに震えていた。

「…それで、押本は今どこに?」」

「知り合いに紹介されたラーメン店に行くと。神奈川の方で、出所した人間を受け入れてくれる店があるそうで」

「そうなんですね。調べてみます」

「あの男は危険ですから、気を付けて下さいね」

「絶対に許せないんです。心の傷を再びえぐるような人間は…」

みどりは桂の忠告に頷きながら、ラーメン店の調査へ向かう。

sabioka_20220429_2_05.jpg
押本が働くラーメン店を突き止めたみどり。客として何食わぬ顔で入店すると、カウンター内で働く押本を確認する。スマホでラーメンを撮影するふりをし、さりげなく押本を撮ろうとすると、若い店員が皿洗いをする押本に詰め寄っていた。

「岸田さん、洗い方が雑だよ」

どうやらここでは“岸田”と名乗っているらしい。注意を受け、ギラリと若い店員を睨みつける押本。

「何だよその目は」

一触即発の雰囲気に、店長が慌てて止めに入る。

「待った待った! まだ岸田君は慣れていないんだ。一つずつ覚えていこう」

「…すみません」

数時間後、仕事を終えた押本が大きなカバンを持って歩いている。その後ろをさりげなく尾行するみどり。

押本が向かったのは、繁華街にあるマンガ喫茶だった。みどりは押本の隣のブースに入り、聞き耳を立てる。パソコンで何か調べているのか、キーボードを叩く音に混じって、時折「くそっ」という声が聞こえてくる。

しばらくすると、押本は着替えを持ってブースを出ていった。みどりはすぐさま押本のブースに入り、パソコンの検索履歴を調べる。すると「野添敦子」「殺人 ばれない」「完全犯罪」などの検索ワードが…。みどりは思わず息を呑む。

sabioka_20220429_2_06.jpg
デスクの上にはノートがあり、何かが書かれていた。敦子がいそうな図書館について執拗に調べているようだ。みどりは証拠として、スマホで次々と写真に収める。

一方の押本は、シャワーブースの鍵を忘れたことに気付いて引き返していた。そうとは知らず、スマホで撮影を続けるみどり…。やがて押本の足音が聞こえ、みどりは一気に青ざめる。そしてついに、押本がブースの扉に手をかけ……!

同じ頃。夜景が見える高層階で、カメラを構えながら「ただいま、東京」と呟く一人の男がいた。みどりの元交際相手で、カメラマンの久我健二郎(竹財輝之助)だ。意味深な微笑みを浮かべる久我だが、実はみどりに異常な愛情を持ち、過去、激しい暴力を振るっていたのだった。

みどりの運命は…そして、久我の目的とは!?

【第2話 あらすじ】

sabioka_20220429_2_07.jpg
探偵のみどり(倉科カナ)は、敦子(久保田紗友)からの依頼で、7年前の強姦事件の加害者である押本(丸山智己)の出所後の動向を追っていた。
そんな中、みどりの前に元交際相手で執拗なストーキングを繰り返すカメラマンの久我(竹財輝之助)が現れ、みどりの写真集を出すためヌード撮影を強要する。
一方、敦子にも押本が着実に近づいていた。7年前、警察に通報されたことを逆恨みし続ける押本はあらゆる手段を使い敦子の居場所を探っていた。押本の復讐に怯える敦子にかつての自分を重ねたみどりは、押本を追うため調査に没頭していく。そんなみどりを、探偵事務所所長の岡庭正(高橋英樹)は心配していた。
しかし、みどりにも久我の影が迫る。レストランで恋人の浅野(平山浩行)がみどりの誕生日を祝っていると、そこへ誕生日ケーキを持った久我が現れ…。

PICK UP