一見硬くて頑丈そうに見えるのに、水を注ぐとどんどん吸収するという不思議な物体。今までになかった性能を持つ注目の素材をご紹介します。
【テーマ】
・正体は焼き物⁉
・保水のヒミツ
・ルーツは資源活用だった
正体は焼き物⁉
不思議な物体の正体は、セラミックス。焼き物です。

この焼き物は、硬質なのに水を吸収する性質を持つ「保水セラミックス」という素材。
驚くほどに水を吸う素材なので、穴を開けて植物の種をまき、あらかじめ少量の水を含ませておけば水やりなしで植物を育てることもできます。

手をかけずに植物を育てることができるという利点を生かして、緑が必要なビルの屋上や道路、線路の間など様々な場所で活用され始めています。

保水のヒミツとは?
保水セラミックスが水をよく吸う秘密は、5~7ミクロンという、肉眼で見ることのできないとても小さな穴が開いているから。

セラミックスの材料である土を焼く際に、中にいる微生物も一緒に焼けるため、元々それが居た部分が空間となって残ります。
水は、そのごく小さな穴にとどまる形になります。
ルーツは資源活用だった
この不思議なセラミックスは、石川県にある「小松マテーレ(株)」と「(株)トーケン」の2社の協力によって開発・販売されています。
小松マテーレは、国内外の大手アパレルブランドの生地を製造する大手織物メーカーですが、工場でたくさんの泥が出てしまうことに困っていました。


そこで工場から出る泥を利用し、地元・能登の珪藻土や粘土、鉄など混ぜて1,000℃で焼き上げてみることを小松マテーレの会長が提案。そしてできあがったのが、この不思議なセラミックスでした。

緑化への活用をはじめ、さまざまな可能性を秘めた注目素材「保水セラミックス」。今後、大きなイベントの会場などでも採用される可能性があるかもしれませんね!
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