天皇へのおもてなし料理
1626年、後水尾天皇は徳川幕府の招待により、京都・二条城を訪れました。世にいう「二条城行幸」です。天皇が滞在した5日の間に提供された料理の記録が、今も残っています。
食材は、徳川の威信をかけて全国から集められました。お膳には鯛・カラスミなどの高級食材が並んでいます。

また、多くの料理が器にこんもりと高く盛り付けられています。こちらは「すぎたか盛り」と呼ばれる盛り付け方で、“神様へのお供え”の意味合いがあるそうです。

すぎたか盛りで提供することで、“天皇への敬意”が示されているといいます。
なかには、ユニークな料理もあります。なんと、ナスの中に調理したシギの肉を詰めたあと…上に、はく製のシギの頭をのせています。

まるで“現代のゆるキャラ”のような見かけの一品です。
権力者の食膳に欠かせなかった、鶴
二条城でのおもてなしには、鶴の料理も並びました。古来、“千年生きる霊鳥”とされた鶴は、室町時代から権力者の食膳には欠かせなかったそうです。

5日間分の料理が描かれた巻物「後水尾天皇二条城行幸御献立絵図」は、広げると全長およそ20mにもなります。

そもそも将軍の京都滞在中の居城として、徳川幕府が建てた二条城。その城に天皇を招待することは、幕府の力を誇示するパフォーマンスでもありました。
幕府が勝負をかけたおもてなしには、当時の贅を尽くした驚きの料理が用意されていたのですね。
1/9(土)の『世界ふしぎ発見!』
世界ふしぎ発見!
土曜よる9:00~