まるで図書館!?創立8年目にして難関大学合格者が続々と誕生する青翔開智高校。躍進の秘密は「探究」にあった!

テレ東プラス

名門校の知られざる姿を、生徒や親、教師など、さまざまな視点を通して紐解く密着ヒューマンドキュメンタリー「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東 毎週月曜夜10時)。「名門とはいったい何か?」常識を打ち破る教育現場に密着する。

今回紹介するのは、鳥取県鳥取市にある「青翔開智中学校・高等学校(以下、青翔開智)」。創立8年目にして難関大学に続々と現役合格する生徒たちが生まれている。躍進の秘密は「探究」という独自のカリキュラム。なぜそれが大学合格に結びつくのか...最先端の取り組みに密着した。

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鳥取県鳥取市にある青翔開智中学校・高等学校。1学年40人ほどの中高一貫校が開校したのは8年前のこと。まだ歴史の浅い学校だが、2021年春の卒業生36人からは国公立大学9人、私立大学13人、海外の大学5人など、多くの合格者を輩出している。

躍進の一翼を担っているのが「探究」という独自のカリキュラム。織田澤博樹校長によると、"探究"とは「課題を発見し、創造的に解決していく営みのこと」だという。生徒たちが身の回りの社会課題を見つけ、解決のためのアイデアを出し、工夫・模索する。全学年で週2~3時間行われる「探究」の授業では、生徒があらゆる情報を集めて調査を行い、グループでアイデアを出し合って課題の解決策を探っている。

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このカリキュラムを通じて新しいアイデアを生み出し、中には地元の企業との取り組みで一目置かれている生徒も。実際に「探究」というカリキュラムを通してどのように生徒たちの創造力が育まれているのか授業の様子を覗いてみると、そのヒントのひとつが学校のコンセプトにもなっている校舎の構造にあることがわかった...。

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学校のコンセプトは「図書館の中に学校がある」。モダンな外観の校舎に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのはずらりと並ぶ本棚の数々。まるで図書館のようなレイアウトになっている。

一般的に学校の図書室は教室から離れた場所にあり、あまり足が向かないという印象を持たれがちだが、青翔開智では図書室が学校の中心になっており、授業の教材として本が活用されている。そのため、生徒が本を手に取る機会もおのずと増える。

この日は、中学3年生のあるチームがタブレットと図書室にある資料を駆使して、鳥取市のハザードマップを分析、よりわかりやすいアプリにするために知恵を絞っていた。

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「この本が好きです」。

1冊の本を手に取り、番組スタッフに紹介してくれたのは、前田のぞみさん (高校3年生)。学校一の読書家といわれるのぞみさんは、書店で見かける推薦図書のコーナーを設けるほど。タイトルや著者名、推薦コメントを書いた付箋を手作りし、推薦図書に貼り付けている。作品について熱弁するのぞみさんも、難関大学に合格した1人。「いろんな人を助けられるようなグローバルな人になりたいと思っています」と笑顔で話す。

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図書室を抜けると、そこにはガラス張りの職員室が。案内してくれた生徒が、先生の目の前で収納棚の上にひょいと腰をおろした。マナー違反...ではなく、実は座れるように設計されたもので、これには理由がある。

「よく『生徒と教員の距離が近い』というが、教える方と教わる方でやはり差はある。それを解消するため、物理的に生徒を上げて教員を下げることでようやくフラットになるという考え方です」と、織田澤校長。あえて生徒の座る位置を高くすることで、自然と目線が教員よりも高くなり、対等な関係で会話ができるように計算されているのだ。

校舎の構造のみならず、生徒目線を大切にする姿勢も、「探究」の成果につながっているといえそうだ。

「議題解決型職場体験」が大学合格の鍵に

一見、大学受験の勉強とは無縁に思える「探究」の授業だが、面接や論文が課せられる入試方式「総合型選抜・学校推薦型選抜」では、強みを発揮する。

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先ほど職員室や校長室を案内してくれた田中楓花さん(高校3年生)は、総合型選抜で立命館大学の食マネジメント学部・食マネジメント学科に合格。そのきっかけは、「探究」での職場体験にあった。

青翔開智の職場体験は、仕事に触れるだけでなく、企業の課題を見つけ、解決のアイデアを社長に提案するというもの。

中学2年生の時、楓花さんは鳥取県の名産のひとつ、らっきょうを生産する老舗の食品会社を訪問。「若者にらっきょうに興味を持ってもらうには?」という課題を設定し、グループ4人でアイデアを出し合った。そこで楓花さんは、SNSの「写真映え」をヒントにし、オレンジや赤といった色とりどりのらっきょうの商品化を提案したのだ。

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青翔開智では、中学での「探究」の成果をさらに深めるため、高校2年生から「個人探究」として、論文の制作を行う。

そこで楓花さんは課題解決型職場体験から研究を発展させ、「カラフルらっきょう」の販売数をさらに伸ばすための方法をまとめた。1万字を超える論文のタイトルは「バンドル効果を利用してカラフルらっきょうの売り上げ向上は可能か」。

「探究」を通して食品ビジネスの面白さに気づいた楓花さんは、自然と立命館大学の食マネジメント学部を目指すように。一次試験の志望動機と小論文による書類審査、二次試験のプレゼンテーションを経て、見事合格を果たす。青翔開智で学んだ「探究」とプレゼンテーション型の授業が、入試や将来の夢につながったのだ。

今では鳥取県の土産物として人気を得ている「カラフルらっきょう」。その詳細と楓花さんの「個人探究」の内容については、ぜひ番組で!

