斬新すぎる「ザクとうふ」が生まれたワケ

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ザクの豆腐はナゼ生まれた?

「ザクとうふ」は、機動戦士ガンダムに登場する「ザク」をモチーフにした、ユニークな豆腐。30~40代の男性が好む枝豆と冷ややっこを合体した、“枝豆豆腐”です。

ザクとうふザクとうふ

この豆腐を作ったのは、1951年創業の老舗豆腐メーカー「相模屋食料」。2013年に売り出したところ、1か月で100万丁を売り上げ、大ブレイクしました(※現在は販売終了)

これまで豆腐は、“老若男女誰もが食べられるものでなくては”というのが一般的でした。
対して相模屋食料では、“誰にでも良いものは、実は誰も欲しくないもの”という現社長の考えに基づき、「ターゲットをあえて絞った豆腐作り」という戦略で、ザクとうふをはじめ斬新な豆腐を開発。

ビヨンドとうふナチュラルビヨンドとうふナチュラル

20~30代の女性に向けてオリーブオイルで食べるマスカルポーネチーズ風の豆腐「ビヨンドとうふナチュラル」を開発し、その年間売上げは5億円を達成するなど、ヒット商品を連発しています。 

現社長が行った改革は他にも

相模屋食料の社長が行ったことは、斬新な豆腐の開発以外にもあります。それは、豆腐を熱々のままパックする「ホットパック製法」の開発です。この製法には、2つのメリットがあります。

メリット① 味が美味しくなる

豆腐は、できたての熱々が一番美味しい状態です。

しかし従来の製法では、できたての豆腐は熱くて手で持てないため、一度水で冷却してからパック詰めしていました。その後さらに、殺菌のため再加熱・再び冷やして冷蔵保存…と、温度の上げ下げを繰り返すことから、味が落ちていました。

温度変化の繰返しで味が落ちる豆腐温度変化の繰返しで味が落ちる豆腐

この問題を、できたての味をキープしたままパックする“ホットパック製法”によって解決しました。

メリット② 日持ちが3倍に 

ホットパック製法で熱々のまま包装すると、雑菌が繁殖しにくいため、日持ちが3倍ほど長くなります。 その結果、これまで関東近県に限られていた販売エリアを、全国へ広げることが可能に。全国出荷をスタートした翌年は、年間売上げが9億円もアップしました。

全国出荷も可能に全国出荷も可能に

ちなみに、日持ちは現在(※2020年10月放送時点)10倍まで延ばせるところに来ているそうです。

相模屋食料の三代目にあたる現社長は、実はムコ社長でもあります。
かつて会社は、豆腐市場の低迷もあり経営ピンチに陥っていましたが、社長の斬新な改革によって右肩上がりの売上げに。
2019年の年間売上げは292億円と、社長が入社した2002年当時から10倍に増え、絶好調です。

 

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