ミステリー小説の名手・貫井徳郎が新作「罪と祈り」に込めた想いとは?

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「これを書けたから、もう小説家を辞めてもいいです」と作者の貫井徳郎氏が大きな自信を持って書き上げた最新ミステリー小説「罪と祈り」(実業之日本社)。グイグイ引き込まれてしまうストーリー展開に、一気読みしてしまうと話題になっています。あらすじや読みどころ、執筆するにあたっての作者の想いをご紹介します。

貫井徳郎氏の自信作

作者の貫井徳郎氏は、2010年「乱反射」(朝日文庫)で日本推理作家協会賞、「後悔と真実の色」(幻冬舎文庫)で山本周五郎賞を受賞した経歴を持つ、日本を代表するミステリー作家です。

貫井徳郎氏の「乱反射」と「後悔と真実の色」貫井徳郎氏の「乱反射」と「後悔と真実の色」

直木賞候補にもなった「愚行録」は2017年に映画化され、迷宮入りした一家惨殺事件から始まる嫉妬や駆け引き、人間の闇を描いた話題作として注目されました。
そんなミステリー作家・貫井氏が絶対の自信を持って世に送り出したのが、最新作「罪と祈り」

貫井氏渾身の最新作貫井氏渾身の最新作

早くも、書店員さんから絶賛の声が寄せられています。

「罪と祈り」のあらすじは?

「おじさんの側頭部には、殴られた痕があった」で始まるストーリーは、正義感が強く地元でも慕われていた元警察官・辰司の溺死体が発見されたところから始まります。

「おじさんの側頭部には殴られた痕があった」「おじさんの側頭部には殴られた痕があった」

辰司の息子・亮輔と、自殺した父の亡き後、辰司を父親のように慕っていた刑事・賢剛。2人が事件の謎を追うにつれそれぞれの父が背負っていた「秘密」と、日本の犯罪史に残る未解決誘拐事件の真相に迫っていくストーリーです。

それぞれの父が背負っていた「秘密」それぞれの父が背負っていた「秘密」

一番の読みどころは、東京の下町・浅草の隅田川を舞台に、2人の父親と2人の息子の計4人が主人公であるところ。

計4人が主人公計4人が主人公

それぞれの視点で現代と30年前が交互に語られていく構成で、気になるタイミングで次の主人公に視点が変わるので、ページをめくる手が止まらなくなります。
各章で張られた伏線が、最後で鮮やかに回収されていく様は、まさに圧巻。浅草を愛し続けている人の心も描かれて、どこかほっこりした気持ちも残ります。

執筆秘話やこだわりは?

作家の貫井氏がこの作品を通じて描くのは、“正義”は「どんな理由があろうと犯罪は犯罪、罪は罪。だから罰せられなければならない」という想い。
「僕の小説では、罪を犯した人間にはそれ相応のことが起きる」と語ります。

「罪と祈り」「罪と祈り」

「罪と祈り」では、殺された辰司が一番早くキャラクターが決まったそうで、理由は「警察官なのに正義を遂行できず葛藤する」という、この作品のテーマを体現しているから。
主人公たちの心の闇や葛藤を通して「罪とは?」「正義とは?」を問う作品。秋の夜長にぜひ読んでみたい一冊です。

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