水を機械で凍らせるのではなく、自然環境の中で作られる天然氷。じっくり時間をかけて作られるため、硬く透明で美しい氷になります。
そんな天然氷を使った氷屋さんの「かき氷」はどんな味がするのでしょう?また、天然氷とはどのように作られているのでしょうか?
天然氷のかき氷はふわっふわ!
現在も天然氷を作る氷屋さんに、日光にある1894年創業の老舗「松月氷室(しょうげつひむろ) 本店」があります。
お店では天然氷を削り出して作ったかき氷を楽しむことができ、メニュー数はなんと約35種類。中でも一番人気は「生いちごプレミアム」です。

地元産とちおとめなど栃木産いちご100%でできた、濃厚な特製ソースがかかっています。
とてもボリューミーに見えるのは、氷がふわっふわだから。長い時間をかけて凍った天然氷は硬さがあるため、薄く削ることができるからです。

口に入れると、ほろっと溶けるのは天然氷ならでは。氷だけを食べてもその美味しさは歴然です。
天然氷は専用の池で作られる
かき氷に使われる天然氷が作られるのは、水が自然に凍る環境の山の中。「氷池(ひいけ)」という氷を作るための池に日光の湧き水を引き込み、自然の力で凍らせて作ります。

天然氷作りが本格的に始まるのは年末から。自然にできた氷は厚さ15cmに切り出され、一部は隣にある「氷室」で保存されます。

この中で、120トンほどある氷がおが屑をかけて保存されています。おが屑の保温性と、溶けた水を吸収し発散してくれる力を利用しており、冷蔵庫ではなく伝統の保存方法を今でも続けています。

スコップでおが屑をかきわけて氷を掘り起こし、取り出した氷のおが屑を洗い流すと、透明で美しい天然氷が現れます。

自然の力を利用して天然氷作りの環境を整備
天然氷作りには長い時間や手間がかけられます。氷池では、雑草が生えないようにするために夏の間も水が入れられています。そこには、何やら鯉の姿が。

これは水を入れているだけでは水生昆虫などが繁殖してしまうので、鯉を10匹ほど放し水性昆虫を駆除しているそう。
また、鯉は池の底をつついて水を土で濁らせるため、池に光が入らなくなり水草が生えなくなるというメリットもあります。
このように、自然の力を借りて良好な環境を維持されている氷池。9月下旬からは、約3か月をかけて池の清掃や整備が行われ、年末の氷作りシーズンを迎えます。
昔ながらの方法で作られる天然氷のかき氷。その人気も納得ですね。

スポット名:松月氷室 本店
住所:栃木県日光市今市379
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