大学での学びに生きる卒論制作

青翔開智では、8割近くの生徒が「総合型選抜・学校推薦型選抜」形式の入試で大学に進学している。「将来は卓球界に貢献したい」と意気込む木原寛太くん(高校3年生)は、卓球に関する「探究」で立命館大学経営学部の合格を勝ち取った。また、地域医療に関心を持つ西垣瑠星くん(高校3年生)は、遠隔診療の導入が鳥取県への地方移住活性化に有効かどうかを研究した結果、鳥取大学医学部医学科への進学が決まった。

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「探究」はあくまで各生徒の興味を尊重しており、決して大学入試のための課題ではない。しかし、進めるうちに将来の目標が明確になり、結果として志望大学や学科への進学につながっていくと森川真悟教諭(進路支援部)は話す。

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2021年に卒業した生徒の中には東大に合格した生徒も。田口響生くん(東京大学・文科二類1年)は、高校入学当初、東大に入れるような成績ではなかったという。しかし、「探究」でアフリカ・ガーナの経済を学ぶうちに勉強への意欲が湧き、一気に学力が向上。「ブロックチェーン技術を用いてガーナ固有の流通形態を高度化することは可能か」という探究基礎修了論文が決め手となり、2021年春、文科二類に合格した。

響生くんの成長を見守ってきた父・邦彦さんは、「青翔開智での3年間、主体的に考えて、常に悩んで、それを楽しむ自分をつくってきた。それが一番だと思う。仮に伝統校に進んでいたとしたら、響生は東大には入れていなかったと思う」と話す。

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ある生徒は香川大学医学部に、またある生徒は滋賀大学データサイエンス学部に...。取材した日も、大学合格を果たした生徒たちのうれしい報告が次々と学校に舞い込んできた。

最後に織田澤校長が、「探究」という独自のカリキュラムに込めた思いを明かしてくれた。

「今までは大学に入る物差しがほとんど偏差値でしかなかった。入学後に何をすればいいのか、という悩みを抱える学生さんも多くいるのではないかと思います。大学に行く前に"研究ってこういうものだよ、君たちが学ぼうとしている学問ってこういうものだよ"というのを1回体験する...そうすることで、どんな研究・学問がしたいかというのを一つの価値観において大学を選んでほしいと考えています」。

大学に入ってからも真価を発揮する「探究」の授業。生きた学びが生徒の未来を、さらには少子高齢化が進むといわれる地方が秘めた新たな可能性を切り拓いていく。

番組では他にも、学校一の読書家・のぞみさんによる推薦図書の紹介と気になる進学先、鳥取県の伝統的な因州和紙を使った絵本づくりに取り組む生徒、青翔開智に通う子を持つ親の心情などを紹介する。

3月28日(月)夜10時放送! 「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東)は、「千葉・市川高校...「第三教育」興味に熱中で難関大も合格?」と題して送る。

今回の名門校は市川中学校・市川高等学校。千葉県屈指の進学校だ。昨年春は東大をはじめとする国公立大学や早稲田・慶応に300人以上が現役合格した。受験勉強一辺倒なのかと思いきや、好きなことに熱中する個性的な生徒が多いという。そんな学校の一番の特徴を表す施設がエントランスを入るとすぐに見える「第三教育センター」。蔵書12万冊を誇る図書館の名称だ。中では思い思いの分野を研究する生徒の姿が...。

「第三教育」とは、この学校が最も重要視する教育方針。家庭で親から受ける第一教育、学校で教師から学ぶ第二教育に対し、自分で自分を教育することを表している。何を学び研究するかは自分の興味次第。その成果を年に一度、生徒たちが発表する舞台が「市川アカデミックデイ」だ。中学1年生から高校2年生までの参加者が、社会問題から自分の趣味に至るまで、分野を問わず日々の研究で得た成果をプレゼンテーションしていく。

ただし、この「市川アカデミックデイ」はあくまで生徒たちの自主運営。2000部のパンフレットを皆で手作りし、プレゼン用のスライドも、先輩が後輩にアドバイスしながら1枚ずつ作っていく。そして迎えた「市川アカデミックデイ」当日。生徒たちは何を発表し、何を得るのか?
先輩から後輩へ受け継がれる経験のバトン...第三教育の真髄に迫った。

どうぞお楽しみに!