割れないグラスってどういうこと?
落としても投げつけても割れないsid(エスアイディー)株式会社のグラス。
ガラス製のグラスのように見えますが、「Hare hare(ハレハレ)」という新素材のプラスチックで作られています。このハレハレには、ガラスを超えた3つの特徴があります。
特徴① 柔らかくて軽い
特徴のひとつは、手で形を変えられるくらい柔らかいこと。形状記憶なので、歪んでも置いておけば元に戻るスグレモノです。

そのうえ軽さはガラスの約1/3。グラスだけでなく、大きなシャンデリアもハレハレを使えば約8kgと、女性でも持てる重さで作ることができます。
特徴② 熱を通しにくい
まるで魔法瓶のように、熱を通しにくいという特徴もあります。
100℃の熱湯をガラスのグラスに入れると熱くてさわれませんが、ハレハレのグラスなら問題なく持つことが可能です。

特徴③ ガラスより透明
ガラスや、一般的なプラスチックよりも透明性が高いのも、特徴のひとつ。文字の上にグラスをかざしても、くっきりと文字を読み取ることができます。

驚きの新素材・ハレハレは、グラスのほかにも様々な場面での活躍が期待されています。たとえば、破損しにくく安全で耐熱性もあるため、スマホのボディに使えば、割れにくくなりバッテリーで熱くなるのを防ぐことも可能です。
また、丈夫で軽量なため医薬品・化粧品の容器にもぴったり。輸送コストを抑えることにも繋がるため、用途が広がりそうです。
不思議なグラスはなぜ作れるの?
ガラス製品は、熱したガラス樹脂に職人が息を吹き込んで作るのが一般的ですが、ハレハレの場合は、シリコンの型にどろどろの樹脂を流し込んで作ります。
しかしシリコンの型にただ樹脂を流すだけでは、どうしても中に空気が入ってしまい、透明になりません。

そこでsidは、高真空(真空に限りなく近い状態)を作るマシンの中で、グラスを成型。樹脂を流し込む際に空気が入らないため、超透明なグラスを作ることができます。
実はsidの社長は、世界でもトップクラスの高真空を作る達人。世界中でsidだけが持つ技術によって、ハレハレは製造されています。
革新的なビジネスを表彰するフジサンケイビジネスアイ主催の「革新ビジネスアワード2020」で大賞を受賞したsidは、年間売上げ約6億円と絶好調です(※2021年5月放送時点)。
がっちりマンデー!!
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