18歳年の差恋愛を演じ注目度急上昇!20歳になった板垣李光人の素顔:シジュウカラ

テレ東プラス

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仕事と家庭に行き詰まりを感じる40歳の売れない漫画家と18歳年下の青年との恋......許されない関係が引き起こす愛憎を生々しく描くサスペンスフルなラブストーリー、ドラマ24「シジュウカラ」(毎週金曜深夜0時12分放送)。主人公・忍(山口紗弥加)の漫画アシスタントとして接近し、彼女を翻弄していく青年・千秋を演じる板垣李光人が話題を呼んでいる。

暗い過去を抱え、不穏で放っておけない危うさを漂わせる千秋を魅力的に演じる板垣さんに、大人の恋愛劇に挑む心境から、後半の見どころなどをインタビュー。今年1月、20歳になったばかりの素顔に迫った。

サイコな千秋は思惑通り

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――物語も中盤を迎えましたが、放送が始まってからの周囲の反響をどのように感じていますか?

「千秋は22歳ですが大人になりきれていないところがあると思ったので、子供っぽさを表すために食べ方や、靴のかかとを踏むなどの小ネタを仕込んで演じました。それを気づいていただけたのはうれしかったですね。大九(明子)監督が捉えていた千秋像が、僕が考えていたよりもサイコで、『ここまでいくんだ』という感覚で演じていましたが、視聴者の方もサイコな千秋に驚いたようで。演出の思惑と視聴者の印象が一致していると思いました」

――千秋の母親・冬子(酒井若菜)のかつての浮気相手が、忍の夫・洋平(宮崎吐夢)で、千秋は家庭を壊されたことから復讐心を持って忍の家族に近付いていきます。複雑な感情を抱く千秋を演じる上で、どんなところが難しかったですか?

「忍への思いが憎悪から恋心へ変わっていくところは、そういう感情は紙一重なのだと思いました。千秋は僕の中では子供っぽい人で、母親との関係や、それを忍に重ねているのではないかというところなど、複雑な感情の織り交ぜ方は難しかったですね」

――忍と千秋は18歳差の恋愛ですが、板垣さん自身は年上の女性との恋愛を考えたことがありますか?

「恋愛に年齢は関係ないし、好きになった人がタイプだと思っています。千秋の忍に対する思いは単なる恋心ではなく特殊なのですが、実際の18歳差の恋愛って"どんな感じなんだろう?"と、想像がつかないところもあります」

――2月18日(金)放送の第7話より、5年後の世界が描かれます。現在20歳になったばかりの板垣さんが、ご自身よりかなり年上の22~28歳の千秋を演じるにあたって、気を付けたことはありますか?

「22歳の千秋は、複雑さはありながらも個人的にはつかみやすい人間でした。5年後、28歳になった千秋は、正直、全然つかめなくて。22歳の時に忍とのことがあってから、5年の歳月で彼にどういう変化があり、どういう人間として生きることにしたのか、そこに行き詰まって。28歳としての千秋の在り方は、大九監督と相談して、やってみながらつかんでいったのですが、それでも霧をつかむかのような難しさがありましたね」

――大九監督の演出は、いかがでしたか?

「大九監督は僕が考えるより3歩4歩以上先の表現方法を提案してくださるので毎回刺激的で、こうした表現方法を知ることができてよかったです。例えば、千秋がバイト先の厨房で同僚と話しながら包丁を研ぐシーンで、大九監督に『"殺しましょうか"と言ってみようか』と言われて、『おおっ!』と衝撃を受けました。その後、千秋が家で漫画のネームを描くシーンがあって、ネームに『殺しましょうか』とタイプするんです。それが冬子に対しての気持ちにも繋がってくる。こうした演出はすごいと思いました」

――千秋のように複雑な感情を抱える重い役柄を演じている時は、私生活にも影響がありますか?

「ないですね。パーッと忘れちゃうんです(笑)。撮影後、帰り道では少し役が残っていたりしますが、家に着いた途端になくなります。家に入ることが、切り替えのスイッチになっているのかも」

――ドラマも後半に突入。忍と千秋が一体どうなるのか、気になります。最終回に向けての見どころを教えてください。

「前半で各登場人物の物語が描かれて、それから5年の月日を経て、それぞれ状況や心境が変わっている登場人物たちが、どんな選択をしていくのかがポイントだと思います。それが正解かどうかではなく、彼らがどのように必死に生きた上で見出した答えなのか――そこが視聴者の方にヒリヒリとしながらも染みるようなものになっていると思います」

仕事場の大人といる方が楽しかった

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――板垣さんは先日(2022年1月28日)、20歳を迎えられました。板垣さんが思う理想の大人像は?

