動物園で人気のキリンですが…
世界に約1000か所ある動物園、うち日本は約100か所を擁する“動物園大国”です。なかでも人気のキリンは、アメリカに次いで世界第2位の飼育頭数を誇ります。
日本の“キリン総本山”ともいえる東京・日野の多摩動物公園では、全部で17頭ものキリンを飼育しています。2020年春には2頭の赤ちゃんも誕生しました。

堂々としたキリンの群れは非常に壮観で、来場者を楽しませてくれます。(※2020年7月放送時)

しかし近年、キリンは世界中で生息数が激減し、「絶滅危惧種」にも指定されました。そのため、動物園のキリンにも交配管理の重要性が高まっています。
キリンのカップル誕生の仕組みは?
実は、世界中で飼育されているキリンは「血統登録簿」に登録され、データをもとに交配が管理されています。もっとも古い記録はおよそ200年前のものといいますから、驚きです。

日本中のキリンの血統は、多摩動物公園が管理しています。
例えば、ある動物園からお相手探しを依頼されると、いくつかの動物園から候補をピックアップ。最適な組み合わせを調査して交渉し、「OK」であればお相手が移動します。

まるで、人間の“婚活”のような仕組みですね。
ちなみに動物園同士のキリンの受け渡しは、“交換”や“貸付け”が主となり、金銭は発生しません。日本中の動物園が「全体の飼育園館で考えていこう」という意識を持ち、交配が行われています。
キリンが初めて日本に来たのは?
現在ではよく親しまれているキリンが、日本に初めてやってきたのは1907(明治40)年のこと。ファンジ、グレーという名の2頭が上野動物園に登場すると、「珍獣がやってきた」と話題になり、たちまち“キリン大フィーバー”が起こりました。ファンジたちが来園した年の年間来場者数は、初めて100万人を突破したといいます。

国立科学博物館(筑波研究施設)には、ファンジのはく製が今も大切に保管されています。
およそ100年前に2頭から始まった日本のキリンは、キリンを好きな人たちの思いや動物園の努力により、飼育数を増やし、誰もが知る動物になりました。

“平和の象徴”でもある動物園では、命のバトンを繋ぐためのさまざまな取り組みが世界中でなされています。
8/15(土)の『世界ふしぎ発見!』
世界ふしぎ発見!
土曜よる9:00~