島に”元組長の親分”と”ウエディングドレス姿の女性”が現れた!「東京放置食堂」をプレイバック!

公開: 更新: テレ東プラス

【第4話】

ジェット船の待合所で、ウエディングドレス姿の鶴見美咲(前田敦子)が不安げな表情で電話をかけている。電話が繋がらず首を傾げていると、南波がやって来て「どうしたんですか?その格好」と尋ねる。

「これから結婚式?」

「…ではないんですけど、それに近い感じですかね」

照れつつも、どこか嬉しそうな美咲。しかしすぐに表情が曇り、南波は話を聞くことに。婚約者の“純ちゃん”が、「故郷の島でウエディングフォトを撮りたい」と言ったため、ウエディングドレス姿でジェット船に飛び乗ったという。

しかし、島で待ち合わせていたのに、肝心の彼がいない。何度電話しても留守電なので、南波の提案で彼の実家に電話してみることに。しかし繋がったのは『くさやの小宮山』。「純ちゃんって人は、うちの工場にはいませんね」と聞き、慌てて電話を切る美咲。番号を写し間違えたのかと思い、ウエディングフォトの写真館に電話をかけるが、今度は公衆電話に繋がり、たまたま近くにいた日出子が出た。

「ここ電話ボックスだけど。私の名前は真野日出子。あんた何者?」

美咲はまたもや慌てて電話を切る。そして約束の場所があったことを思い出し、そこへ行くことに。南波のタクシーに乗って辿り着いたのは、火山灰に火山岩がめりこんだ跡地。目前には荒々しい海が広がり、呆然と立ち尽くす美咲と、「ここが約束の場所…?」と戸惑う南波。

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「海をバックに写真を撮ろうって…」

「いや〜ここでウエディングフォト撮ろうなんて人、地元じゃいないよ?」

「でも純ちゃんが…」

「ちょっと言いづらいんだけど、もしかしたらその純ちゃんって男…」

南波が言いかけた時、「分かった!」と叫ぶ美咲。きっとサプライズ好きの彼が、自分を喜ばせようと隠れているのかもしれない。そう思いながら必死に探すも、どこにも見当たらず、イライラしながら島内を歩き回る。

すると、そこに日出子が通りかかり、美咲は事情を説明することに。日出子は西浦や渚を呼び寄せ“純ちゃん”に心当たりがないか尋ねるが、誰も知らないという。

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「騙されてんじゃない? その男に」

ズバッと言う渚。半年以上交際してプロポーズされたし、免許証も見せてもらったと否定する美咲だが、出会いはマッチングアプリだという。

「名前も本名か分からないよね。免許も簡単に偽造できるよ、詐欺師なら。実家も写真館も全部嘘だったんでしょ? どう見ても結婚詐欺じゃん」

ズバズバ指摘する渚だが、美咲は取り合おうとしない。自分一人で“純ちゃん”を探そうとする美咲を、南波が「タクシーのお金!」と呼び止める。

「ちょっと今、手持ちがなくて」

「じゃあ、銀行寄りましょうか」

「…ないんです、銀行にも。昨日、結婚式の前金払ったから…」

「払ったって、まさか…!」

「純ちゃんに渡したの?」

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弱々しく頷く美咲。本当はもう騙されたことに気づいていた。その場にしゃがみこみ、声を上げて泣きじゃくるのだった。

夜。北野が風待屋を訪れると、ドレス姿の美咲がビールをラッパ飲みしていた。見かねた日出子が料理を出すと、美咲は「田舎くさい。見た目もパッとしないし、こんなの東京じゃ売り物にならないよ」と悪態をつくが、そんな言葉とは裏腹に次々と料理を平らげていく。

「つらい時こそ、ちゃんとメシ食った方がいいんだよ」

最初は微笑ましく見守っていた一同だが、あまりの食いっぷりに呆気にとられる。すると、スマホの画面を見せながら一方的に純ちゃんの話を始める美咲。画面に映っているのは、いかにも胡散臭い感じの男だ。

