続いて元中国人で、現在は大阪のおっさん(日本人)という石さんは、「台湾有事にまず備えるべき」と主張。今後数年以内に中国が台湾を占領しようする台湾有事は現実的にあり得る話になってきているという。
台湾有事が万が一起きてしまった場合、台湾を守るために米国軍が出動することになる。その時に、日本が自衛隊を派遣しない場合は、日米同盟が崩壊し、米国との関係が最悪になってしまう。一方で、自衛隊を派遣した場合は、中国と戦争状態に突入することになる。日本としてはどちらにしても避けたい状況である。
そのような最悪なシナリオにならないためにも台湾有事を未然にどのように防ぐかが、今後数年間で最重要政策になると石さんは主張。
台湾有事は、すでに昨年6月のG7でも議題に上がるほど現実的に迫りつつある脅威になっており、急いで対応することが求められているという。対応策の1つとして、松川さんが説く抑止力強化は非常に重要であり、習近平氏への強いメッセージになるという。
中国の経済崩壊は間近?
石さんは、松川さんが主張する「10年間やり過ごす」という意見にも賛成のようだ。中国の経済が発展し、中産階級が増えれば中国は変わるという期待はすでに外れてしまっているが、これから10年後の中国は変わっている可能性が大きいという。
理由の1つは、経済成長の失速。急成長するGDPの多くの割合が実は不動産投資やその関連市場で、すでにこのバブルは崩壊しかけているという。また、HuaweiやアリババのようなIT巨人の成長も、共産党の規制などもあり下降傾向にあるそうだ。
もう1つの理由は、人口動態。中国の成長を支えていたのは巨大な人口であるが、一人っ子政策などによって少子高齢化が急激に進んでいるという。日本も同じく、若者が減り、高齢者が増えれば経済も国力も急激に失速してしまう。
上記2つの理由を踏まえて10年後の中国は今の姿と異なっているかもしれないという。松川さんも2030年には中国がアメリカを凌ぐ国家となるが、2050年にはまたアメリカが抜き返すという調査結果もあると付け加えた。
とはいえ中国が巨大国家であることは間違いなく、急に崩壊することは考えづらい。また経済力が下がっても軍事力が下がるとは言い切れないので、日本の国防力の増強はいずれにせよ必要だそう。
中国、なにそれ?
最後の主張は我らが成田さん。書いてあるのは「中国、なにそれ?」とのこと。成田さんらしいトンチが利いた回答だが、日本国民の多くはこう考えているという言葉を代弁したそうだ。
たしかに、台湾有事だの日米同盟だのと言われても多くの国民は興味がない。税金が軍事力強化に使われるくらいならば、日々の消費税を下げてくれた方がよほど嬉しい人は多いだろう。
では、どのようにしたら、日本国民が中国の脅威を自分事化して考えることができるのだろうか。最大の課題は「国防に無関心な日本国民の目を向けさせる方法」。これが成田さんの主張のようだ。
そして、その課題を考える上でどうやら我々マスコミにも問題があるようだが、続きは本編でーーー!
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※番組情報
【成田悠輔×田村淳】台湾有事はもう目の前!?…習近平へメッセージを送れ!【クリエイティブ政策談義】
出演:
田村淳(ロンドンブーツ1号2号)
成田悠輔(半熟仮想株式会社代表、イェール大学助教授)
ゲスト:
松川るい(参議院議員)
石平(作家)
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