欧米諸国が、ロシアへの制裁に踏み切る中、中国の動向が注目されています。アメリカの専門家、アジアグループのチャールズ・ダンスト氏はウクライナ侵攻が続く限り、中国は難しい立場に置かれると指摘します。
「西側諸国でロシアや中国のような権威主義国に対抗する意欲が高まっている。中国とロシアの友好関係は限定的だろう。習氏は戦いの終結を望んでいる。侵攻が続く限り、中国は3つの"難しい立場"に置かれる。1つはロシアとのパートナーシップの維持だ。同盟ではないが、近い状態にある。2つ目は中国の外交政策である領土主権や他国の内政に干渉しない姿勢だ。3つ目は西側諸国からの制裁を避けること。侵攻が続けば制裁の対象になりかねない」
また今回のウクライナ侵攻が、中国による台湾侵攻を誘発するのではとの懸念も出る中、ダンスト氏はこう分析します。
「ウクライナ危機が強まるほど、中国は台湾を恐れて見るようになる。中国はロシアに対して西側諸国が結束して対応していることに驚いている。台湾の軍事力はおそらくウクライナよりも強く、自己防衛への意識は以前より高まっている。アメリカのバイデン大統領も台湾を防衛するとしている。習氏はロシアの侵攻を見て、台湾に侵攻するのはまだ早いと認識したはずだ。中国が軍事力を高めるか、テクノロジー依存を減らさない限り、台湾侵攻はない」