「小野純一、25歳。広告代理店勤務。年下だけどしっかり者で礼儀正しくて。でも私の前では甘えん坊なんだよね」

「…だからいないって、そんな人」

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冷めた渚を無視し、「この人が私の王子様だって確信した」とうっとりする美咲。彼の理想の女になりたくて服もメイクも髪型も体型も変え、大好物のカレーを作るためにインド人の料理教室にも通ったという。

「ダサすぎるでしょ、男に合わせて自分曲げるなんて」

「ニーズに合わせなきゃ社会回んないから。島の子には分からないだろうけど」

と返す美咲。一触即発の雰囲気を変えるように、北野は「なぜそんなに結婚したいのか」と尋ねる。王子様と出逢って結婚するのが小さい頃からの夢で、理想はハワイでのハネムーン、そう嬉しそうに語る美咲だが、目の前にあの白い煙が漂ってくる。日出子がくさやを焼き始めたのだ。

「くさ! ちょっとやめてよ!」

「それはこっちのセリフ。フラれた男の話はやめて、つまんないから」

戸惑う美咲の手をとり、貯氷庫へと連れて行く日出子。

「なに!? ここ。お店の奥にこんなところがあるなんて」

「気づかなかったでしょ? 上っ面の綺麗なとこだけ見てるから」

「!」

「人生はおとぎ話じゃない。誰だって臭いもの、汚いもの、人に見られたくないものを奥の方に抱えてる。結婚っていうのはさ、そういう相手の弱いところを全部丸ごと受け止めることなんじゃないの? 私はそう思う。結婚、一度もしたことないけど」

「……」

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店内に戻り、粛々とくさやを食べ始める美咲。「くさい…美味しい」と言いながら、凛とした表情で噛み締める美咲の姿に、「ヒデさん、何したの?」と尋ねる北野。

「別に? おとぎ話の裏側を見せてあげただけ」

閉店後。店の2階では、渚の隣で美咲が寝ていた。「幸せになりたい」と呟く美咲に、渚は「幸せって?」と聞き返す。

「わかんない」

「私も…。でも、くさや食べてる美咲さん、格好良かったよ」

「…ありがと」

翌朝、港には私服姿の美咲が立っていた。日出子が来て、乗船券を渡す。給料が入ったら代金を返すと約束する美咲だが、昨日眠れたのかという問いには「全然。新しい恋探してたから♡」と答える。どうやら、寝ずにマッチングアプリに励んでいたようだ。

「懲りないねぇ」

「結婚式の招待状、送りますね」

「期待しないで待ってるよ」

美咲は本土へと帰って行った。

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数日後、桟橋でコロッケをほおばる日出子。そこへ渚が来て、美咲からお金が届いたことを告げる。新しい彼氏ができたことも。「もう!?」と驚く日出子にスマホの画面を見せる渚。映っているのは、アラブの富豪風の外国人。

「ドバイの石油王の一族。リアルに王族だって」

「もうほっとこう、あの子は」と呆れる日出子。

「でもどうしよう、本当に結婚したら。ドバイじゃ結婚式行けない。私、飛行機乗れないし」

「知らないよ、そんなの」

「せめてお祝いにくさや贈るか?」

「あんなくさいの贈ったら、戦争になるよ」

苦笑いする渚だった。

10月13日(水)深夜第5話のあらすじは…。

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視察のため大島にやってきたのは、都議会議員の白鳥真澄(濱津隆之)と秘書の久田晶(小宮有紗)。役場の担当者の代わりに、くさや工場の北野(松川尚瑠輝)が二人を大島の観光地へ案内することに。しかし、白鳥は予定にない視察をいれ、自分勝手に行動してしまう。

久田が注意をするも、全く聞く耳を持たない白鳥。白鳥は、地元の人が集まる店で、郷土料理を食べて話を聞きたいと、また予定にない視察を入れる。北野は、真野日出子(片桐はいり)のいる「風待屋」へ案内するが…。

その頃、日出子は、西浦(梅垣義明)がいる店に魚の仕入れに来ていた。選んだのは、夏が旬のタカベ。値切ろうとするが、応じない西浦。
「いいよ。その代わり、今日からウチの飲み物も3割値上げします」という日出子の言葉に、西浦はしぶしぶ値下げし、「あんたいつか刺されるよ、こんなことばっかりしてると」と告げる。

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