極小「ミニチュア」で表現された、時の流れ
本物と見まごうような情景を表現したミニチュア作品が、話題を集めています。
手がけるのは、情景師・荒木智(さとし)さん。時を経た素材の変化や汚れを加えて、“時代”を感じさせる作品を数多く発表しています。

「昭和の終わりに」は、車の汚れや錆、小道具にいたるまで精巧に表現。右脇に置かれた1円玉と比べると、そのサイズ感に驚かされます。
「ゴッサムシティー」では、シャッターに描かれた絵やポスター、建物の壁などが、まるで本物の街のように作られています。

荒木さんは、「神の視点になったように俯瞰することが出来るミニチュアは、見るたびに発見がある」とその魅力を語ります。
超極細!奇跡の「切り絵」
超極細の切り絵を生み出すのは、切り師・長屋明さん。
「歌舞伎」は、役者のかつらの毛が逆立つさまや衣裳がいきいきと表現された迫力の作品。

なんと、一枚の紙とカッターナイフだけで制作しています。
長屋さんが切り絵を始めるきっかけは、20歳くらいにお寿司屋さんをお手伝いしていた頃。店主が笹バラン(寿司を飾る笹細工)を作るのを真似して、カッターで折り紙を切り、遊んだのが始まりといいます。
当初は「線」だった表現から、「糸」のような切り絵を考案し、今では0.1mmの細さまで切れるようになりました。

長屋さんの作品を見た人は紙が繋がっていることに驚き、「これを切ったのはクレイジーじゃない?」といわれたこともあると笑います。

繊細に表現されたミニチュアと切り絵。その名人芸には驚きです。
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