TBSで毎週日曜午後6時から放送中の『世界遺産』。1996年4月に放送を開始した本番組は、この4月に25周年を迎える。記念すべき節目にあたり、4月4日(日)の放送では特別企画「空から見る京都四季の絶景」をお届けする。
「古都京都の文化財(京都市、宇治市、大津市)」は、1994年に17の構成資産で世界遺産に登録された。今回は、そのうちの10件の寺社・城郭を1年がかりで、ヘリコプター空撮・ドローン撮影をメインに撮影した。
これまで京都ではドローン撮影の許可が下りない所も多かったが、粘り強い交渉の結果、今回は特別に許可を得てさまざまな名所をドローンで撮影。滅多に見られない京都の姿を紹介する。
秋の嵐山や紅葉の名所・高山寺など、四季折々の「空から見る京都」の美しい映像もお見逃しなく。
みどころ
◎日本庭園の傑作をテレビ初のドローン撮影
今回、特別な許可のもとテレビ初のドローン撮影を行ったのが、嵯峨嵐山にある天龍寺。夢窓疎石が作った曹源池庭園は、嵐山や亀山を取り込んだ借景式庭園の傑作として有名である。特に秋の嵐山を借景とした庭は、紅葉に染まり、空から見ると一層美しく、庭園の造りもよく分かる。
また龍安寺の名高い石庭・方丈庭園も特別に許可を得て、テレビ初のドローン撮影。約75坪の白砂に大小15の石を配置、極端に抽象化された謎の多い庭である。
こうした日本庭園の傑作を、これまで誰も見たことのない低空からの映像で紹介。庭造りに秘められた謎に迫る。
◎蘇った「清水の舞台」をテレビ初のドローン撮影
昨年12月に13年がかりの「平成の大改修」を終えた清水寺も、改修後としてはテレビ初となるドローン撮影をすることに成功。面積およそ200平方メートル、檜の床板166枚を張り替え蘇った「清水の舞台」の全容を紹介する。
◎空から見る「京都という都市のつくり」
京都は風水によってつくられた都と言われるが、風水思想の四神相応(東西南北)それぞれにどんな地形と寺社があるのか、空から見ていくとよく分かる。西と北と東は山に囲まれ、その山々に世界遺産の寺社が点在している。
また東に流れているのが鴨川。この川に沿ってあるのが、都になる前の太古の森の姿をとどめる下鴨神社、そして上賀茂神社。このふたつの神社の関係を空から見ていく。
一方、南に流れているのが宇治川。この川をはさんで、鳳凰堂で有名な平等院と、現存する日本最古の神社建築である宇治上神社がある。
空から見ることによって、京都という都市がどのような地形の中で作られていったのかを解き明かしていく。
◎今回取り上げる10の寺社・城郭
・天龍寺 嵐山を借景にする夢窓疎石作の庭園で有名。
・高山寺 京都でも屈指の紅葉の名所。
・仁和寺 晩春に咲く、ここだけの御室桜(おむろざくら)で有名。
・龍安寺 有名な石庭をドローン撮影。
・清水寺 「平成の大改修」を終えた「清水の舞台」をドローン撮影。
・平等院 紅葉が美しい秋の鳳凰堂。
・宇治上神社 現存する日本最古の神社建築。
・下鴨神社 太古の姿を残す森と社。
・上賀茂神社 下鴨神社と対になる賀茂川沿いの社を空から撮影。
・二条城 城郭の全容をドローン撮影。近年見つかった明治維新の痕跡も紹介。
<プロデューサー・堤 慶太コメント>
番組ではこれまでも何回か京都を取り上げてきましたが、ヘリコプター空撮とドローン撮影を多用したおかげで、今回がもっとも都市の全体像や世界遺産である寺社・城郭の全体像がわかるものになっています。
またテレビ初となるドローン撮影もあって、私たち『世界遺産』スタッフでもこれまで見たことのないアングルで、京都の寺社が描かれています。有名なお寺の知られざる姿をぜひご覧ください。