毎週金曜よる10時からTBS金曜ドラマ枠で放送中の北川景子主演ドラマ『リコカツ』。6月4日に放送された第8話の終盤、互いの幸せを願うあまり本音を隠して再び別れることになってしまった咲(北川景子)と紘一(永山瑛太)。6月11日(金)放送の第9話ではそんな二人が思いを秘めたまま新たな一歩を進みだすためにとある決意をする姿が描かれることに。今回、物語終盤に向け、植田博樹プロデューサー、吉藤芽衣プロデューサーに見どころやドラマの制作秘話などを聞いた。
新しい家族の形を提示していきたい
――物語も終盤ですね。咲と紘一はどうなっていくのでしょうか?
植田:離婚から始まるラブストーリーと銘打っているので、第7話以降は離婚した咲と紘一のラブストーリーを中心に作っています。今作では出演者とセッションをすることが多くて、北川さんや瑛太さんから「こういうラストにしたい」などのリクエストとかも伺いながら台本を作り上げてきました。
吉藤:お2人もすごいキャラクターに感情移入していただいてる部分が多くて、だからこそ現場で我々プロデューサー、監督含めディスカッションを行う毎日なので、2人の結末にご期待いただければと思います。
――これまでの撮影を通して改めて感じた北川さん、永山さんの魅力は?
植田:SNSなどでは瑛太さんのお芝居がすごく注目されているんだなというのを感じているのですが、瑛太さんはいろんなバリエーションの演技プランを考えてくださって、北川さんと一緒にディスカッションしてるんです。お互いに「このお芝居面白い」とか「面白いというよりはちょっと引いちゃうかな」など、撮影の合間に話し合いをしてらして。その結果を僕らのところに提案してくださるので、そういうのも反映して撮影を進めてきました。愛情を持って撮影に臨んでくださっているのを感じるので、本当に感謝しています。


――これまでで一番苦戦したシーンは?
植田:1話の救出シーンはロケーション的に一番大変でしたね。ヘリを使った撮影して、場所を変えつつ何回も雪山の撮影に行って、CGでエフェクトをかけ直したり・・・第1話から苦戦しました(笑)。実は最初は船で運命の出会いのシーンを描く予定だったんです。座礁した船から紘一が咲を救うというシナリオを思い描いていたんですが、監督から「それは撮影できません」というツッコミがありまして(笑)。それで雪山に変えたんですけどこちらも大変でしたね。
雪山のシーンは物理的な大変さなんですけれど、お芝居で言うと第6話が一番シリアスで緊迫感のある撮影になったんじゃないかと思います。第6話は小牧桜さんという連続ドラマを撮るのが2本目という若手の監督が担当しているのですが、咲と紘一、お互いのデリケートなポイントをついていく場面だったので、俳優さんの力も借りながらその繊細さを描いていくことに力を入れました。
――咲と紘一の両親もそれぞれ離婚してしまいましたが、“熟年離婚”ということで咲と紘一の関係とも意味合いが変わってくると思うのですが、今後この二組についてはどう描かれていくのでしょうか?
植田:お恥ずかしい話なんですけれども「自分が定年になったらどうなるだろう」ということをある先輩と雑談している時に「お前は捨てられるよ」と即答されまして(笑)、そこから始まった企画なんです。だからそれぞれのご両親の関係というのはプロデューサーの僕としては強く描きたい部分でもありました。

植田:どちらもバブル時代に結婚した夫婦なんですけど、いろんな価値観の中で揉まれた世代なのではないかと思うんですが、それが三石琴乃さん演じる美土里というキャラクターに投影できているのではないかなと。宮崎美子さん演じる薫は逆にバブルの恩恵を受けなかった地方の専業主婦の方を取材して作り上げたキャラクターなんですけれども、劇中ではタイプの違う二人がそれぞれ自分たちらしい生き方というものを考えて“離婚”という形で自分の人生にひとつのくさびを打ったんですよね。二組の夫婦には「自分たちの価値観で生きていってほしい」というメッセージを込めていて、何が正しいのかは自分たちが決めることだということを伝えていければと思います。
――ありがとうございます。改めて終盤に向けての見どころなどを教えてください。
植田:結婚した方々の3分の1が離婚していると言われていますが、離婚はマイナスなことなのか、紙切れ1枚で縛られた関係は意外と強いんじゃないか、離婚という形を取っているからこそ良い距離感が生まれるのではないか・・・など色々な価値観があると思います。劇中で紘一は同居できないと夫婦でいられないとこだわってましたが、仕事と家庭を両立することを考えたときにその答えは一つじゃないなと。さまざまな新しい家族の形を提示できたらと思って一生懸命考えてきたのでその思いを受け取っていただけたら嬉しいです。それぞれの家庭がハッピーだと感じる終わり方にしたいなと思っています。
吉藤:『リコカツ』というタイトルなので、”離婚に向けた準備活動“と考えたら6話で離婚しているのですが、実は離婚した後の方がそれぞれが「夫婦ってなんなんだろう」「結婚って何なんだろう」と改めて考えていくストーリーになっています。ある意味そこからが本当の“リコカツ”というか…3組、リコカツをしていた夫婦がいますが、それぞれが新しいパートナーの形を見つけていく最終回になっていくと思います。視聴者の方々に共感していただけるメッセージがたくさん詰め込まれていると思うので、3組がどういう結論を出していくことになるのか楽しみにしていただけたらと思います。
番組概要
[番組名]
金曜ドラマ『リコカツ』
[放送日時]
毎週金曜よる10:00~10:54
[内容]
“交際ゼロ日”でスピード結婚した現代的で自由な家庭で育った自分に正直な女性・咲(北川景子)と、厳格な自衛官一家で育った航空救難団のエース隊員・紘一(永山瑛太)を中心に、現代ならではの価値観と時代が変わっても普遍的な男女のもめ事を「リコカツ」というキーワードを通じて描き出していく大人のラブストーリー。