和歌山県民に愛されている緑色のアイス、その名も「グリーンソフト」をご存じでしょうか?
年間200万個を売り上げ、市内のスーパーには専用コーナーもあるほど超人気のご当地アイスです。その影響力はすさまじく、こどもが描くソフトクリームの色は白ではなく緑色が当たりまえなのだとか…。
一体、どのようなアイスなのでしょうか?
お茶屋さんが作る本格的なアイス
和歌山のご当地アイスの正体は、抹茶ソフトクリーム。

和歌山市にある江戸時代創業のお茶専門店「玉林園」で作られています。一番の特徴は、お茶が本格的であること。お茶屋さんが作る抹茶アイスとあって、抹茶を石臼で挽いています。

ただ、石臼では1時間でわずかな量しか挽くことができません。粉砕機を使用すれば抹茶を大量にすばやく作ることができるのですが、石臼の方が抹茶の粒子が細かくなり舌触りがなめらかになります。
そのため、玉林園では約1,000台の石臼を使って毎日抹茶を挽いています。

グリーンソフトは、昔ながらの抹茶作りを大事にするというお茶屋さんならではのこだわりが詰まったアイスなのですね。
今から61年前の夏、玉林園の先代は「夏は茶葉が売れない」と苦労していました。
そんなあるとき、「海外では抹茶にミルクを入れて飲んでいる」という情報を耳にし、アイスに抹茶を入れてみようと発案。こうして、グリーンソフトは誕生しました。
ちなみに、今では全国的におなじみの抹茶アイスですが、社長曰く、実は抹茶を入れてソフトクリームにしたのは玉林園が世界初なのだそうです。
“刷り込み作戦”で、和歌山のこどもたちに浸透
グリーンソフトが和歌山全体で知れ渡ったのには、先代が52年前に考えたある作戦にありました。それは、「グリーンソフトをプレゼントする引換券」をこどもの日に配ること。

配り先は和歌山市内の100を超える幼稚園や保育園で、配布数は約1万5,000枚にのぼります。
この作戦によって、和歌山のこどもたちは何の違和感もなく「ソフトクリーム=緑」だと思って育ち、描くソフトクリームの絵は緑色があたりまえ。

52年間継続中の“刷り込み作戦”が成功し、グリーンソフトは和歌山の定番アイスへと成長しました。
老舗のお茶屋さんで誕生した抹茶アイス「グリーンソフト」は、幼少期から和歌山の人たちを虜にしていました。石臼で挽いた抹茶の風味、味わってみたいですね。
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