青森県には、天然記念物に指定された「下北半島のニホンザル」が生息しています。かつては数が減少したニホンザルですが、近年では増加に伴い、農作物を荒らされる被害が問題になりました。
そこで荒らし対策として、ある野菜が注目されています。
ニホンザルが食べられない野菜とは?
その野菜とは、北米原産のマメ科の植物「アピオス」。地中に連なって成る実を、なぜかニホンザルは食べません。

サルたちが食べない理由として、生の実はアクが強いことや消化しづらくお腹を壊しやすいこと等が考えられるといいます。
アピオス自体は栄養価が高く、アメリカ先住民族たちのスタミナ源とされてきました。
人が食べる際には生ではなく、加熱して食べるのがおすすめです。

実際にニホンザル対策としてアピオスを栽培する青森県佐井村の人々は、素揚げにして味を楽しんでいます。火を通すことで甘みが強く出て、まるでサツマイモのようなホクホクとした食感で美味しくいただけます。
アピオスが日本にやってきたのは、なぜ?
そんなアピオスが日本で栽培されるようになったのには、意外にも青森の名物「りんご」が関係していました。

現在食べられている「西洋りんご」が日本に普及したのは、実は明治時代のはじめです。りんごの苗木をアメリカから輸入した際、土にアピオスが紛れていました。そうした経緯から、りんご作りがさかんな青森でアピオスが栽培されるようになったそうです。
偶然アメリカからやってきた野菜アピオスが、人とニホンザルとの共生に役立っています。

11/28(土)の『世界ふしぎ発見!』
世界ふしぎ発見!
土曜よる9:00~