若き“女性”靴磨き職人
ビジネスマンなど、スーツを着る人は特に履く機会の多い「革靴」。それを磨く河村さんは、27歳で自分のお店をオープンした女性の靴磨き職人です。

お客さんの8割は男性で、年間およそ900足の靴を磨くとのこと。持ち込みはもちろんのこと、全国から配送されて、靴磨きの依頼がくるそうです。そんな若き女性靴磨き職人に『BACKSTAGE』が迫ります。
“女性ならでは”の目線で靴を磨く
「靴磨きは女性のメイクと似ている」と話す河村さん。
靴の汚れを落とすクレンジングを“メイク落とし”、革の部分のケアを“スキンケア”、ワックスを塗る工程を“メイク”になぞらえて靴を磨いていきます。

肌と同じように、革靴には保湿が大事で、乾燥は大敵だそう。また、メイクと同じように、仕上げの光沢においてもナチュラルなものが流行しているとか。
それぞれの革靴の状態を見極めつつ、お客さんの好みに合わせ、1足に1時間ほどかけて磨いていきます。

きっかけになったのは“一冊の本”
元々は、名古屋である企業の受付の仕事をしていた河村さん。
しかし24歳の時に『イタリア人の働き方』という本に出会い、そこに載っていた“女性靴磨き職人”ロザリーナ・ダッラーゴさんの生き方に感銘を受け、自分も靴磨き職人になりたいと思ったそう。
現在、靴磨き職人となった河村さんは「女性の方にも靴磨きをやってほしい」と話します。
女性は男性と比べて足の悩みが多く、足に合っていない靴を履いている人が多いそう。靴磨きをすることで、革が柔らかくなり、徐々に自分の足に合っていくとのことです。

以前まではパンプスがメインだった女性の靴ですが、革靴やローファーも主流になってきている近年。
“女性にも靴磨きを広めたい”という思いを胸に、河村さんは今日も1足1足、丁寧に靴を磨いています。
