毎週金曜よる10時からTBS金曜ドラマ枠で放送中の北川景子主演ドラマ『リコカツ』。今回、航空自衛隊航空救難団の副パイロットで紘一(永山瑛太)に思いを寄せる一ノ瀬純役の田辺桃子にインタビューし、本作の見どころや北川&永山の印象、純を演じる上で意識していることなどを聞いた。
第7話は純としてのターニングポイントだった
――毎話、一ノ瀬純に注目が集まってますが、純についてどのような人物と捉えて演じられてますでしょうか? また、演じてみていかがでしょうか?
純は真っすぐで凛としているかっこいい女性なんですけど、生きるのが下手くそで、真っすぐが故に沢山失敗してしまう側面がある子だなと思っています。完璧に見えるけど完璧じゃないかわいらしさもあるのかなと。
芯がある女性なのでその部分は演じやすいなと思うんですが、気持ちの強さや行動力の素早さは、私とは違う部分なので演じていて難しいなと感じることもあります。例えば、咲さんに「緒原一曹にもっと尽くしたほうがいいんじゃないか」と言ったり、緒原一曹のお家に謝りに行ったり、行動力がすごくある子なんだなと。私自身も思ったことはストレートに言うタイプではあるんですけど、純の中で貫いてるポリシーやルール、揺るがない真っすぐさがあって強い女性だなと感じます。
――毎話、SNSで話題になっていますが反響はいかがですか?
台本を読んだときに私自身も衝撃が強くて「おぉ…」となることがあって、自衛隊チームの皆さんにも「純、やばいじゃん」と声をかけていただいたりします(笑)。
純は真っすぐすぎるが故に勘違いされやすいのだと思うんですが、多分生きてる中でこれまでにもそういうことが沢山あったと思うんです。生きづらいなっていうのを感じてて、絶対嫌われやすいだろうし、すぐに敵を作ってしまったりするタイプなんだろうなと演じていて感じます。
第2話のキャンプ場でのことも遭難させたくてしたわけではなくて、純がサバイバルの知識を沢山持っていることもあって「緒原一曹と結婚するからには妻として当然できる」という基準が純の中であるんです。その基準で考えてしまうから、周りから見たら「え、なんでそんなことするの」と思われてしまう。
純の中ではそれができて当然と思ってるので、ちょっと試してやろうじゃないですけど、少し困ればいいやと思ってやってしまったんです。でもよくよく考えたら何も知識もないのだから遭難してしまうよなというのを、後になって気付くんです。これは紘一さんへの強い思いも関係してしまってるのかもしれません。純のキャラクターの特徴のひとつで、やってしまった後に「私はやってしまったんだ」と思うことが多いんです。第7話では緒原一曹のお家に伺うんですけど、そういう「これはやりたかったことではない」ということに対する罪悪感や後悔の念からわざわざ水戸まで会いに行ったんじゃないかなと思います。
衣装合わせのときに監督やプロデューサーさんと純のキャラクターについてお話ししたんですけど、純自身は男っぽいところがあって、男性が多い職場で働く芯の強さがある。だから咲さんに対してしていることがねちっこい嫌がらせだとは多分思ってないんです。他の人から見たらありえないと思うことや「嫌な女性」と思われがちなことをしてはいるんですけど、純自身はそういうつもりではなく、純の真っ直ぐさや芯の強さゆえの、突っ走ってしまう猪突猛進な性格というのを伺ったので、そういう部分を意識して演じています。
――自衛官の役ということで演じていて大変なことはありますか?
1話の基地での訓練のシーンはすごく大変でした。装備などがすごく重くて、3、4kgくらいあるベストとパイロットなので地図などが入ってるカバンやその他にも…それを持って全速力で走るのに苦労しました。自衛官の方はそれを当たり前のように軽々持って、さらに救難活動もされているんだよなと思ったら、やっぱり皆さんすごい方々だなと。身をもって痛感しました。
あと役でいうと私が上から2番目の位なので号令をかけるんです。訓練の前と後に会議があって、そこで号令をかけるときに、各所から「ちょっと声が小さいので、大きめでお願いします」という意見をいただきました。自衛官の方に直接教えていただけたんですけど、鳥肌が立つような空気をピシャっと変えるぐらいの声量で、「これじゃいかん!」と思って頑張ってやりました。

――主演・北川景子さんと永山瑛太さんのご印象は?
北川さんはご一緒できるシーンが少ないのですが、オンエアを見て「純ちゃんのこの感情難しいよね」とか純目線の意見とかお話とかたくさんしてくださるので「もっと頑張ろう!」といつもパワーをいただいてます。
瑛太さんはすごく優しくて、懐の深さがあってどっしり構えてくださっているので話しやすくて。最初は緊張して「完璧にやらないと」と肩ひじを張ったりしてたんですけど、瑛太さんのおかげでリラックスできるようになって、自分がやりたいことを1回瑛太さんにぶつけてみようと考えられるようになりました。「ここはもうちょっとリラックスしてやってみたら」などアドバイスもしてくださって、その日にメモをして、いつでも見返せるようにしています。
――これまでで特に印象的だった場面は?
7話で純が緒原一曹に今までの悪事を白状するシーンは、私自身やっとこの気持ちを緒原一曹に言えるんだというのが嬉しくて、自分にとっても大きな通過点、純としてのターニングポイントの一つだと思ったので、印象的です。瑛太さんからアドバイスをいただいたりしながら、大事に演じたシーンだったので、純の素顔、本音がきちんと伝わっていたらいいなと思います。
――紘一、貴也、連、この3人だったら、田辺さんの中でどの男性が一番魅力的でしょうか?
難しいですね…(笑)。でも個人的には緒原一曹でしょうか。多分現実的にああいう方がいたら、とても面白いと思うんですよね。真っすぐですし、自分が予想もしてない答えが返ってきたり、意表をつく考え方が面白くて。突っ込みどころ満載でも面白いデートが出来るんじゃないかなと思いました。

――最後に視聴者へのメッセージをお願いします。
第7話で純の秘めていた気持ちをついに緒原一曹に伝えることができて、咲さんの方も貴也さんや連さんが動き始めました。『リコカツ』のキャラクターがそれぞれ揺れ動いたり、ぶつかったり、していくので、みんながどうやって動いていくのかに注目してほしいです。
また、純は気持ちを伝えて、まだ答えをもらってないので、その状態で純が何を大切にして、何を貫くのかっていうのを楽しみに見てほしいなと思います。
番組概要
[番組名]
金曜ドラマ『リコカツ』
[放送日時]
毎週金曜よる10:00~10:54
[内容]
“交際ゼロ日”でスピード結婚した現代的で自由な家庭で育った自分に正直な女性・咲(北川景子)と、厳格な自衛官一家で育った航空救難団のエース隊員・紘一(永山瑛太)を中心に、現代ならではの価値観と時代が変わっても普遍的な男女のもめ事を「リコカツ」というキーワードを通じて描き出していく大人のラブストーリー。