「今は芝居やいろんな表現をやらせてもらっているので、その方向を続けていければと思っています。これからいろんな人生経験をして、より豊かな、年相応の余裕が身についていれば理想的ですね」

――その方向=このお仕事を続けていきたいと思ったのは、いつ頃からですか?

「2歳ぐらいからモデルとして芸能活動での表現をしてきたので、"ずっとこういう道にいるんだろうな"と漠然と思っていました。その中で、さらに強く思うようになったのは、ドラマ『ここは今から倫理です。』(2021年1月~3月、NHKにて放送)で、愛着障害を持つ生徒役を演じてからです。たくさん感想をもらい、自分がこの役と視聴者をつなぐ役割になって、視聴者の方がいろんなことを感じたり救われることになるんだと実感して。それが役者の面白さであり不思議なところだと強く感じ、これからもやっていくんだろうなと、改めて思いました」

――幼い頃からこの世界で仕事をしてきた中で、表現することを止めたいと思ったことはないんですか?

「ないですね。事務所に入ったのが小6ぐらいで、そこから芝居を始めて。中学高校に通いながら撮影現場に行っていましたが、仕事場は楽しかった。それも仕事を辞めようと思ったことがない理由の一つかもしれません。経験豊富で、いろんな物を見てきた大人の方と一緒にいたり、話したり、仕事をするのがうれしかったんです。今は、同世代の人が何を考えているのかを知るのが楽しいですよ」

――表現のひとつとして"絵"がお上手で、Instagramやメディアでステキなイラストを披露されている板垣さん。今回の漫画家の役で、お芝居に活かせた部分はありましたか?

「活かせたと思います。大九監督は細部までこだわっていて、例えば家のセットにもちゃんと血が通っているようにしたいとおっしゃっていました。なので、漫画を描くシーンで手元が映る時は、僕の持っている知識と情報で『この状況ではこうなると思います』とか、いろいろ提案させていただきました」

――板垣さんが絵を描きたいと思うのは、どういう時ですか?

「割と衝動的ではあります。音楽とか映画、いろんな作品に触れてインスピレーションを得て描きたくなることもありますし。最近は、仕事で描かせてもらうこともあって、それは是が非でも描かないといけないですね(笑)」

――ストレス発散になりますか?

「絵は逆にストレスになります(笑)。自分の技量のなさだったり、絵に対して悩むことも多いので。それでも描くんですけど......ドMですよね(笑)」

――ではストレス発散になることや、プライベートでハマっていることは?

「休みの日は買い物に行くか、映画を観るか、ですね。最近は携帯のパズルゲームにハマっています。アイテムが1時間無限で使える時とか、すごい勢いでやっています(笑)」

――いろんな形での"表現"に楽しみややりがいを感じている板垣さんが、今後挑戦したい表現活動は?

「服を集めたり着たりするのが好きで、ゆくゆくは服飾の勉強をして自分で作りたいと思っています。あと、今は自分が被写体としてメイクされて衣装を用意してもらう立場ですが、誰かのメイクやスタイリングをしてみたいですね」

【プロフィール】
板垣李光人(いたがき・りひと)
2002年1月28日生まれ。2歳からモデル活動を行い、10歳から俳優業をスタート。主な出演作に、「仮面ライダージオウ」(テレビ朝日系)、「神酒クリニックで乾杯を」(BSテレ東)、よるドラ「ここは今から倫理です。」(NHK総合)、大河ドラマ「青天を衝け」(NHK)、映画「約束のネバーランド」(2020年公開)など。
公式サイト
Instagram:@itagakirihito_official
Twitter:@itagaki_rihito

スタイリスト:百瀬豪
衣装:ジャケット/参考価格/カーディガン/62700円/カットソー/19800円/タックバミューダショーツ/参考価格/以上全てAMI PARIS/AMI PARIS JAPAN(03-3470-0505)
ヘアメイク: 進藤 郁子(TRON)

(取材・文/伊沢晶子)

2月18日(金)は深夜0時22分から放送。ドラマ24「シジュウカラ」第7話は?

第7話
時は進み、忍(山口紗弥加)は45歳になった。5年前、洋平(宮崎吐夢)が倒れたことで離婚は流れた。漫画家としては順調にキャリアを積んでいるもののマンネリ感は否めない。一方家では息子が家を出て洋平との二人暮らしとなり、どこか空虚な日々。そんな中、漫画編集者で高校時代の元カレ・岡野(池内博之)と再会。何かを抱えたもの同士、次第に意識し始める二人だが...。新たな物語が動き始める。